真・不可思議刊行筆風録 3
割引あり
前書
4年前の記事(現在は削除)を新たに再編して書き直し、また何本かの記事にまとめることにする。書籍の刊行までとその後、自費出版の体験記として、これから本を出そうという人の参考になればありがたく思う。
前回
5.引き算された百万円と、独りよがりの自信
今(2019年)現在と、数年前の――最初に全国出版にかかる金額を告げられた当時とは、自分の状況は明らかに違っていた。が、数百万という額自体は大して変わらないはずだ。手取りの少ない田舎の会社員が払っていけるものかどうか、不安には違いなかった。そのあたりの悩みも伝えながら、具体的な金額や支払い方法について担当者に相談する。
やはり提示された金額は大きく、『覚悟を決めるための覚悟』が必要になりそうだった、そんな中。担当者からひとつの提案がなされる。
「今月中に契約されますと」
「ええ」
「お値引きが可能です」
「ほう?」
「百万円ほど」
「ひゃくまんえん??」
電話でのやりとりだからか口調はいたってフツウながら、テレビショッピングもびっくりの七ケタ値引きである。『値引き』によって見積額から百万円も引かれるような機会が、人生にそう何度もあろうか。いやない。普通は無いよそんな額が引かれることも、そんなチャンス自体も。別に何千万の家とか買うわけでもなく。
これなら……この額なら。それでも払い終わりまでにはかなりの時間を要するが、イケる。現実ってやつとうまく付き合って、やっていける。
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