【#ひと色展】私がいるよ。
ボールを追いかける男の子たち。
緑がいっぱいの公園で、砂埃が上がる。
「パス、パース!」
あっちからこっちへ、こっちからあっちへ。
私はそんな様子をジャングルジムの上から眺めている。
彼らが来る前から此処にゆっくりと登っていたので、
彼らは私の存在に気付いていない。
背景に溶け込むように、
木の上の鳥のように静かにしている。
「ねぇ、どんな気持ち?」
どこからか声がした。
意外と近くからだ。
ゆっくり横をみると、隣に小さな女の子。

(可愛い。こんな子、近所にいたかなぁ。)
ボールを蹴る音が響く公園の音が、一瞬遠ざかった。
「さみしい?つかれた?でも大丈夫、私がいるよ。」
「ほら、ぎゅっと結んだ手を見て。」
片手を離して、そーっとひらく。
(あれ?)
手を開くと、土色のさびみたいなのが付いていた。
スンスンと嗅ぐと、あの子の薫りがした。
🌿🌿🌿
イシノアサミさんの素敵な企画に参加させていただきました。
「バーントアンバー」という色に、心惹かれました。
もう、この子に、ごっそり持っていかれました。
土は、強くてやさしい。
命を育んで守って、伸ばしてくれる。
触れると安心してくるあたたかさ。
金沢での企画展、きっと素敵なんだろうな。
