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剣と魔法とアヴィリオン

 て無事に自費出版一冊目のローンを払い終えたのが前年度の末の話、ちょっとばかり身軽になった……ということでついに我が家にもswitch2を導入することにした。初期switchからおおむね8年ぶりのマシン更新である。専用ソフトの購入はまだ先になりそうだが、引き続き同じソフトを遊んだだけでも歴然たるスペック差に驚きを通り越して唖然としてしまった。具体的にはRPGツクールMVTrinityのセーブ&ロード時間が大幅に短縮されたりとか。これまでソフト起動に毎回かけざるを得なかった50秒がいきなり4~5秒に短縮されると、急にその数十秒をドブに積み重ねていたような気がしてしまうから不思議なものである。

 こ最近の目玉タイトルはもうほとんどswitch2専用に切り替わってきて、それまで木曜日ごとにチェックしていたニンテンドーe-shopもだんだんと閲覧の機会が減っていた。今回のハード買い替えでようやく配信&予約受付中の全てのソフトが表示されるようになり、久しぶりに新作を探してみたのは言うまでもない。昔ほど夢中にならないまでも、新ハードのお供に購入するソフトは何が良いだろうかと……やはりここまで購入を先延ばしにし続けているドラクエか、などと考えながら新作ソフトを上から順に眺めて、とある一本のソフトが目に留まった。

 うその存在を目にすることもないだろうかと、なかば記憶の彼方に置き去りにしたままだったそのタイトルこそ「魔法学園アヴィリオン」である。スマートフォンが普及し始める少し前の2004年、当時のガラケー向けにリリースされたRPGだ。それなりに人気だったはずなのだが、運営会社が変わって更新やメンテがあまりされなくなり、なんだかうやむやのうちにサービスが終了していた……みたいな記憶がある。それがどうも原作者の方の尽力によって2025年にスマホ向けアプリとして復活を果たし、先月にはswitch版もリリースの運び、となったらしい。

 買わいでか。リアルに残念な思い出ばかりが残る最もしんどかった頃に、わずかばかりでも現実を忘れさせてくれたゲームソフトのうちの1本である。(’00年代の)オンライン機能を廃したオフライン版の買い切りでお安いのもある。まだ「ギガ」という接頭語が濫用されることもなく、通信料といえば「パケット」の単位で積み上がっていた時代の話――パケット使い放題のプランに加入しないままゲームを遊び続けて、一度だけひと月の携帯使用料金が4万とかになったのも、それはそれで懐かしい話である。

 新のハードを迎えて最初に購入するソフトがガラケーの思い出、などと誰が想像しただろう。しかしながらちょっとばかり心躍る自分がいる。あれから20年過ぎ、ゲームとしては古さも目立つ……けれど、今度の冒険はもっと楽しめるものになるハズと期待せずにはいられない。昔と違い、現実から目を逸らす必要がなくなった、そのぶんだけ。


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