トロピカルなパリをたずねた夜に〜豚のラケ、トルビアックの香り
今週金曜日、40度まで上がるらしい、パリ。
前に、フランスにエアコン付きの家なんてほぼ存在しないと書いたけれど、あまりに室内がサウナになることを危惧したOtto氏が、巨大なドイツ製置き型エアコンを購入してくれた。神様仏様Otto様。
というわけで、今週は涼しい家の中にひきこもる気まんまんだ。
Youは何しに中華街へ?
昨日、火曜日の午後。暑くなる前に外出しておこうと、思い立ってパリの中華街にいってみることにした。
ひとりで行こうと思っていたのだが、出がけにうちの愛犬が、アイフルの犬なみに目をうるうるさせながら「置いていくのかこの俺を・・・!」と訴えかけてくるので、根負けして連れて行くことに。
うちからバスにのること30分弱、一本道をひたすらまっすぐ行った先に、13区、パリ最大の中華街があるトルビアック地区がある。
そもそもなぜ中華街に行こうかと思ったかというと、週末、テレビをみていたOtto氏が突然、
「ワタシ、ラケ好きなんだよね。作ったことあるか?」
と。何を突然言い始めるんだ、暑くて頭がおかしくなったのか?と思ったら、テレビではどうもアジア生活の特集をしているらしく、どーんと北京ダックが映っていた。
彼のいう「laqué(ラケ)」は、漆を塗ったような艶・光沢があるという形容詞。「laque」は漆やラッカー、ネイルマニキュアの意味をもつ名詞だし、「laquer」は、それらを○○に塗るという意味をもつ動詞だ。
「ああ、Canard laqué(北京ダック)ね、これは高級中華でいただくものでしょう?うちでは作ったことないよ」
と答えたところ、
「ダックに限らず、ラケなら豚でもスキ」
と。普段のメインでは鶏肉しか食べようとしない、全仏鶏肉連盟代表のOtto氏ならぬ発言。
ならば豚でラケってみようではないのと、早速翌日の献立に取り入れることにしたのだ。
なお、豚のラケをするのに、特に中華街まで繰り出してほしいものがあったわけではない。
なぜなら今日作ろうとしているものは、そんな本格的なものではなく、要は豚肉に甘辛酢ソースをまとわせてコテコテさせた、酢豚みたいなもんだろう?との認識だからだ。
なんとなく中華街の雰囲気を浴びることで、このなんちゃって酢豚に取り組むためのモチベーションを高めようと思っただけなのだ。
パリ生活3度目のザ・中華街
パリの街は、区によって、全然雰囲気や匂いがちがう。
特にここトルビアック近辺は、パリ最大の中華街だけあって、バスを降りれば四方八方に目に入る、漢字の看板。
あたりに立ち込める、東アジア特有のトロピカルな香り。
レストランは、中国・ベトナム・タイ・ラオスなどのエスニックレストランが立ち並び、テラスにも提灯みたいなのが飾ってある。
あーあのかた焼きそば美味しそうと、テラスで食べるフランス人を横目に、我々はお目当ての場所へ向かう。

中華街に来たら寄っておきたいお目当てのお店は、こちら。
知る人ぞ知る巨大中華系スーパー、Tang Frères。

昔一度だけ来たことがあるが、怪しいものから掘り出しものまで、その品揃えに驚いたものだ。
ボストンバックにしか見えない犬バッグに愛犬を入れ、まったく犬の姿かたち見えない状態で入り口を通り抜けようとした際、あろうことかセキュリティに呼び止められた。
「マダム、そのバッグには何が入ってんだ?犬?犬はダメだ」
ずっと隠れてるし、顔出さないからと言っても、なしのつぶて。チーン。
トロピカ〜ル恋してる、ならぬ、トロピカ〜ルヘマしてる。
当地のセキュリティ、適当だから大体バレないし、バレても笑って通してくれるんだけどな…くっそー。
というわけで、わざわざ中華街にいったのに、お目当ての店には入れず、もうなんかどうでもよくなった私たち。

