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40万の部屋にアップグレードされて戸惑う庶民のポルトガル旅日記【83カ国め】

2024年9月、夫婦ふたりでアイスランドとポルトガルを旅した。この記事ではそのうち、ポルトガルで過ごした8泊分の日記を書く。

大事な仕事を持ってきていた夫は、多くの時間をホテルで過ごした。一方の私は自由に街歩きやカフェめぐりを楽しんでおり、時には夫を置いて別の国に行ったりもしている。

【DAY1】ポルトガル入国

アイスランド最終日、ポルトへ移動する日。

この街にはまだまだ気になるカフェがある。このままでは帰れない。朝からひとりで散歩をしたのち、夫と合流して2軒。

まずは「Grái kötturinn」。こぢんまりした店内に本が並んでいる。朝食が有名らしく、またたくまに満席になった。

続いてハットルグリムス教会のすぐそばにある「Reykjavik Roasters」。インテリアといい、地元の人が普段づかいしている様子といい、好みど真ん中。東京にあったら通ってるだろうな。

ホテルをチェックアウトしてバス停まで30分ほど歩き、空港へ。旅の間はいつも以上によく歩くので、やはりパックパックが好きだ。

4時間のフライトはあっという間。『それでも旅に出るカフェ』を読んでいたらポルトガルの話が出てきてびっくり。たまたまだけど、この旅にうってつけの本を持ってきたみたいだ。

ポルトに到着するのは20時半なので、空港を出られるのは21時過ぎだろう。ほぼ寝るだけだから、ホテルは実用重視でいいよね。ということで、空港から歩いていける簡素なホテル「Stay Hotel Porto Aeroport」を予約していた。

チェックインして荷物をおろし、空港に戻って小さなカフェでおなかを満たす。夫はサンドイッチを、私はカットフルーツを選び、ポテチを分け合った。

いつものひとり旅なら、ごはんはスキップしてホテルで漫画でも読んでたかも。そもそも空港周辺って治安に不安があることが多いから、夜に出歩かないし。ふたり旅だとこういう時間も思い出になる。

【DAY2】ポルト滞在

空港ホテルをチェックアウトし、市内のホテル「Torel Avantgarde」へ。

荷物を預け、チェックイン時間まで散策しつつ、ポルト名物らしい「フランチェジーナ」を食べに「Restaurante Verso em Pedra」へ行く。

フランチェジーナは、パンにハム・ソーセージ・ステーキ・たまご・チーズなどを挟んで焼いたもの。つまり脂質と炭水化物のかたまり。しかもかなり巨大。

腹ごなしがてら、教会や市場などを見物。ポルトガルらしいタイルに目を奪われ、好みのものがあるとつい立ち止まってしまう。

時間になり、今夜のホテルにチェックイン。今回の旅ではホテル選びの軸を「お部屋の広さ」にしていたのだけど、ここだけはかわいさ重視。夫に「狭いけど1泊だけ泊まってみたい!」と頼んだ。

どこもかしこもかわいく、プールサイドにはゆったりした空気が流れている。これもひとり旅のときにはしない時間の使い方だなあ。

夜はシーフードリゾットが食べられるお店を調べて「PAPAVINHOS」へ。ポルトガルのごはんって一皿がけっこうボリューミー。夫と一緒に来たからこそ食べられるものがたくさんある。

帰りは遠回りをし、「MANTEIGARIA」でポルトガル名物のエッグタルトを買った。照明を落とした部屋でベッドサイドのランプだけつけて、じっくり味わう。これ以上ない一日の締めくくり方だ。

【DAY3】ポルト滞在

最高の空間で最高の朝食をとって一日を始める。ちゃっかりエッグタルトも。

チェックアウトし、次のホテル「Hospes Infante Sagres Porto」へ。ロビーやレセプションが素敵で舞い上がる。

お部屋の準備ができるまで、先ほど通りかかって気になっていたカフェ「at street coffee」で待つ。海外でこんなにリラックスして大丈夫かな、と思うくらいくつろげる空間だった。

続いて「ビファーナ」(甘辛い豚肉のサンドイッチ)の有名店「CONGA」へ。私は一口だけ味見させてもらう。

ホテルに戻ると、「ジュニアスイートのご予約でしたが、ロイヤルスイートにアップグレードしておきました。当ホテル自慢のお部屋ですよ」と言われた。

ラッキーだね!Expediaの上級会員だからかな?いやいやポルトガル語で挨拶したからかもよ〜?と鼻歌まじりでドアを開けてびっくり、あまりに広くあまりに豪華なお部屋である。

思わずお値段を調べてしまったが、まさかの1泊40万円で緊張が走る。お高そうなソファは恐ろしくて座れない。部屋中を意味なくうろうろする。

お部屋の前
思わずお尻の埃を払ってから座ったソファ
ベッドルーム
書斎

寝室には私の(お世辞にもきれいとは言えない)バックパックが恭しく飾られており、思わず吹き出した。ポーターさん、バックパックなんて運んだのはじめてなんじゃない?

