不登校の母が孤立する、本当の理由 ── 夫に「言わなきゃよかった」と思ってしまう気持ちの正体
「言わなきゃよかった」
夫の機嫌が、今日は良さそう。今ならいいかな、と思って、ぽつりと子どものことを話してみる。そうしたら、返ってきたのは、こんな言葉でした。
「そういう話、もうやめてくれる」
以前は「そんな大事な話、なんですぐ言わないの」と言われたのに。じゃあ、いつなら言っていいんですか。保護者会では、このあとに続く一言を、本当によく聞きます。
言わなきゃよかった。
本音の、行き場がない
夫に言えば、話を切られる。実家の親に言えば、責められる。ママ友には、知られたくない。学校の先生に相談しても、どこかベースのずれた正論が返ってくる。
旦那には、言えません。言い合いになるのが分かるから。
子どもの不登校は、お金の心配を口に出すから、そのせいだと責められました。
夫に、子どもに、祖父母に、先生に。あらゆる方向で、同じことが起きています。だから、本音の行き場がなくなって、相談する相手がいなくなる。
お母さんが黙っているのは、強いからでも、気にしていないからでもありません。言える場所がないから、黙っているのです。
火中の栗を拾う
不登校という出来事は、家の中で火が起きているようなものです。周りの大人は、その火に近づきたくない。火の粉が自分にかかるのが嫌だから、遠くから「もっとこうすれば」と正論を言う。そして大事なときには、すっと距離を取る。
火中の栗を拾う、という言葉があります。危険を承知で、誰かのために、火の中へ手を入れること。
周りがみんな距離を取るなかで、お母さんだけが、わが子のために、火中の栗を拾いに行くのです。そして栗を拾おうとすると、火の粉が自分にもかかる。
その火の粉が、「言わなきゃよかった」という、あの気持ちです。
お子さんは、もっと前から浴びていた
お母さんが今浴びている火の粉を、お子さんは、もっと前から浴びています。数か月前、数年前。お子さんも、勇気を出して、本音を伝えたのです。
勇気を出して、本音を伝えた。返ってきたのは否定と怒声。あの日から、親と話すだけで涙と吐き気が止まらない。
SOSを「もういいから」と切られた経験。
分かったフリをされる、いちばんの辛さ。
親や先生にされる『不登校の気持ちを分かったフリ』が1番辛い
大丈夫って聞かないで 大丈夫?って聞かれると「大丈夫」って答えてしまうから
お子さんもまた、伝えても無駄だと感じて、口を閉じたのかもしれません。
あなたの今の痛みは、お子さんが、先に通った道でした。
だから、これだけは覚えておいてください。あなたの「言わなきゃよかった」は、孤独の証ではありません。お子さんの痛みが、やっと分かる入口です。
では、なぜ母も子も、こんなふうに黙ってしまうのか。そして、この火の粉の先に、どんな景色が広がっているのか。
ここから先は、心理学で構造を解きほぐしながら、私が8年かけてたどり着いた「人生の答えの一部」をお話しします。読むカウンセリングの、ここからが本編です。
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