[下書き] オッサンの気づき 第20話 & スウェーデンのコミック誌に向けての漫画 & その他
現在は、漫画を4つ同時に進めています。一つは、Portalというコミック雑誌に寄稿する漫画です。スウェーデンの雑誌です。

以前の記事で書いたスウェーデンの友人の紹介です。彼自身が私の漫画をすごく気に入ってくれて、「あなたの漫画はうちの国でうけると思う!」ということで、チャレンジしてみることにしました。無事採用されればまさかの北欧デビューです!その友人は一足お先に掲載されていました。

私の漫画は全12ページで、もうだいたい描き終わりました。以前よく描いていた杉村くんと一緒のノリです。1990年代のちょっと悲しい不良漫画です。せっかくなので日本の文化も交えようと思って、ガチャガチャをテーマに描きました。最近流行ワードの「親ガチャ」も絡めてあります。せりふは英語で入れて、その後友人がスウェーデン語に翻訳して投稿という流れです。とてもありがたいことです!海外は文章が横書きで、日本の縦書き漫画とは開きが逆になるので、コマ割りやふきだしも左→右の構成で描いています。

ちなみにPortal立ち上げの方もコミック作家です。
このコミックが人気で、映画化もされています。

私も英語版で読んだんですが、結構精神的にくるホラーで面白いです!こういう系統が受け入れられる土壌があるので、私の漫画もうけると言ってもらえたのかもしれません。締め切りは6月でその後打合せなどがあるので、結果は夏ごろだと思います。続きはまたこちらやTwitterでお知らせします。
次に描いているのは「オッサンの気づき」の第20話です。先日、実家に帰ったときの出来事と考えたことを漫画にしました。こっちは日本語で縦書きなので右→左の読み方です。

以前にも描いた父ちゃんのDIYネタです。「自分でする」ことの大切さについてです。現代は便利になりすぎたと思います。それは「他人任せ」が増えたことでもあります。さらにそれは「自分を受け入れられない」ことにもつながるはずです。簡単に言えば世の中にうすーく完璧主義の空気があるということです。こちらの第6話とも同じテーマです。これもだいたい完成しているので近いうちに公開します。
もう一つは、イラクに住む友人についての漫画です。

イラクや中東といえば、ずっと内戦をしている地域というイメージがあると思います。彼はそこで難民を支援する活動をしています。こちらも偶然、スウェーデンの団体(SWEDO)でした。

数年前彼が日本に来たとき、一緒に食事をしたり話をしました。とてもおだやかな青年でした。その後はTwitterやWhatsApp(LINEのようなもの)でやりとりをしています。さらに彼はクルド人という複雑な歴史のある民族で、彼のその人柄と悲惨な中東のイメージ、さらに民族的なことでもなにかあるのかな…と想像すると、何か自分にできることはないものかとずっと考えていました。で、ある時彼が冗談ぽく「きみの漫画に僕が出てきたら面白いね」的な話をしていて、おーこれだと思ったのです。彼はワンピースのファンで、作者が(うろ覚えですが)「自分がどんな悲しいものを見ても、自分にできるのはあなたをキャラクターにしてアニメのOPに登場させることだ」的なコメントが印象に残っていたようでした。
とはいえ、中途半端な知識であんまり踏み込んだことを描くのも失礼だと思うので、以前から描こうと思っていた、私が昔つきあっていた女の子をモチーフにした話に絡めたゲストキャラとして描くようにしました。すごいお金持ちの家だけど派手に病んでしまった子の話です。ちょうどイスラム教の断食の時期に、それついて彼が「断食は大変だけど、苦しい人の立場に立てる」と言っていたことがピンときたのです。世の中が豊かになるとそれが当たり前になって苦しい人の立場に立てなくなるのはよくあると思います。逆に言えば、豊かでないほうが苦しい人に対して自然に共感できると思います。それこそが優しい世界で、自分の漫画の大もとにあるテーマもそれです。「物的に豊かだからといっても幸せとは限らない」です。お金持ちなのに病んでしまった子の話、今描いている父ちゃんのDIYの話もそうですね。今回は全部で8ページの漫画にするので完成はもうちょっと先になると思います。ちなみに彼は将来日本の田舎に住むのが夢です。自分にできることは何だろうかとよく考えます。
最後に4つめは、「うつトリマー」の第17話です。でも動物とか職業ネタというより、またメンタル的な内容です。犬を飼うときはみんな「お座り」や「マテ」などのしつけをしますよね。そして人間も、特に日本人は「他人に迷惑をかけてはいけない」という概念を一番強く教わりますよね。それもある意味しつけです。しつけとは、「本当はAをしたいんだけど、Bをするように言われてるからAは我慢してBをする」+「Bを無視してAをするとすごく気持ち悪い。別にAをすることは物理的には簡単なのに」の組み合わせです。例を出すと、犬であればごはんを前にして速攻で食べることは簡単なのに、それをやると何か気持ち悪いからマテをし続けることです。人間でいうと、意地悪なおばあさんがいたとして、彼女に「ぶちのめすぞくそばばあ」と言うことはワード的には簡単(早口言葉でもないので)ですが、それを言うのは何か気持ち悪いから言えないということです。それを利用した強力版が洗脳とかDV、ブラック企業だと思います。攻撃してくる相手に反抗したり逃げ出すことは行動的には簡単なのにそれができないということです。そしてそれを考えるきっかけになった犬がいたという話です。
「うつトリマー」で描いているように自分はメインの仕事があるため、漫画は仕事が終わった後の限られた時間にしか描けません。本当は一日中漫画を描いてそれで生活がしたかった側の人間なので、描きたいことばかりストックが増えています。仕事中もぼんやり考え事をしながら「あっこれは漫画に使えるぞ」とかメモしてます。でもこれって学生時代の授業中に夏目漱石の写真にモヒカンを描いてたみたいなもので、本業があるからこそ楽しめるものなのかもしれませんね。毎日太宰治や森鴎外にモヒカンを描く生活は辛いのかもしれません。いや、楽しそうかな…。ではまた、新しい漫画をお楽しみにしていてください。
