その4 生検パシャパシャ
30分もかからないで大きな病院に到着。2階にある皮膚科を受診するため、エレベーターに乗った。大きな鏡に映る自分は心なしか元気がない…
「あれ…辛島君?」
(ありゃ?…)
皮膚科に到着したので受付をしようとしたところ、窓口にいる職員が知り合いだったことに気づく。
(こんなときに…)
「あっ…お久しぶりです。これ(紹介状)」
いつもなら世間話でもしたいところだけど、今はそんな気持ちになれず…愛想笑いを浮かべながら紹介状の入った外来受診ファイルを手渡す。
しばらく待合室にいると、診察室に呼ばれた。
先生は女性。皮膚を観察しやすくしているのかな?部屋がまぶしいくらいの照明で、先生も顔がテカテカ光って見える。
「あっ…よろしくお願いします…」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」
そう言われてから僕の背後に回り、患部を超高性能一眼レフカメラ?(実際見てないから定かではないんだけど)で強烈なフラッシュを焚きながら何枚もパシャパシャ…
その後、椅子に座ってこう言われた。
「出来物がどんなものなのか確実にわかる方法は生検ですので、それを行いたいと思います。」
「生検…なんですかそれ?…」
「出来物を一部削り取って組織を調べることです。今から準備をしますからしばらく待合室でお待ちください。」
「(マジか…こりゃ職場に電話しとかないけんな…) すいません、トイレに行ってきてもいいですか?」
「どうぞごゆっくり!」
その足で駐車場へ行って、車の中で電話。
「あの~何かえらいことになってしまって…生検ってのをする必要が出てきたので、今日は一日休ませてください」
本来なら午後から出勤予定だったけど、これから生検っていうのを受けていたら間に合いそうにないと思った僕。
その後、急いで待合室に戻るも、呼ばれる兆しが全くない…
待てど待てど呼ばれることはなく、他の患者さんはどんどんいなくなり、気が付いたら僕一人…時間は午後1時に迫っていた。
(準備に手間取ったというよりは、他患者さんの診察を優先したんやろうな…)
そんなことを思っていると、ようやく診察室に呼ばれた。
「お待たせしました。」
中へ入ると、先生だけじゃなく看護師さんが数人いる。
(なんでこんなに人がいるのかな?)

「それでは今から生検をするのでベッドに横向きで寝てください。」
(なるほど…だからか!)
看護師さんに手伝ってもらい車いすからベッドへ…そして左耳が上になるよう横向きの体制をとった。
その後、局所麻酔をして患部の組織を一部採取。
その後、横向きの体制を維持するのに必死で疲れ果てた表情の僕を見て、先生はこう言われた。
「生検の結果は今すぐにはわかりません。1~2週間後にまた来てください。」
(マジか…こりゃ結果がわかるまで熟睡できんな…)
ヨワヨワマンの僕は、そう思いながら家路へと車を走らせた。
ー つづく ー
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