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ミラノの街と工事現場。

おはようございます。内堀雄平と申します。ジブンハウスという規格住宅/セミオーダー住宅ブランドの会社をやっています。

今回のテーマは『ミラノの街と工事現場。』です。


2026.4/21~4/25にかけて、ミラノサローネの参加とミラノの街づくりや建築などを学ぶことを目的に行ってきました。そこで学んだことをジブンハウスの商品やプレゼンテーション、日本の街づくりに活かしてければと思っています。そのなかで、今回はミラノの街と工事現場でのプレゼンテーションが魅力的だったので、そのことについて書いていきます。
(ミラノサローネとは、毎年4月にイタリア・ミラノで開催される世界最大規模の家具・インテリア国際見本市のこと。)

通常、工事現場というのは「早く完成しないかな」と思われる存在です。工事現場シートは住宅会社の広告があって無機質、大きな仮囲いが立ち、騒音があり、景観を遮る。街にとって、一時的にネガティブな存在として扱われることも少なくないです。そんな感覚を私自身も持っていました。
ところが、ミラノの街は、工事中の景観も、街のデザインでした。

改修工事中のサン・フェデーレ教会

例えばこの画像にあるサン・フェデーレ教会は外観のメンテナンス工事中ですが、現場シートには教会の外観のイメージを残しつつ、広告が動画で流れています。ここはミラノの有名なドゥオーモとスカラ座の間にあり、この教会前のサン・フェデーレ広場には多くの方が訪れます。
そのような場で、街の景観を損なわずに工事現場をデザインしているのは、訪れた方がその場所に来てガッカリしない気持ちにさせることにつながると思いました。

外観メンテナンス中のドゥオーモの現場シート

ミラノに来たら必ず訪れるであろうドゥオーモ(ミラノ大聖堂)でも、建物を維持し続けるために随時メンテナンス工事をしていますが、このように現場シートには外観イメージがプリントされ、そこに動画広告が流れています。

サンタ・マルゲリータ通りの建物の現場シート

ミラノの中心部にあるサンタ・マルゲリータ通りの彫刻前の建物もメンテナンス中でしたが、現場シートには外観がプリントされていて、今回行くミラノサローネの広告が前と横に大きく宣伝していました。

有名な建築ではないメンテナンス中の現場

こちらの建物は有名な建築ではなく、観光名所ではありませんが、このようにメンテナンス中の現場には完成したイメージの窓ガラスがプリントされています。

このように、工事中の現場を単に“隠す”のではなく、“街に対してプレゼンテーションをしている”ところがとても面白いと感じました。

工事中というのは、本来“未完成”の状態ですが、ミラノでは、その未完成さえも街の体験に変えていて、“これからこの街がどう変わっていくのか”を街にいる人たちに共有するコミュニケーションの場になっていました。

私はそこに、街づくりに対する思想の違いを感じました。日本の工事現場は、どちらかというと“機能”が優先されます。安全性、効率性、コスト。もちろんそれらは非常に重要です。しかしその一方で、「街の景観をどうしていくか」という視点は、まだ改善の余地があるように感じます。

特にこれからの時代は「建物単体」ではなく、「街全体の体験」が重要になっていくと思っています。どれだけ良い建物や建築でも、街との関係性が悪ければ、長く愛される存在にはなりにくい。一方で、工事中から街に対して丁寧にコミュニケーションをしている建築には、人の記憶が残ります。

それは単なる建築ではなく、“街の風景”になるからです。ミラノの街の工事現場を見て感じたのは、建築とは完成した瞬間から始まるものではないということです。

工事が始まった瞬間から、すでに街づくりは始まっている。
だからこそ、工事中の景観も含めてデザインすること。それが、これからの豊かな街づくりにつながっていくのではないかと思っています。
ジブンハウスとしてもこれからこの考えを取り入れていき、日本の各地域の街づくりをより良くしていきます。

今回のテーマについては以上です。次週以降もミラノ雑感や家づくりに関する様々なことを発信ができればと思います。

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