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ポトフの兄弟、フランス家庭料理ポテ〜北フランスの週末煮込み日記

スーパーのメイン棚割りがトマト・ズッキーニ・なす・パプリカからかぼちゃ・かぶ・ポワロー・にんじん・キャベツへと姿を変え、週末のマルシェでは夏の間お休み中だったマダム・クレソンがとれたてのみずみずしいクレソンたちを並べ始める。

俺のニットは厚めのポンポンニットとなり、そして私の編みのお供がロゼから赤に変わると、もうそれは完全に秋のサイン。

かぼちゃの季節
今気づいたけど、後ろのじゃがいも安すぎないか?5kgで3ユーロ。
野性味あふれる根菜たち
数ヶ月ぶりのマダム・クレソンのクレソンスタンド
ここでクレソンをひと束買うのが毎週末の愉しみ
なお、俺はかぼちゃ色ルックを意識してます🎃


夏が来るまではいつもじれったいくらい暑かったり寒かったりを繰り返すのに、寒くなるのはあっという間。ゆえに秋はとても貴重なのである。油断するとすぐ冬になりやがるから。

そんな季節の移ろいに一番敏感に反応するのが、我が胃袋。途端にニッポンのおでんが恋しくなる中年日本人女性マダム・ジャポネーゼユイじょり。

年を重ねても考えることは毎年変わらないようで、9月の末になると「嗚呼おでんが食べたい」→「なんか煮込むか」→「とりあえずポトフいっとく?」みたいなことを例年行なっている。生存ログと化している我がnoteを振り返ってみると、ほらこの通り。


郷土色あふれるフランスの家庭料理、ポテ(potée)

牛のかたまり肉を使った野菜の煮込みがポトフなら、塩漬け豚肉とソーセージを使った野菜の煮込みは、ポテ。野菜の煮込み兄弟みたいなもんね。

それにしても、ポテ、ポテ、ポテ・・・ポテかわいいよポテ。
ポテにしろパテにしろラペにしろ、思わず連呼したくなるような響きが可愛いフランスの言葉はたくさんある。

フランス語はただ響きが可愛らしいからという理由で、第2外国語をフランス語にした大学入学当時の私。今となってはその選択は間違っていなかったのかなと。まあ社会人6年目でフランスに降り立った時にはまるっとすっかり忘れていてそれはそれは大変でしたがね(遠い目)。


さて、そんなポテの基本の材料は、こんな感じ。

豚肉(プティ・サレ:胸肉・肩肉・バラ肉など)、豚足、ソーセージに加えて、じゃがいも、キャベツ、にんじん、玉ねぎ、セロリ、ブーケガルニ(パセリ、タイム、ローリエ、セロリの葉など)。

いつもお世話になっているフランス家庭料理レシピ集より
義母がプレゼントしてくれたフランス家庭料理レシピ集


ただし、ひとえにポテといっても、地方によって色々と入れる具材に違いがあるらしい。肉じゃがの肉が牛か豚かどころの騒ぎじゃなさそう。

1. アルザス風(à l’alsacienne)
プティ・サレを燻製の豚すね肉と燻製ソーセージに置き換える。
2. ブルターニュ風(à la bretonne)
キャベツをセロリの葉に置き換える。
生ソーセージを トマトソースで煮込んだソーセージに置き換え、さらに乾燥インゲン豆を加える。
3. ヴェルジュランヌ風(à la verjurane)
キャベツ、セロリの代わりに ホウレンソウを使う。
豚足をトマトとハーブで煮込む。
4. ペリゴルド風(à la périgourdine)
じゃがいもをカブに置き換える。
赤インゲン豆を加える。
5. リーブル風(à la livre)
出汁にポワローを加える。
じゃがいもを乾燥白インゲン豆に置き換える。

レシピ集にのっているポテバリエーション

使う肉の違いにしても豆の使い方にしても、地方色たっぷりという感じがぷんぷんする。さすがチーズが246種類ある国だけあるわね。


週末ポテ活

平日のひとりごはんでポテを作ってもいいのだけど、さすがにひとりだとリメイクしても食べ切るまでかなりの時間がかかりそうだ。Otto氏が戻ってくる金曜日の夜めがけて仕込むことにしよう。

