AI時代、人間の「仕事の価値」はどこへ移る?_「支える・整える・つなぐ力」から考えてみた
AIを使うようになってから、人間の仕事について考えることが増えた。
文章を書く
情報を調べる
画像を作る
ホームページを作る
考えがまとまらなければ、整理するところから手伝ってもらえる。
少し前まで「できる人に頼むもの」だと思っていたことが、自分でもできるようになってきた。
AIがこれだけのことをできるようになった先で、
人間の仕事には何が残るんだろう、と考える
その答えの一つが、
支える・整える・つなぐ
という、これまであまり目立たなかった能力の中にあるんじゃないかと思っている。
※この文章は、別のnoteで書いた記事をきっかけに始まった探究を、Life Experience Labの第1作として再編集したものです。
当たり前だった上下関係への違和感
そんなことを考えるようになった背景には、
仕事だけではなく、これまで感じてきたいろいろな違和感がある。
先生が教壇に立ち、生徒が同じ方向を向いて話を聞く。
一つ年齢が違えば先輩と後輩になり、年齢が上の人を敬う。
会社なら役職がある。
コミュニティならリーダーがいる。
もちろん、それ自体が悪いとは思わない。
一人の先生が大勢に教える方が効率的なこともあるし、経験を積んだ人から学ぶことには価値がある。
意思決定する人が必要な場面もある。
教える人と教わる人
決める人と従う人
前に立つ人と支える人
は、ずっと固定されていなければいけないんだろうか。
以前から少し違和感があった。
物理的に声が大きい人
強く主張できる人
何度も要求できる人
そういう人の意見が、結果的に通りやすい場面がある。
反対に、
人とぶつかるくらいなら自分が引こうとする人もいる。
誰かが困っていることに気づく
話を聞く
場の空気を見て調整する
言われる前に準備しておく
誰かが前へ進めるように、見えないところを整える
こうした役割は、ときどき「サポート」という便利な言葉の中に全部入れられてしまう。
必要なのに、目立たない。
目立たないから、価値として認識されにくい。
「私についてきて」と言える人は強かった
仕事やビジネスの世界では、ゼロから何かを作れる人は強い。
未来を描き、
「これをやります」
「私についてきてください」
と旗を立てられる。
その推進力があったからこそ、生まれた会社やサービス、コミュニティもたくさんあると思う。
この能力を否定したいわけではないし、
できる人はすごい。
ただ、気になっているのは、その人たちの周りにいる人のことだ。
前へ出るのは得意じゃない。
大きな夢を語るのも得意じゃない。
人を引っ張るより、人の話を聞く方が得意。
何もないところから「これをやるぞ」と旗を立てるより、
今あるものを見ながら、
「ここをこうしたら、もっと良くなるんじゃない?」
と考える方が得意。
そういう人は、誰かを支える側に回ることが多かった。
それで心地よく働けているなら、何の問題もない。
だけど気になるのは、
「あんなふうに前へ出られないから」
と、自分が持っている能力まで小さく見積もってしまうことだ。
AIが「できる人」の意味を変え始めた
そこへAIがやってきた。
これが、かなり大きな変化なんじゃないかと思っている。
これまでは、
知っている人
作れる人
専門的なツールを扱える人
に仕事が集まる場面が多かった。
もちろん専門知識や技術の価値がなくなるわけではない。
でも、
知識へのアクセスと
「作ること」のハードルは、確実に下がっている。
分からなければAIに聞ける
文章のたたき台も作れる
デザイン案も出せる
コードを知らなくてもWebサイトまで作れるようになった
だったら、人間の仕事の価値はどこへ移るんだろう。
だからこそ、気になってきたのは
以前なら「裏方」「サポート」とひとまとめにされていたかもしれない
こんな能力。
誰が困っているかに気づく
話を聞く
状況を整理する
必要なものを選ぶ
人とツールをつなぐ
運用できる形にする
場を整える
継続できるようにする
AIが大量の知識と選択肢を出してくれるようになったら、
むしろその先を扱える人が必要になるんじゃないだろうか。
AIは答えを出せる。でも、その前がある
たとえば誰かが、
「公式LINEをもう少しなんとかしたい」
と言ったとする。
AIに聞けば、公式LINEでできることはいくらでも教えてくれる。
予約フォームの作り方も、
リッチメニューの構成案も、
質問項目も出してくれる。
でも、その人が本当に困っていることは何なのか。
「なんとかしたい」って、何?
お客様が申し込みにくいのか。
問い合わせ対応が大変なのか。
予約管理がうまくいかないのか。
そもそも本人にも、まだよく分かっていないかもしれない。
だったら、最初に必要なのは答えではない。
質問する
話を聞く
「つまり、こういうこと?」と整理する。
そこでようやく、
「お客様が迷わず申し込める状態にしたい」
という、本当に欲しかったものが見えてくる。
そこからAIを使えばいい。
どんな方法がある?
費用は?
この人ならどれが使いやすい?
