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徒然ゆうじ 「デザートのこと」

某月某日

執念で紹介制パティスリーに滑り込む。

珍しく早めに到着。
店の前には数人。
目が合わない絶妙な位置どりで立っている。

扉が開き、やにわにオープン。
互いの気配を読みながら席を選ぶ。

カウンターを挟んで店主登場。
ひとしきり口上を述べたあと、
正午からデザートのみという
人を食ったコースが始まる。

一目でそれと分かる神経質な店主が
模型のように菓子を組み、
これ見よがしに供していく。

気を抜くと割れそうなグラス。
上澄みをすくいとるような会話。
手洗いにも立てない間合い。
そもそも何処にあるかすら分からない前衛的な部屋。

客も店主も強張った表情という
独特な時間が過ぎる。

スフレが膨らむさまは愉快なので
ぜひ見てろと言われ、老眼で凝視。

ピントが合った頃に焼き上がる。

ただちに食えと手渡され
味わう間もなく飲み込む客。

指示と支持が交錯するなか
フィナーレを迎える。

タブレットを持ち出しながら
現金のみのトリッキーな会計。

財布をかざして金額を問う。

「1万8000円です」



じょうだんでしょ!

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