パンツ履く嫁とノーパン旦那
平日、晩御飯の片付けを終えた嫁がソファでくつろいでいる旦那に話しかけている。
嫁「ねぇ」
旦那「何?」
嫁「パンツ履いてる?」
旦那「え?」
嫁「今、あなたパンツ履いてる?」
旦那「履いてない」
嫁「ハァ〜。。。」
旦那「いいじゃん別に」
嫁「なんでパンツ履かないの?」
旦那「気持ちいいから」
嫁「・・・」
旦那「・・・」
嫁「ねぇ。パンツ履いてよ」
旦那「嫌だ」
嫁「なんでよ」
旦那「だから、気持ちいいからだって」
嫁「何が気持ちいいのよ」
旦那「スースーするのがいいの」
嫁「スースーって何よ」
旦那「スースーはスースーじゃん。締め付けがなくて、気持ちいいのっ」
嫁「開放感があるってこと?」
旦那「そうそれ。開放感。開放感」
嫁「・・・わっかんない。私、わっかんないわ」
旦那「ほっといてよ」
嫁「・・・」
旦那「何?」
嫁「で、あなたいつまでノーパンでいくつもり?」
旦那「あ?」
嫁「あなた今、37じゃん。37だから、まぁ若干許せるけど、いつまでノーパンライフでいくのかって聞いてんの」
旦那「んなもん、死ぬまでノーパンだよ」
嫁「・・じゃあ、あなたは、ノーパンで死ぬの?」
旦那「あ?」
嫁「あなたが死ぬときは、パンツ履いてないってことでしょ?」
旦那「まぁ、そうなるな・・・」
嫁「じゃあ、あなたが危篤になったときに、病院の一室でさ、私たちが涙ながらにあなたを起こそうとするじゃん。あなた!あなた!目を覚まして!あなた!死なないで!って。そんときもあなたノーパンなんでしょ?」
旦那「何が悪いんだよ」
嫁「ちょっと引っかかるのよ。」
旦那「何がだよ」
嫁「引っかかるのよ。ノーパンが。」
旦那「どういうことだよ。」
嫁「人生の最期かもしれない大事なときなのに、あなたのノーパンが引っかかって、私、本気出せないかもしれないじゃない。「あなた!あなた!目覚まして!死なないで!」の本気が出せないかもしれないじゃない」
旦那「なんでだよ」
嫁「うっすらとかおるのよ、ノーパンが。ノーパンがほんのり香ってくるのよ。私、こんなに必死なのに、この人ノーパンなんだぁ・・・、が脳裏に引っかかるのよ!」
旦那「なんだよそれ」
嫁「このままだとノーパンのせいであなたそのまま死ぬよ?それでもいいの?」
旦那「・・・これは考え方だけど、逆にそのときパンツ履いてたほうが違和感にうつるって可能性もあるよ」
嫁「どういうことよ」
旦那「お前な、今後も一生、俺の人生ノーパンが続いたとしてだ。ノーパンライフで来てる俺が急にパンツを履き出したとしたら、それはそれでそっちの方がその頃に至っては、違和感になるんじゃないかって話よ。」
嫁「・・・何言ってんのかさっぱりだわ」
旦那「なんでだよ。」
嫁「はぁーあ。私たちいつからこうなっちゃんだろ」
旦那「どういう意味だよ」
嫁「パンツ履いてる私とパンツ履いてないあなた、こんなに正反対の道を歩むなんてさ・・・」
旦那「っていうか、パンツ履いてるか、履いてないかだけの話だけどな・・・」
嫁「私にとって、パンツは履くものなの。大事なところをガッチリとホールドしてさ。私、今、パンツ履いてるんだぞって。今、私ってば、パンツに守られちゃってるって。胸張っていえる。いつもそう思ってるのよ」
旦那「なに言ってんだよ」
嫁「じゃあ、聞くけど、あなたにとって、パンツってなに?」
旦那「は?」
嫁「あなたにとってのパンツって、どういう存在?」
旦那「・・・いや、パンツに何にもねえわ。パンツに哲学もクソもねえわ」
嫁「はあーあ。昔のあなたは、パンツ履いてたのになぁ〜」
旦那「ま、そういう時期もあったかな。。。」
嫁「私が愛したあなたは、パンツを履いていた。」
旦那「は?」
嫁「初めてのデートもパンツを履いていた。初めてのお泊まりでもあなたは、パンツを履いていた。プロポーズのあの夜もあなたは、パンツを履いていた。」
旦那「・・・」
嫁「けど、今のあなた、パンツ、履いてない」
旦那「改めていうなよ」
嫁「私、愛したの。あなたを愛した。仕事も真面目で人当たりも良くて優しくて、子供のことが好きで、そんなあなたを愛してた。あの時、あの場所で、愛したあなたは、パンツをちゃんと履いてた。どんなときもパンツ履いてる人だった。そんなあなたが、パンツのある人生を捨てて、パンツのない人生を選ぶなんて思いもしなかった。出会った時のあなたは、パンツを履いてたのに、なんでよ、、、。」