出てきた選択肢から必要なものを選ぶ。
いらないものは捨てる。
現実に使える形にする。
AIが答えを持っているから、人間がいらなくなる。
ではなくて、
答えが大量に出てくるからこそ、
「何を問うか」「何を選ぶか」「どう使うか」の価値が上がる
ということもあるんじゃないだろうか。
裏方が主役になる、ではなかった
だから
「これからは裏方だった人が主役になる時代なのかもしれない」
と思った。
でも、考えているうちに、それも少し違う気がしてきた。
裏方を主役にしたら、
また新しい主役と裏方を作るだけだから。
変わるのは、誰が主役になるかではなく、
主役と裏方を固定する考え方そのもの
あるプロジェクトでは、アイデアを出した人が中心になる。
別の場面では、技術を持った人が中心になる。
トラブルが起きたら、それを解決できる人が中心になる。
人間関係や進行を整える必要があれば、そこが得意な人が中心になる。
役割が変われば、中心にいる人も変わる。
全員が同じ能力を持つ必要はない。
誰か一人がずっと上に立つ必要もない。
DAO※という考え方に惹かれる理由の一つが、ここにある。
だからといって、DAOならすべてうまくいくとも思っていない。
人が集まれば発言力の差は生まれる。
知識や経験にも差がある。
意思決定する人が必要な場面もある。
上下関係を全部なくしたいわけではない。
上下が固定されなくてもいい世界を見てみたい。
今のところ、その感覚が一番近い。
学んでも学んでも「まだ足りない」
もう一つ、この探究を始めたいと思った理由がある。
これまで、いろいろなことを学んできた。
着付け
パン作り
カメラ
Webライティング
IT
AI
資格試験にも挑戦した
仕事に関する講座やコミュニティで学んだこともある。
どこかにはいつも、
「これがいつか仕事になるかもしれない」
という気持ちがあった。
でも実際に仕事として形になったものは一部だけ。
一つ学んでも、まだ足りない気がする。
次を学ぶと、またその先に必要なものが見える。
もちろん、学んだからこそできるようになったこともたくさんある。
それでも最近は思うのは
もう持っているものを使う前に、次を取りに行っていないだろうか。
学ぶために使った時間がある。
お金も使った。
経験もした。
だったら、次の講座を探す前に、一度それを全部並べてみたい。
そこから
「これ、人の役に立つんじゃない?」を探すときが来たんじゃなかろうか
「こっちにも道があるみたいだよ」
副業することが偉いわけではない。
独立することが上位でもない。
安定して雇われて働きたい人もいる。
前に出たくない人もいる。
仕事より大切にしたいものがある人もいる。
今の環境に満足しているなら、変える必要なんてない。
気になっているのは、
「このままでいいのかな」
「いろいろやってきたのに、何にもなっていない気がする」
「自分には売れるようなものなんてない」
「誰かを支えることばかりしてきたけれど、これって能力じゃないのかな」
そんな違和感を持ってしまった人たちのことだ。
「私についてきて」と旗を振りたいわけではない。
どちらかというと、
「こっちにも道があるみたいだよ」と言える人でいたい。
ただし、人に言うなら、まず自分で歩いてみないと分からない。
自由とは「選べること」
目指しているのは、働かなくてもいい生活ではない。
むしろ仕事はしたい。
分からないことを調べる。
少し難しいことに挑戦する。
試してみる。
ちょっとヒヤヒヤする。
最後に「できた!」となる。
そんな仕事は楽しい。
誰にも頭を下げなくていい人生が欲しいわけでもない。
誰かと仕事をすれば、謝ることも、譲ることも、助けてもらうこともある。
欲しいのは、
従わなくていい自由ではなく、
選べる自由。
誰と働くか。
何を引き受けるか。
何を学ぶか。
いつ働くか。
どこで働くか。
それを自分で選べる状態。
場所にも縛られなくなったら、
クルーズ船に乗りながら
キャンピングカーで走りながら
仕事をしている日があってもいい。
そのくらい自由に仕事を持ち運べたら面白い。
Life Experience Labで実験すること
だから、このnoteでは考えるだけで終わらせない。
自分自身を実験台にする。
これまで経験してきたことを棚卸しする
人の役に立ちそうなものを見つける
AIにも手伝ってもらう
商品にする
値段をつける
世の中に出す
売れたら、なぜ売れたのかを見る。
売れなければ、なぜ売れなかったのかを考える。
必要ならやめることも視野に入れて。
組み合わせを変える。
そしてまた試す。
当面の目標は、複数の収入源から月30万円。
30万円という数字そのものが最終目的ではない。
一つの仕事や一つの組織だけに依存せず、
時間と場所を選べる働き方を成立させるための、
最初の目印として置いている。
ここは成功法則を教えるところではない。
できていないところから、本当にできるのか試す。
それがLife Experience Lab。
経験は、本当に仕事になるのか。
AIが知識を持つ時代に、人間の価値はどこへ移るのか。
これまで「裏方」と呼ばれてきた能力は、経済価値に変えられるのか。
一人の人間が一つの肩書に縛られず、
小さな「お財布」をいくつも持つような働き方は成立するのか。
考えて、試して、結果を見て、また考える。
その過程も含めて、ここに残していこうと思う。
そしていつか本当に、
「こっちにも道があるみたいだよ」
と言えるところまで行ってみたい。
※DAO(Decentralized Autonomous Organization/分散型自律組織)
特定の管理者だけに意思決定を集中させず、参加者がルールや仕組みに基づいて運営や意思決定に関わる組織形態。本来はブロックチェーン技術と深く結びついた概念です。このnoteでは特に「一人の強いトップだけに依存しない組織のあり方」という側面に注目しています。