私は今回初ポテ、まずはフランスにお住まいのichiシェフのnoteを参考に作ってみる。


豚の塩漬け、燻製ソーセージ、ちりめんキャベツ、たまねぎ、にんじん、じゃがいも、カブ、ポワロー、にんにく、タイム、ローリエ。煮込む鍋は我が家で一番容量の大きい26cmのSTAUB鍋。

燻製ソーセージはichiシェフがお使いのものと同じで
ああ使ってるスーパーが同じだと親近感(笑)

まずは塩豚をじっくり煮込んでいく。沸騰したところでぶわぁっとアクがでるので丁寧にすくって、あとは弱火でたまにアクをとりながらひたすら煮込む。

たちこめる豚骨ラーメン屋の匂い

2時間後、じゃがいもとちりめんキャベツ以外の野菜を放り込んで、ハーブ類とともにさらに1時間煮込む。

黒胡椒もホールで入れましょ

シェフの丁寧な仕事ぶりを真似して、じゃがいもとちりめんキャベツは別茹でしましたよ。一口コンロじゃできなかったからうれしい限り。

キャベツとじゃがいもを茹でるタイミングでソーセージもIN

おでんをよそうときのように、菜箸でひとつずつ具を盛り付けて、最後にスープをたっぷりかける。気持ちだけはおでん屋の女将。

最後にタイムをちょこんとのせてア・ターブル


2時間かけて戻ってきたOtto氏をねぎらう一品。今週もお疲れさまでござんした。塩はいっさい加えていないので、フルール・ド・セルを適宜加えて召し上がれ。

お肉はほろっほろ、野菜の甘みとソーセージの薫香がほのかにスープに移って、塩なしでも十分な美味しさ。

そしてなにより、実にこれは、あっっったまりますなあ。極厚ウールのカーディガンを羽織っていたけれど、脱ぎ捨てるほどには体がぽっかぽかだ。

野菜も柔らか

シェフの作り方どおり、ジャガイモとキャベツは別茹でにして大正解。
あと、マスタードを切らしていて、夕方の俺散歩のときこのポテのためだけに仕入れてきたのだけど、こちらも買って正解。やっぱりこれはなくてはならない。

個人的に、豚肉にマスタードは必須


なお、食へのおこだわりが強いOtto氏の反応も、上々。ただしソーセージは食べるけど塩豚には手をつけなくて、「私これは食べない」と言ってしれっと私によこしてきた。ポイっと。クソー、なんでよ。


翌日の夜。Otto氏は塩豚抜きソーセージオンリーにして同じ皿を食べたのだけど、一晩寝かせてさらに美味しくなっていた。煮込みはやはり寝かせるに限る。


そしてリメイクはやっぱり🍛

土曜の朝と日曜の朝はスープ代わりにして私が少しずついただいて、迎えるは日曜の夜。鍋が半分以下になったころを見計らって、煮込みの定番、アレ、いこうか。

塩豚が余っているのは私しか食べなかったから

鍋からじゃがいもとにんじんとカブのみ取り出して、塩豚と玉ねぎ、キャベツ、ポワローは細かくカット。塩豚は特に細かく(ポイント)。スープは一度シノワで軽く濾してハーブなどを取り除いたのち、ひとまわり小さな鍋に細かく切ったものたちとスープを合わせる。そこにゴールデンカレールー半量(4かけ)を投入して、ルーを溶かす。

その間に、夏野菜のなごり・ズッキーニで、この夏何度も作ったズッキーニの唐揚げを作る。カレーをよそったら、あらかじめ避けておいたじゃがいも・にんじん・カブをあたためてズッキーニ唐揚げとともにカレーにのせ、ポテカレーの完成。

ああ、やっぱり煮込みの最後はカレーだわ。飲めるわ。ズッキーニも正解。

クレソンも添えて
初物クレソンは最高に美味しい

なお、ポテの状態で塩豚に手をつけなかったOtto氏。細かーくカットした塩豚入りポテカレーについては、何も指摘することなく完食していた。今日もObentoで持たせたけど、セクワサこれはなんだ?ともなんとも言ってこなかった。

彼はたぶん、ポテがカレーに姿を変えたことに気づいていない。
からだの大きな子どもでよかった。

我が家のあらたな教訓:「ヤツが食べなければ、刻め」


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