共同体の「中心」を好む人と「周縁」を好む人。両者を包摂するチームをつくる5つの突破口
最近あらためて「チームビルディング」という営みについて、批判的に考えを巡らせています。
拙著だとこれまで『問いかけの作法』『チームレジリエンス』などでチーム論については扱い、最新刊『冒険する組織のつくりかた』でもチームビルディングについても一定の議論・解説はしたつもりです。

第5章は、チームビルディングの方法論を扱っています。
しかし改めて、そもそも"チーム"とは何か?なぜチームで働くのか?"チームビルディング"とは何をすることなのか?と問われると、答えきれない部分があると感じています。
共同体の「中心」を好むタイプと「周縁」を好むタイプ
チームビルディングについて考えるためのひとつの変数として、人間には共同体の「中心」を好む人と「周縁」を好む人がいるという事実に目を向けなくてはいけません。中心を厭わないタイプ、周縁でしか生きられないタイプ、と言い換えてもよいかもしれません。
これはスキルや経験ではなくあくまで「好み」であることが重要です。教室の中心にいるほうが心地よく気分がいいのか、もしくは窓際やすみっこが性に合うのか。現実には「本当は周縁が性に合うが、責任感でリーダーをやっていた」とか「中心に憧れを抱きながらも、うまく輪に入れなかった」とか色々あるのでしょうが、あくまで「好み」の話をしています。(ただし、自己認識と他者認識がズレている場合があるのでややこしいのですが…笑)
前者を「中心型の人材」として、後者を「周縁型の人材」とあえて呼ぶことにしましょう。人間を二つのタイプに分けてしまうことはとても乱暴な分類ですし、中間層や例外があることは理解していますが、あくまで議論のきっかけとして。
中心型:共同体の「中心」を好む/もしくは厭わない人
周縁型:共同体の「周縁」を好む/もしくはそこでしか生きられない人
チームビルディングにおける中心型/周縁型の分断の危機
これまでの経験を振り返ると、チームがまだ成熟しておらず仕組みやカルチャーが醸成されていないうちは、「中心型」が属人的なリーダーシップでチームを牽引していることもあれば、それが空回りして孤軍奮闘している場合もあるでしょう。逆に「周縁型」が独自のパフォーマンスで存在感を放っているケースも結構あるように思います。秩序がないからこそ、衝動的な個人プレイや後方支援が輝くわけですね。
しかし一般的に、チームを秩序立てていく、すなわち"ビルド"するフェーズで間違いなく必要になるのは「中心型」のリーダーシップです。中心に近い人たちが連帯することで、チームは同じ方向を向くことができて、結束して強くなれるわけです。
しかし「中心型」が率先して仕組みと規範をインストールしていくほどに、「周縁型」はだんだんと居心地が悪くなっていきます。
「周縁型」のタイプは、「中心型」の指揮に対して天邪鬼的に、もしくは無自覚にズレてしまうタイプなので、自ずと集団から浮き始めます。そして「ズレてしまう自分」に対する冷ややかな目線に余計に居心地が悪くなって、悪循環的にノレなくなっていきます。
よりよいチームを目指す「中心型」からすれば、かつて輝いていた「周縁型」は、ポテンシャルの塊。しかしどんなに苦心しても輪を乱し続ける「周縁型」に対してやきもきし始めて、やがて下手をすると「中心型」は「周縁型の排除」がチームビルディングのゴールになり、「周縁型」は「中心型に石を投げる」か、もしくは「新しい秘密基地」を求めてキャリア漂流することが生存戦略になっていくのです。
これは喩えるならば「安心して遊べる公園を整備したい人(中心型)」と「あくまでも路上で遊びたい人(周縁型)」の闘争で、場づくりの永遠のテーマのよう思います。
誤解いただきたくないのは、この指摘をすることによって、僕は両者の分断を煽りたいわけではありません。本来の目的は同じ「一緒に遊びたかった」に尽きるはずで、それが特性の違いによってすれ違い、分断に発展してしまいかねないことは嘆かわしいことです。
むしろ両者のタイプを包摂したチーム論を検討しないと、真の意味で多様性を活かしたチームビルディングはできないのではないだろうか?というのが、本記事の問題意識です。
また、これは自分自身のキャリア課題でもあります。僕は自他共に認める「周縁型」の人間で、社会や集団のルールにうまくフィットできないから研究者になり、起業したわけです。しかし気づけば80人の会社の代表になっていて、当然ながら中心に立たなくてはいけない場面も増えてきています。幸いなことに周囲の仲間に恵まれて、いまは「周縁」から経営インパクトを出すスタイルを維持できていますが、組織のサイズや状況が変わればそれも揺らぐかもしれません。自分の生存戦略としても、この命題に向き合いたいのです。
両者の分断を乗り越え、包摂するチームをつくるには?5つの処方箋
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