【詩集】さいごのスレッド
予言+滅亡−文明=神話
(後悔−解脱)×肉体=カルマ
(神話+カルマ)÷魂=新生
【test】
黄昏ときの運命には
神様たちは何をおもう
全知全能はいのらない
私は、無敵でありたかった
あの羊飼いよりも卑小なことを
東からやってくる光に暴かれたから
いつかもらった灯火は
神様たちの目に映る黄昏に似ていただろうか
今日も罪を犯すのは、あなたの罰を待つからだ
星々は今日も落ちては来ない、
こんなに泣いていても、
まだ、輝いている、
わたしの愚かさを届けてください
この世界の終わりからも外れてしまった
わたしの他愛のない願い事に息吹をください
【ragnarok】
祈られる者の祈りはどこへゆく
問われ続ける天空は
与え続ける者の祈り
箒星にくくりつけられた
あの子供らの詩歌たち
五線譜の上に辿り着きますように
まばゆいばかりの今日に落ちますように
さらわれてしまった
かつての言葉たち
わすれられてしまった
吟遊詩人らの声、その欠片、
【hieroglyph】
加工保存された記憶は、夢の中でしか咲かない
誰かは誰かの為に、王は民草の為に、
神は裁かない、神は干渉しない、
それは存在の否定にはなり得ない、
大袈裟なほどに罪を犯し、大芝居に悪魔になる
目に見えるものは、フィルムである、
君の言葉は、キネマの引用である、
使い古されていたものは何度も蘇る
先駆者の顔をしたタイムトラベラー
お気をつけなさい、違う空間に飲み込まれる前に
緑色の断罪は史実の上で何度も芽吹いている
後ろを振り向いてはいけないということは
口を開けた化け物について、
存在する証明にはなり得ない
腹を空かせた、暇人の大挙こそ、
あらゆる予言を踏みつけるカタストロフ
それは誰が言ったこと?
君の自動筆記は君の言葉では無いと言ったのは?
それは誰が言ったこと?
君の見る夢がアストラルとの交信と言ったのは?
それは誰が言ったこと?
赦しを請うことも計画のうちだとするのなら
この幽体に刻まれたものを罪と呼ぶ理由は?
魂と呼ぶ、精神と呼ぶ、心と呼ぶ、
唯物論の世界へのレジスタンス?
それには何の意味があって、
それには何の目的があって、
大いなる?全能?それらが否定するものは?
【catastrophe】
其々の魂に形が必要となった
ある人は香水
ある人は羊皮紙
ある人はビロード
並んでくださいとスピーカーから音がする
人の形を見て過ごしていたというのに
あっさりと泥で出来ていた私たちは
崖の上からまっすぐに落とされた
パリンだったか
ガランだったか
ドシャンだったか
私たちがどんな音を立てて
お世話になった人の形を葬ったのか
もう思い出すことはむずかしいだろう
時間と距離と肉体と魂と信仰
其々が其々の存在を疑わない間は
凪のような平和のような退屈のような
まどろみのような悲観のような悔しさのような
たった一瞬に全てがあった
たった一瞬に全てが消えた
魂は不滅だと誰かが走り書きした跡
私たちはどうしてこの形をとっているのだろう
悪人も善人もいないというのに
魂の形は綺麗なものだと認識される
都合のいい話だと言い捨てたとしても
言葉を捨てることなど出来ないと
砂が目に入るように思い知る
【簡易的審判の時刻】
精神的殉教の……
神へのセンチメンタル……
なつかしいエデンへ……
蛇はわらう
井戸に這う
動かない機械だけが持つ記録
滅びた文明には大量殺戮の思い出たち
天使がきりきざんだものが
雪へとかわりゆく3月の街へ
マフラーは揺れているか
風は吹いているか
名前を与えられたかわりに
名前を忘れるように言われた
わたしたちは確実なる従順さがあり
わたしたちは確信を持つ信仰があり
かたくかたく誓い合い大陸を歩いた
どこまで来たのかを測ることに夢中であった
やがて拙い地図が出来上がり、探検で印をつけた
なにをかくしたんだ
なにをかくしたんだ
わたしたちは遊んでいただけで
わたしたちは遊んでいただけで
殺されたことのある人が増え出した
殺したことのある人が増え出した
もう泣くことはない
もう笑うことはない
銀貨の重みが命と同等になるときに
レコードに刻まれるn番目の歴史
【簡易的審判の時刻 Ⅱ】
残酷な程に綺麗になっていく物語に
今日も誰かが取り憑かれていく
夕焼けが街を一つ燃やし尽くして
灰になった記憶たちが夜の空気をつくる
導かれるのは酩酊した一個の思想だった
今日も飲み明かしてひとつの時代をまたぐ
綺麗なものだけを遺して私たちは立ち去る
そんな無責任な轍に誰の嘆きが吹き荒ぶ
ここは遺跡になり果ててゆくか
ここは思い出になり果ててゆくか
ふりかえらない世界
もうとどかない手紙
わすれものだらけの今日
【追憶】
夕日は線であった
煙突の幽霊、煤煙は空に焦がれている
夕日は線であった
ただただ正しくひかれていた
今日も川に誰かの涙が落ちる
海を目指して、ここではないところへと
霞のような道路を踏むスニーカー
何もかもが水を含んだように曖昧で
夕暮れはやがて輪郭となってゆく
私はそれを待つ、蛙の声に起き上がるまで
【薄暮】
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