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運命のクロスポイント

前書

 や。いらっしゃい。初出版おめでとう――てことで書籍『少しだけ昔を語っても? 私がnoteを始めるまで』を読んだ。内容としては半分ビジネス書、半分エッセイみたいな印象で、社会に出てからnoteを書き始めるまでの6~7年間くらいの歩みが、体験記として綴られている。本書を通して、著書クロサキナオ氏の人物像に迫ってみたいと思うよ。

商人気質

 いやー、どんだけ切羽詰まったとしても『起業するか』とはならないよ、フツウの人はさ。身を置いてきた環境の違いに起因するところが大きいといえ、思い切りの良さと動き出しの速さ、動き続けられるバイタリティはこの時点ですでに常人とは一線を画しているよね。生まれついての商売人、って感じだ。おカネの気配に敏感で抜け目がない。ただ基本的に『いい人』で、自分から人を疑う真似はしたくないほうだと思う。成り行きで面倒な作業なり決断なりしないといけなかった時は、結構な心労を抱えていたんじゃないかな。
 人を見る目というか、適正な評価をもとに適切な配置ができるのもリーダーの資質だろうね。けれどもほとんど誰もが『これまで通りの付き合い』のままで続かないところは遣る瀬無い。どうしてお金が絡んだだけでヒトって変わってしまうんだろう。まぁ私も軟弱な立場ながら『安全圏』で胡坐をかいているひとりだし、強くは言えないけどさ。

心の行方

 ページの大半がビジネスにまつわる話に割かれている本書の中で、もうひとつ印象的なのが家族の話だ。ここで深くは触れないが、一連の内容に関して、その心の内は察するに余りある。家族というのも時に疎ましく感じるものだけど……限られた時間を大事にしていきたい、ね。

運命が交わるとき

 本書に記されているのは多くの出来事のうちの一部で、他にも良い事悪い事、様々な経験をしてきたのだろう。そうとわかっていても、本書だけを読む限りでは『敵は多くない、でも味方も少ない』といった感想を抱く。なぜか。いやちゃんと強い味方もいるんだけど、もっと色んな人から好かれるというか、愛されるタイプだと思うのよ。ビジネスが関わるからシビアな面も持たざるを得ないだけで、人柄としては奔放でフットワーク軽いインドア派というか。
 実際イタい目に遭った側はたまったもんじゃなかっただろうけど、それまで出会ってこなかったカテゴリに属する仲間が必要となる時期なのだと思う。仲間といっても一緒にビジネスやってくとか、そういう大袈裟なものじゃなく『共に同じ時間を生きてる』、ふと周りを見渡した時に『やってるなアイツ』って、自分も元気を受け取れるような、緩いながらしなやかな繋がりの仲間が。お互いね。もし事業が順調で売上がすっ飛ぶ事もなく進んでいたら、まず関りを持つこともなく、存在も知らないままで今と異なる今を過ごしていたはず。noteはもちろんだけど、仲間たちと接点ができる直接のきっかけが『X』ってのはなかなか洒落てるじゃないか。

後書

『動き続ける』、書き出してしまえば何とも簡単に見える5文字だけれど、それを実行し続けられる人は、案外少ないものさ。不幸や不運につまずくのは皆同じでも、そこから再び立ち上がれるかどうかはその人次第だ。私だってどちらかといえば動き出しに時間がかかる側――でも、そんな私にも『もう一回やってみてもいいかな』なんて思わせてくれる、小さな火を与えてくれたのは感謝してる。もし出会わずにいて、何にも書かないまま一年終えてたかもしれないと想像すると怖気が走るね。自分のことながら。
 最初から上手くいくものでもなければ、挫折もつきものだ。それでも一歩を踏み出す勇気につながればと願って、本書を薦めるよ。

追伸:
 クロサキナオ氏の『経営者の視点による体験記エッセイ』とわりと対極に位置する、私の『主に労働者視点の小説フィクション』もよろしく🙃


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