夜は夫がラーメン希望、私はそうでもないということで、間をとって韓国料理「Seoulstice」へ。滋味深い接客とお料理にほっとする。お店の周辺は奥渋のような雰囲気で、あれもこれも気になる。

ぎりぎりまで迷っていたが、翌日は日帰りひとり旅に出ることに決め、キリスト教の三大巡礼地のひとつ「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」(スペイン)へのバスを予約した。せっかくの豪華なお部屋、お出かけせずに満喫したい気持ちもあるんだけど。

【DAY4】スペイン日帰り

朝6時頃ホテルを出て、真っ暗な中、1時間かけてバスターミナルまで歩く。だぼだぼの服を着てフードをかぶり、女だとわからないようにして、大股でずんずん進む。

バスターミナルに着くと、スマホに向かって日本語で「リスボン行きの・電車の駅は・どこですか」と話しかけている方がいて、思わず急ブレーキ。翻訳アプリを使って現地の人に道を尋ねているらしい。

声をかけてインフォメーションへ付き添い、駅への行き方を聞いた。出過ぎたことかもしれないが、旅先でいつも見知らぬ人に助けられてきたので、恩返しチャンスを逃したくないのだ。

バスに4時間揺られ、サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着。ヨーロッパ各地からこの街をめざし、数百キロの道のりを歩いてくる人たちがいる。学生時代、バックパッカー宿で出会った人たちと「いつか歩いてみたいよね」と盛り上がった、あこがれの地だ。

キリスト教の方々からすると、私には想像もできないくらい神聖な場所なのだろう。すこし緊張していたけど、当たり前の日常風景もあり、ほっとした。

大聖堂の周辺には巡礼を終えた人がたくさん集まっている。荘厳な空間に、長い長い巡礼を終えた人びとの達成感と喜びが溶け出しているようだった。

通りかかってピンときたカフェ「Morriña Santiago」でメニューを見ると、チュロスがある!即座にオーダーし、チョコをつけながら食べた。顔には出さねども、テンション急上昇。

グラスのかちゃかちゃという音だけが響く非日常空間で、日本から遠く離れた海外にいるんだなあといまさら実感。

続いて「Mori Cafés Especiais - Rhin」へ。日系ブラジル人の方とつながりがあるらしい。そういえば名前に「森」がつく。

スペインといえばチーズケーキ!と迷わずホームメイドチーズケーキを注文。「え!?おいしい〜!」の顔をスタッフさんにばっちり見られ、クスクスと笑われる。

早めにバスターミナルに戻り、行き交う巡礼者たちを眺めながら過ごした。2012年の世界一周中、バルセロナで盗難に遭ってから抱えていたスペインに対するわだかまりを、この日帰り旅でやっと追い払えた気がした。

ホテルに戻るともう21時。スーパーで買っておいたミニトマトを食べて寝る。

【DAY5】ポルト滞在

今日も夫とは別行動。朝からカフェめぐりに繰り出す。

最初に向かったカフェ「MICROROASTERS COFFEE&CAKES」でぼーっとしていたら、頭の中で何かが警報を鳴らしている。目の前の光景にあらためてピントを合わせてみると、スタッフさんが村上ラジオのTシャツを着ているのだった。

こういうときだけは妙にすらすらと英語が出る。村上春樹ファンで、ユニクロとコラボしたときに3枚購入したらしい。「実はまだ読めてないんだけど」と『めくらやなぎと眠る女』を見せてくれた。

続いて「A Certain café」へ。このあたりはカフェストリートらしく、開放的なカフェがたくさんある。時間とカフェイン耐性が足りない!

夫と合流して、ホテルのすぐそばにあるシーフードレストラン「Ostras & Coisas」で昼食を。牡蠣・イワシ・ホタテ、どれも目の覚めるおいしさ。

ふたりで橋のあたりをぶらぶら歩いたり、雑貨屋さんでポストカードを買ったり。

「Combi Coffee Roasters」と「Simpli Coffee Porto」をはしごした後、ホテルに戻ってプールサイドで過ごす。

ポルトガルでは深刻な森林火災が発生しているようで、空が暗く、太陽が見たことのない色をしている。

夜はホテルのそばの「Ris8tto da Baixa」でリゾットを食べた。大通り沿いのテラス席で盗難に怯える私とは違って、海外で盗難に遭ったことのない夫は平然としている。知らぬが仏よ。

【DAY6】ポルトからリスボンへ

鉄道でポルトからリスボンへ。今日も空が煙っぽい。

前もって座席指定していたのだけど、私たちの席に座っている人がいる。チケットを見せてもらうも、席番号は合っているようだ。ダブルブッキングか。

シニアの方々だったので、それ以上は追究せず座っていてもらうことにして、デッキに立つ。「これはこれで楽しいね」なんて話していると、別の乗客がやってきて「先ほどの人たちは席を間違えていたみたいだよ。あそこはあなたたちの席だから座りなさい」と言ってくれた。

