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5月の全短歌⑥《終》夏の手前
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ソプラノとアルト、テナーとバスたちがケラケラ笑う四重奏の家
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生きている副賞として差し上げますよく飛ぶ星となぐさめのチョコ
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ビル街を選んで咲いたたんぽぽの後悔さえもアイデンティティ
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出席に丸を囲んだカマキリの同窓会はすごくせつない
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火曜日のサザエさんから告げられるとにかく明るく生きていこうと
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人間のために生きてるわけじゃない若手の虫が翻す羽根
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もう少し地球がまるく見えたなら敵も味方もなかった気がする
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コトコトとぜんまい仕掛けのロボットが吾子の速度で未来からくる
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レーダーが今から雨が降るといい傘を探してすでに夕焼け
60
寝る前にカーテン少し開けておく枕に光当たる角度で
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カルピスの原液みたいな雲があり薄めるための歳月がある
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「わたくしを愛でてからでも遅くない」あじさい通りは夏の手前
63
降りそうで降らない雨のような目がキラキラきらきらキらキらきラ☆
64
夕焼けよ急いで東の空へゆけあの子の雨を飲み干してくれ
65
エピローグかもしれないと捲ってる指先に付く毎日の指紋
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人間を引退したら雲になり空で勝手に個展を開く
5月、66首。
雨の季節もよろしくお願いします。
