ヒーローも恋をする──“愛すること”が強さになる瞬間
ヒーローは孤高であるべきか?
それとも、誰かを愛するからこそ強くなれるのか?
特撮ヒーロー、特に『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』シリーズにおいて、恋愛描写はしばしば避けられるテーマです。
ヒーローは悪と戦うことに集中する孤高の存在として描かれるのが定石とされてきました。
しかし、ごく稀に恋愛を正面から描いた作品が現れると、そこには他の作品にはない“人間らしさ”がにじみ出てくるのを感じます。
今こそ問い直したいのです。
誰かを愛するヒーローは、本当に“らしくない”のでしょうか?
愛という感情を持つことは、ヒーローの強さを削ぐ「弱点」になるのか、
それとも戦う理由をくれる「力」になるのか。
恋をしたヒーローたち──恋愛が描かれた代表的な例
恋愛が描かれる作品の多くは、物語の終盤や、特別編などで「戦いを終えた後の未来」を描くことが多いのが特徴です。
これは、恋愛がヒーローにとって単なる「ご褒美」ではなく、
ヒーローとしての使命を果たしたからこそ得られる、
「ご褒美以上の責任」として描かれているからかもしれません。
特に印象的なのは、結婚やプロポーズにまで踏み込んだ作品です。
『仮面ライダードライブ』の泊進ノ介と詩島霧子
最終話のその先の作品で二人の結婚が描かれました。『獣電戦隊キョウリュウジャー』の桐生ダイゴ(レッド)とアミィ結月(ピンク)
最終回で二人の恋愛関係が示唆され、多くのファンを熱狂させました。
さらに後年の『キングオージャー』の世界では、彼らの息子であるプリンスが活躍するという胸が熱くなる展開が描かれました。
これらの描写は、ヒーローが戦いを終えた後も続く「人間としての幸せ」を具体的に提示しました。
彼らにとって恋愛は、戦うことの対価であり、守るべき未来そのものになったのです。
恋愛はヒーローをどう変えるのか?
A|”誰かのために戦う”が具体化される
ヒーローは漠然と「平和のため」「みんなのため」に戦います。
しかし、愛する人ができると、その戦いは一気に具体的な意味を持ち始めます。
たとえば『仮面ライダードライブ』の進ノ介は、当初は「バディ」である霧子と共に戦っていました。
しかしやがて彼女を愛するようになり、戦いの理由は「大切な人を守るため」へと進化しました。
B|”傷つけたくない”という制限が生まれる
恋愛は、ヒーローにとって「弱点」になりうる側面も持ちます。
悪の組織に愛する人を人質に取られ、手出しができなくなる──そんな展開は、観る者にヒーローの葛藤を強く印象付けます。
後に2人の間に子供が生まれていたことを知るタイムイエローのドモンの恋人はヒーローではない一般のカメラマン。そんな彼女に正体を隠し守ろうと必死でした。
愛する人を守りたいという気持ちが、同時に「傷つけたくない」という制限を生み、ヒーローに迷いや葛藤をもたらす重要な要素となるのです。
C|”人間としての温かさ”が増す
恋愛は、ヒーローが「戦うマシーン」ではなく、「血の通った存在」であることを説得力を持って示します。
これは特に、ヒーローと共に成長し大人になった視聴者層が感情移入しやすくなる大きな要因です。
恋愛に悩み、好きな人のために奮闘する姿は、
ヒーローをより身近で、温かい存在として感じさせてくれます。
なぜ恋愛は描かれにくいのか?
これほどドラマを生む恋愛描写ですが、多くの特撮作品で敬遠されるのには理由があります。
子ども向け番組という性質
視聴者の中心である子どもたちに、複雑な恋愛模様は必要ないという判断があるかもしれません。多様性の重視
スーパー戦隊のように男女比のバランスや、変身後の個性を重視する番組では、特定の個人関係を強く描くことが避けられる傾向にあります。
しかし、時代は変わりました。
特撮の視聴者層は広がり、彼らが求める物語も多様化しています。
それに伴い、「恋するヒーロー」へのニーズも年々高まっているのです。
愛するヒーローが子供をもうけ、その子供が二世ヒーローとして活躍する──
そんな展開は、長年特撮を応援してきたファンにとって何よりの喜びでしょう。
愛するヒーローは、人間として強い
「恋愛するヒーロー」は、決して“弱い”のではありません。
むしろ、誰かを愛するという覚悟を持つことで、
人間として、そしてヒーローとして、より強く、深い存在になれるのです。
愛があるから守れる。愛があるから戦える。
アメリカンヒーロー──スパイダーマンやスーパーマンのように、守るべき相手がいることで、彼らの行動原理は明確になり、物語は深みを増します。
これからの特撮ヒーローに期待したいのは、
孤高に戦う姿だけではありません。
孤高に戦うヒーローもかっこいい。
でも、誰かと手を取り合って未来を歩むヒーローも、私はもっと見てみたい。
あなたは、どんな“愛の形”をヒーローに期待しますか?
書いているのは:橘|拳で特撮を語る女
特撮を推して、ボクシングで体脂肪を燃やしながらnoteを書いてます。 目標は「推しに見合う私でいること」。
noteでは、50代だからこそ面白い!と感じる体験や、“やってみたいこと”を綴っています。 フォロー・スキ・コメント、大歓迎です!
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