740g生まれ、次に立ちはだかった「胎便」の壁
娘は妊娠24週、740gで生まれました。
72時間の壁を越えて安心したのも束の間、次に立ちはだかったのが「うんちがちゃんと出るかどうか」という壁でした。
超低出生体重児では、腸の働きがまだ未熟なことなどから、胎便の排出がうまく進まないことがあります。
胎便がうまく排出されないことで腸閉塞を起こしたり、重症化すると腸が破れてしまうこともあると聞いていました。
その場合には、状況によってストマ(人工肛門)の手術が必要になることもあると聞いていました。
娘もこの排便については、なかなか気の抜けない状況が続きました。
「今週が山場」と言われた生後2週目
まず言われたのが、腸管にとって生後2週目が山場だということ。
生後すぐは浣腸でうんちが出せていると聞いていましたが、生後6日目頃から浣腸をかけてもなかなか出ず、少量の粘液便が出る程度となってしまいました。
そのため、腸への血流を確保するため、おへそに入っていたカテーテルを抜くことになりました。
造影剤を使った処置
生後7日目、それでもうんちが出ないため、外科の先生とも相談の上、ガストログラフィンという造影剤を使って、浸透圧の力で排便を促す処置をすることになりました。
主治医の先生が朝早く部屋まで来たので何事かと思いましたが、造影剤使用の同意書取得のためで、ほっとしたような心配なような…。
胃に入れているチューブからも胆汁のようなものが引けていて、腸の動きがうまくいっていない可能性があることも分かり、正直かなり不安な時間でした。
5倍に希釈した造影剤を浣腸で入れてもらい、あとは出てくれることを祈るしかありませんでした。
それでも出ず、2回目へ
生後7日目、私は一足先に退院しました。
翌日の生後8日目は夫が面会に行き、1回目の処置でも排便がなく、もう一度造影剤を使った処置をしたと聞きました。
入院中は何かあれば看護師さんや先生から話を聞くことができましたが、退院してしまうと頻回に娘の様子を聞けるわけではありません。
次に娘の様子が分かるのは、翌日、私が面会に行ってから。
もしそれまでに病院から電話がかかってくるとしたら、それはきっと何かよくないことが起きたとき。
「今、娘はどうしているんだろう」
そう思いながら、翌日の面会まで、ただ不安な時間を過ごすしかありませんでした。
私は看護師として働いていたので、人が病気になり、どんなに頑張っても亡くなってしまうことがあるという現実を知っていました。
娘の生命力を信じたい。きっと大丈夫だと思いたい。
それでも、超早産で生まれた赤ちゃんが腸の病気で亡くなってしまう話を知っていたこともあり、「もし娘もこのまま腸が悪くなってしまったら」と、どうしても考えてしまいました。
医療者として知っている現実が、今度は自分の娘に起こるかもしれない。
そう思うと、娘を信じたい気持ちよりも、恐怖に飲み込まれそうでした。
ようやく出た生後9日目
生後9日目、私が面会に行ったとき、担当の看護師さんに、泣きそうになりながら「うんち、出ましたか?」と聞きました。
すると看護師さんが、なぜか少しひそひそ声で、
「……出ました」
と教えてくれました。
その瞬間、NICUで少し涙が出ました。
そして、かなりたくさんうんちが出てくれたそうです。
夜勤帯で出たようなのですが、夜勤担当の看護師さんが、先生や日勤のスタッフみんなと喜びを分かち合うために、うんちたっぷりのおむつを朝まで取っておいてくれたそうです(笑)
うれしい報告を聞いて、こちらも胸をなでおろしました。
今後は通常の浣腸で排便を促していく方針とのことで、再び詰まる可能性について尋ねると、なくはないものの胎便が一番詰まりやすく、「今回の処置で、胎便はほぼ出しきれたのではないか」とのことでした。