どうやら、先ほどの方々のチケットを確認して、正しい席へと案内してくださったらしい。その優しさに涙が出そうになりながら何度もお礼を言い、夫と「我々もああいうおとなになろう」と誓い合った。

リスボンでは、小嶋陽菜さんが宿泊されていた「HOTEL DAS AMOREIRAS」にチェックイン。リスボンには好みのホテルが多すぎて、もう決めきれないとなり、たまたま流れてきた小嶋さんの動画を参考にした。

屋根裏のようなレイアウトの部屋、ヒロイン気分が味わえるバー、たまらなく女心をくすぐる朝食会場!

お昼は夫の強い希望により、近くのラーメン屋さん「RAMEN JOE」へ。入店した瞬間、大好きなスピッツがかかっていて時が止まる。

日本語を話すおかみさんとそのお子さんがいらして、心が和んだ。もちろんラーメン&餃子も大満足の味。世界一周ひとり旅中だったら、ありがたくて泣いていたかもしれない。

ジャルディン・マルセリノ・メスキタ庭園をのんびり散歩。多様な植物が配置されており、歩いていてまったく飽きない。

夜はスーパーのヨーグルトとパイナップルで軽めに済ませた。

【DAY7】リスボン滞在

このホテルは朝食つき。パン、フルーツ、卵料理、サイドメニューと、ジャンルごとに4つほどずつ選択肢があるセミオーダー形式だ。

選ぶのが楽しいし、美しい盛り付けにテンションが上がる。カッテージチーズに蜂蜜と塩をかけたものが特に気に入った。

今日もひとり行動。海沿いまで30分ほどかけて下っていき、まず「The Coffee」へ。日本語ロゴっていいよね。

おしゃれなフードコートを覗いたり、「NUMA CAFÉ」で本を読んだり。

夕方になり、夫とともに散歩がてら中心部のレストランへ。

タコのリゾットとシーフードを煮たもの、どちらもとても好みの味なのだが、苦手なパクチーが派手に入っており、心ゆくまでは食べられなかった。パクチー抜きと頼んだのだけどね。

しょっぱいものの次は甘いもの。「Santo António」のエッグタルトを食べる。

なんだか妙におなかが空いてしまい、夜はホテルそばのイタリアンで普通に1食分食べた。自家製パスタとティラミスが幸せの味。

【DAY8】リスボン滞在

午前中は公園で本を読むなどしてのんびり過ごし、午後は夫とリスボン中心部を散歩した日。リスボンはあまりに坂が多く、話しながら歩くと息切れしてしまうほど。

お昼は夫の希望により阿夫利のラーメンを。記憶にある限り、東京の阿夫利と同じ味だ。

近くのお店「Sacolinha」でエッグタルトを買い、海辺で食べる。これで太らないはずがないとも思うが、悔いはない。

ホテルへの帰り道、気になっていたカフェ「Hello, Kristof」へ。居心地がよく、あっという間に閉店時間になってしまった。

夜はアンコウのリゾットが有名らしい「Casa dos Passarinhos」へ。パクチー抜きを頼んで祈りながら待つ。無事にパクチーなしの、求めていた味のものがやってきた。

夫はまだ少し食べたいとのことで、ピザをテイクアウト。なんだかんだ、私も3切れほど食べてしまった。

【DAY9】日本へ

いよいよ帰国の日。

早朝、ひとりで朝焼けスポットへ行く。お天気がいまいちで朝焼けらしい朝焼けは見えなかったものの、巨大な船を見られて大興奮。

戻ってパッキングを終え、最後の朝食をとったのち、気になりつつもタイミングを逃していたカフェ「São」へ駆け込む。接客はチャーミング、カプチーノの味もこの旅で一番好みで、すっかり帰りたくなくなってしまった。

メトロで空港へ。通りすぎる駅の壁画が楽しい。

エールフランスで、まずはリスボンからパリへ。リスボン-パリ便の機内食では大好物のシュークリームが!食べない人の分をもらって歩きたいくらいの味だった。

パリから羽田への便は、台風の影響で、中国上空を通過する許可を当局に求めなければならないらしい。一度得た許可が取り消されるなどして、搭乗して3時間ほど経ったのちに離陸した。

ふだんならつらい待ち時間だったかもしれないけど、ビジネスクラスだと快適すぎて全然気にならない。これに慣れてはまずい。

食事はもちろん、チョコレートとアイスが衝撃のおいしさだった。

時差ぼけ防止のためにずっと起きているつもりが、すっかり寝入ってしまった。帰国便の機内で目を覚まして、このnoteの下書きを書いている。

今回の旅もあと4時間半で終わりだ。さて、次はどこへ行こうか。

▼アイスランドの日記

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