旦那「もういいじゃん。昔の話は。」
嫁「新婚の頃、私、あなたのパンツ洗ってた。思い出すな〜、あなたが履き潰してたヨレヨレのパンツ・・・。このヨレヨレ感、あ、これが新婚なんだな、って思った。私幸せだった。それが最近のあなたはどう?パンツ、あのヨレヨレのパンツ、最近すっかり見ない・・・。ねえ、みんな一体どこ行ったの?」
旦那「捨てたよ」
嫁「え・・・今なんて・・・」
旦那「全部捨てたよ」
嫁「え・・・」
旦那「・・・」
嫁「捨てたの?」
旦那「捨てたよ」
嫁「パンツの思い出と共に?」
旦那「パンツの思い出なんてねえよ」
嫁「あの、ヨレヨレのパンツも?」
旦那「・・・捨てたよ」
嫁「・・・」
旦那「・・・」
嫁「そんなに開放感が大事なの!?」
旦那「・・・」
嫁「そんなに解放されたいの!?」
旦那「なんか意味違ってきてるけど、そうなのかもしれないな、、、。」
・・・
・・・
・・・
(15分後・・・)
嫁「ねえ。私も、、、私もなれるかな?」
旦那「は?」
嫁「私もノーパンになれるかな?」
旦那「別にならなくてもいいよ」
嫁「なんで」
旦那「別になろうと思ってなるもんじゃないんだよ」
嫁「私もパンツのない人生歩んでみようかしら」
旦那「やめとけ」
嫁「なんでよ」
旦那「やめとけって」
嫁「なんでよ」
旦那「やめとけって言ってんだろうが!俺は、お前のパンツが好きなんだよ!」
嫁「え」
旦那「俺はなぁ、パンツが好きなんだよ!パンツが好きだから。好きだからこそ、今、パンツのない人生歩んでるんだよ・・・。」
嫁「ちょ、なに言ってるかわかんないんだけど」
旦那「パンツはなぁ、解放してこそパンツなんだよ」
嫁「ちょ、あなたどうしちゃったの?」
(旦那がおもむろにズボンを脱ぐ)
嫁「ちょ、なにしてんのよ」
旦那「なにが見える?」
嫁「ちょ、ぇえ?」
旦那「なにが見えるって聞いてんだよ」
嫁「ちょ、ぇえ?ブツが露わになってるよ」
旦那「なってないよ」
嫁「はぁ?」
旦那「パンツ、履いてんじゃん」
嫁「はぁ?」
旦那「お前には、俺のパンツが見えないのか?俺の自由という名のパンツが見えないのか?」
嫁「いや、ノーパンじゃん」
旦那「ノーパンという名のパンツを履いてるって言ってんの!」
嫁「どうゆうこと?」
旦那「いいか?パンツってのは、もっと自由なんだよ。自由を求めた先にあるのが、解放なんだよ。解放のパンツなんだよ。いや、パンツの解放なんだよ。パンツを突き詰めて突き詰めた結果が、ノーパンなんだよ。わかる?自由のパンツと書いて、ノーパンって読むんだよ。パンツを履くってのはな、言い換えれば、パンツを使ってるに過ぎないんだよ。パンツを使ってるうちは、真のパンツとは言わねえ。パンツに履かされてるって考えた方がいい。本当の意味でパンツを履くっていうのはな、ノーパンの状態でこそ得られるんだよ。パンツを履くことを突き詰めて突き詰めて突き詰めまくった結果、パンツを履かないってことに行き着くんだよ。だから、今の俺は、パンツを履いてるんだよ。履かされているんじゃねえ。自分の自分だけによる自由と解放、無限、そして永遠のパンツを履いているんだよ」
嫁「あなた・・・」
旦那「・・・」
嫁「どうなっちゃたの?」
旦那「はっはっはっはっは」
嫁「だから言ったのよ、パンツ履きな!って」
旦那「あーはっはっはっは」
嫁「もう、パンツ履いてよ!」
旦那「だから、履いてるじゃないか」
嫁「履いてないじゃん!」
旦那「履いてるじゃないか」
嫁「履いてないじゃん!」
旦那「履いてるじゃないか」
嫁「履いてないじゃん!」
旦那「履いてるじゃないか」
嫁「履いてないじゃん!ノーパンじゃん!パンツ履いてないじゃん!霰もない姿晒しちゃってんじゃん!」
旦那「あーはっはっはっはっは!あーはっはっはっは!」
・こぼれ話
今、あなたが履いているそのパンツが本当にパンツとは限らない。パンツって、あなたの中にしかないものだから。自分だけのパンツを探すってのも悪くないよね。
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