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「頑張る方法を思い出したい」という声の真意

「やる気がないんでしょ」
動かない我が子を前にして、つい言ってしまうことはありませんか。布団から出てこない。スマホばかり見ている。声をかけても生返事。そういう日が続くと、親も疲れて、心のどこかでそう思ってしまう。ただ、その「やる気がない」という言葉は、本当にその通りでしょうか。

「やる気がない」のではなく

実は、お子さんはやる気がないのではありません。例えるなら「どう頑張ればいいか?」という地図をいったん失くしているだけ。人は、行き先が見えないと動けません。どっちに進めば前なのか、どれくらい歩けば着くのか、それが分からないまま足を出すのは、大人だって怖いものです。

今お子さんは、その地図を手元に持っていないだけだと考えましょう。そもそも意欲が0になったのではなく、進み方が分からなくなっています。この二つは、まったく別の話です。

そこで私が保護者会で集めてきた「本音カード」という、子どもたちの心の声を言葉にした小さなカードがあります。今では1,000枚を超え、一人ひとりが自分の手で書いてくれました。その中に、こんな一枚があります。

頑張り方を忘れた もう一度、思い出したい。

子どもたちが書いた本音より

頑張り方を「教えてほしい」ではなく、「忘れた」「もう一度、思い出したい」と言っています。つまりお子さんは、かつて自分が頑張れていたことをちゃんと覚えています。あの頃のように動きたい。でも、そのやり方をうまく掴めない。だから「思い出したい」と書いたのです。この言葉は、本当に意欲を失った子の言葉ではありません。

「頑張りたくない」でもない

もう一枚、紹介させてください。

目標を決めても走りきれない

子どもたちが書いた本音より

「目標を決めても」という書き出しに、私は胸を掴まれました。こちらのお子さんは、目標を決めていないのではなく、ちゃんと決めている。決めたうえで、最後まで走りきれない自分をわざわざ書いています。

走りたくないことと、走り切れないことは、傍から見ると同じに見えても、子どもの中ではまったく違うのかもしれません。途中で足が止まる自分をいちばん責めているのは、おそらく本人です。そして「もう一度、思い出したい」と、走り出したい願いは消えていません。

焦らなくていい、と言われても

とはいえ、動かない我が子を見ていると、つい焦ってしまいますよね。けれど意欲を捨てたのではなく、地図を失くしているだけ。本人が失くした地図は、誰かが急かしても出てきません。

こうした時期に、親ができることは多くありません。だからこそ、テストの点数にはならない小さな前進を見つけて、心の中で数えておきます。
今日はカーテンを開けた、冷蔵庫まで歩いた、ひと言話しかけてきた…。

頑張り方を思い出すのは、お子さん自身です。急かさず、聞く。比べず、待つ。ただ、隣にいる。その子のペースで、その子の地図を描き直している様子を、隣で見ていることが大切です。

本音カードは、私が運営する保護者会で子どもたちが書いてくれた、他にはない唯一の声です。その声を、毎朝7時半に一枚ずつ置いています。
それでは皆さん、今日も一日機嫌良く。


※「機嫌良く」は、うまくやろうとしなくていい、ということです。自分にもお子さんにも、少しだけ優しくいられる一日でありますように。


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