お店の前にはゴーヤとか謎の葉っぱを売る人がたくさんいた
でもせっかく来たからには、このまますごすごと帰るのはしゃくなので、手前で見つけたセキュリティゼロの中華スーパーに立ち寄ってみた。
相変わらず謎の葉っぱや野菜の宝庫。調味料もたくさん。ちょこっとだけ日本食コーナーもある。
うーん、品揃えはたくさんあるけど、こりゃわざわざ中華街までいかなくても、私のおうちごはんレベルであればうちの近所のアジアンエピスリーで済むな、という結論。
結局、世界のNISSINカップラーメンと、ずっと切らしていたみりんだけ買って、暑いなか帰途につくことにした。
そしてさらに帰り道、半年から一年に一度起こるか起こらないかくらいのツイてないことがあり、しかも自分が原因なので、大変凹んで家に帰宅。
2時間くらい立ち直れなかったのだが、ああそうだ、肝心の豚肉を買わなきゃと、重い腰を上げて、夕方近所のスーパーに向かう。
お肉コーナーでカットを頼んだら、一回できっちり正確な重さでのせてくるプロ。
すごいだろと言わんばかりに、にっこり顔のムッシュー。
アナタ最高!と言って、私も破顔一笑、うれしくなる。
社会生活で凹んだら、回復させてくれるのも社会生活なのだなと、しみじみ。
さて、前段だけで既に2000字以上も書いてしまったので、そろそろはじめよう。肉を揚げ焼きにしてタレを絡めるだけなので、簡単だ。
簡単な豚のラケの材料
【約4人分】
・豚肉:約500g。ヒレ(filet mignon)がお買い得だったので、こちらを400gと、スペアリブ部分(travers)を150g。スペアリブの骨を除いたら大体トータル500gくらいだと思う。
・片栗粉:大さじ1強。小麦粉でも大丈夫だと思う。
・しょうが:中1本
・にんにく:3かけ
・はちみつ:大さじ3から4
・しょうゆ:大さじ2
・お酢:小さじ2くらい
・ナンプラー:小さじ1
・オイスターソース:小さじ1から2くらい
・水:大さじ2くらい
・とうがらし:お好みで1本
【付け合わせ】
・米:2人分。エスニックにはインディカ米。日本米でももちろん。
・マンゴー:1/2個
・パッションフルーツ:適量
・ラディッシュ(二十日大根):2個
・赤玉ねぎ:適量
・パクチー:適量
・ライム:1/2個

豚肉はこちら

パッションフルーツの甘酸っぱさが合うかなと思って、1個だけ買った。
簡単な豚のラケの作り方
1、豚肉を一口大に切り、塩胡椒で下味をつけておく。

2、生姜とにんにくをすりおろし、タレの材料(はちみつ、しょうゆ、お酢、ナンプラー、オイスターソース)もすべて合わせてボウルでまぜておく。
3、豚肉に片栗粉をまぶし、油を多めにひいたフライパンで6〜7分、揚げ焼きにする。写真のように、焦げ目がついて、身が締まってきたら、バットに取り上げておく。

4、余分な油を拭き取ったフライパンに、合わせておいたタレと唐辛子を入れて、軽く沸騰させて水分が飛んできたら、バットに上げておいた豚肉を加えて、絡めながら更に炒める。水分が完全に飛んだら、できあがり。

5、盛り付け。今日は米をキャンバスに見立て、お絵かきするようにのせていく。まずはお米で丸くキャンバスを作り、

ラディッシュのスライスをのせる。

豚ラケとマンゴー&パッションフルーツをのせる。

赤玉ねぎ、パクチーをのせ、軽くパプリカパウダーを振りかけ、ライムを添えたら、完成。
白のアスティエ皿はOtto氏用、ブルーの清水焼は、私用。


アスティエの白はもちろんいいけれど、トロピカルなのでちょっと明るめの青で色を多くしても、いい感じ。


おしゃれ系に振ってみた、豚だけ酢豚
こってりな上に味が濃いので、パイナップルならぬマンゴーとパッションフルーツの甘酸っぱさを合わせてみたら、大正解。
さらに、しょうが・にんにくをたっぷり効かせているので、滋養強壮にもよいのかなと思う。
さて、ここまでくると、毎回私の意味不明なタイトルの記事を読んでくださる皆さんにはすでにおわかりのことと思う。
タイトルの「豚のラケ、トルビアックの香り」は、ちょっとカタカナでオシャレっぽく言ってみただけで、これ、直訳すると、
「豚だけの酢豚、パリ最大の中華街の香り」
ものは言いよう、である。

中華街で唯一買った、大好きNISSINのカップラーメン
ごちそう
