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ふわり。

奇跡に気づいたとき、
人生はふわりと浮かびはじめる。

だが、その絨毯は、
いったいどこへ向かっているのだろう。

目的地は地図に書かれていない。
「ここに行きたい」と願ったわけでもなければ、
「こうなりたい」と言葉にしたわけでもない。

それでも、不思議なことに
心の奥では、ちゃんと知っている。

「こっちへおいで」と
淡く光る、見えない方角があるのだ。

それは“ときめき”かもしれない。
あるいは“なんとなく気になる”
という違和感かもしれない。

とてもささやかで、
見過ごそうと思えば簡単に
すり抜けてしまうようなサイン。

けれど、それは確かに、
毎日のように届いている。

たとえば、
SNSでふと目にした言葉に胸がざわついたとき。
なんとなく、誰かに連絡したくなったとき。
いつもと違う道を歩いてみたくなったとき。

それは、きっと絨毯からのウインクだ。
「そっちで合ってるよ」と、
やさしく背中を押してくれている。

奇跡とは、“ありえないことが起きる”
ことではない。
“ほんとうはずっと起きていたことに、気づける”こと。

気づきがひとつ、
またひとつと増えていくたびに、
人生の景色はゆっくりと変わっていく。

急に風が愛おしくなったり、
夕焼けに涙がこぼれそうになったりする日が、増えていく。

そんな日々のなかで、ふと思う。
「ああ、今日も生きててよかった」と。

それはきっと、豊かさのかたちである。

いま、この瞬間
あなたがここにいて、
ぼくが言葉を綴り、
それを誰かが読んでいる。

このささやかな連なりさえも、
かけがえのない奇跡の一片なのだ。

だから、
急がなくていい。
焦らなくていい。

奇跡の絨毯は、
あなたのペースで、ちゃんと飛ぶ。

きょうも、ふわりと。
こころのままに。

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