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エッセイ|2歳の息子が、知らない子に「だめだよ」と言った日

少し前から、2歳の息子は急に言葉が増えました。
それまでは「くー」だけ。
それが、1か月前を境に、
はっきりした言葉を話すようになりました。

こないだ、子どもたちを連れて、公園に行きました。
滑り台やシーソーがある、いつもの場所です。


■ 公園で見かけた、少し気になる光景

息子や近所の子供たちが滑り台で遊んでいると、
そこへ、ひとり、少し大きめの子とお母さんが来ました。
小学校低学年くらいでしょうか。

普通は、階段を登って、上から滑ります。
でもその子は、滑り台を下から登っていたのです。

正直、危ない行為だと思いました。
もし自分の子がやっていたら、
「危ないからやめなさい」と叱っていたと思います。

でも、その子のお母さんは、
特に注意する様子もありませんでした。
そのせいで、周りの子は滑り台を使えず、
なんとなく、空気が止まっていました。


■ 大人として、どうするか迷った時間

僕がその子に「危ないよ」と声をかけるのは簡単です。
でも、知らない大人に急に言われたら、
その子は怖いかもしれない。

それに、
大人が子どもの世界に、どこまで介入していいのか。
そんな迷いもありました。

どうしようかな。
少し、立ち止まっていました。


■ 先に動いたのは、2歳の息子でした

そのときです。

うちの息子が、
とことこと滑り台のほうへ歩いていきました。
そして、その子の近くで、
指差ししながらこう言ったのです。

「あぶないよー」
「すべりだい、あぶないよー」
「だめだよー」

はっきりとした声でした。

つい最近まで「くー」しか言わなかった息子が、
状況を見て、言葉を選んで、
その子につたない言葉で伝えていました。


■ 息子の言葉が届いたのは、思わぬ相手でした

その子自身は、特に反応しませんでした。
でも、すぐにお母さんが子供たちを見て、
慌てて、その子を呼び戻しました。

滑り台はまた、みんなが遊べる場所に戻りました。

僕は、何も言っていません。
注意もしなければ、説明もしませんでした。

息子の言葉だけが、
その場を動かしました。


■ 誇らしかったのは、言葉以上のこと

正直、とても誇らしかったです。
胸が熱くなりました。

それ以上に嬉しかったのは、
「真似しちゃだめだよ」と
言う必要がなかったことでした。

息子は、
誰かの危険な行動を見て、
それを「よくないこと」と判断し、
言葉で伝えました。

教え込んだ覚えはありません。
でも、わかっていました。


■ 話せるようになった、その先で

話せるようになったこと自体も、もちろん嬉しいです。
でもこの日は、
息子が話した言葉が、世界に届いた瞬間
を見た気がしました。

親が迷って立ち止まっている間に、
子どもは、もう一歩先に行っていることがある。

そんなことを、
2歳の息子に教えられた一日でした。

読んでくださって、ありがとうございます。

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