うちの子出会い図鑑③ チコ編・後編
うちの子出会い図鑑③ チコ編・後編
前編では、公園で3日間一人ぼっちだったチコを、無事に保護するところまでをお話ししました。今回はその続き、うちの子になるまでの話です。
保護したその足で、旦那の事務所にチコを連れて帰りました。「これからどうしよう」と二人で話し合いましたが、答えは出ませんでした。結局、はっきりした結論のないまま、こっそり家に連れて帰ることに。
隔離できる場所もなかったので、そのまますぐに先住の龍馬・ケンタ・0・ムサシと対面させることになりました。意外にも、喧嘩になることもなく、すんなりと進みました。



ただ、大きな問題がひとつ。チコが、ものすごく臭かったんです。それも、公衆トイレのような匂い。おそらく、外にいた3日間、喉の渇きをトイレの水で潤していたのだと思います。
そう思うと悲しく切なくなるのですが、そんな感傷に浸る間もなく、とにかく臭くてたまらない。夜、じいじに見つからないようにこっそりお風呂でチコを洗いました。幸い、ノミはいませんでした。


でも結局、じいじにはバレました。じいじは、動物より人間の数の方が多いほど賑やかな我が家に対して、日頃から「猫屋敷か?」と嫌味を言うくらいの人。今度はどう言われるかと思いきや、旦那が「近所の人が飼えなくて、少し預かってるだけ」というようなことを言って、その場をごまかしてくれました。
実は、この頃、私は本気で里親を探していました。長く手元に置くと手放せなくなると思ったからです。保護猫カフェにも相談しましたし、知り合いにも聞いてみましたが、なかなか見つかりませんでした。
そうこうしているうちに、いつの間にか、じいじがチコに名前をつけていました。「NHKのチコちゃんに怒られるから」という理由で、「チコちゃん」。
今思えば、里親を探すという行動は取っていたものの、心のどこかでは違う気持ちがあったんだと思います。あの「お母さん!お母さん!」という鳴き声が、ずっと耳から離れなかった。里親を探すふりをしながら、私は少しずつ、ずるずるとチコを自分の子にしていったのだと思います。
今のチコは、緑色の大きな瞳と、長い尻尾が自慢の美人猫。鼻先の模様がハートの形に見えることもあって、うちでは「美人さん」として親しまれています。
末っ子で可愛いけれど、お転婆なところも健在。あの公園で震えていた小さな子猫が、こんなに穏やかな顔で家の中を我が物顔で歩いているのを見ると、あのとき諦めずに探しに行って本当に良かったと思います。
次回は「うちの子出会い図鑑④ ムサシ編」をお届けする予定です。お楽しみに。
(つづく)
