見出し画像

40年ぶりの再会に向かう電車の中で

今日は、高校時代の友人に会うために、東京に向かっている。
彼女に会うのは、40年ぶり近い。

実家から最寄りの駅までは、歩いていくにはちょっとつらい距離。自転車なら20分くらいはかかるし、車なら10分。今、実家には自転車がないので、母に車で駅まで送ってもらった。

懐かしいはずの駅は、全く違う建物になっていた。懐かしさのかけらもない。新しいけれど……なんというか、美しさは感じない(笑)。
田舎の始発駅。外国人が多い街なので、駅名の看板は日本語含め6ヶ国語で書かれている。
駅には駅員さんもいない。乗り込む前に、乗車を証明するチケットを取る。

そして、電車がやってきた。
2両。……いや、40年前は4両だったよね?(笑)

やっと出発した電車の車窓から見える景色も、ずいぶん変わっている。それでも、懐かしい駅名が表示されると、昔のことを思い出す。

「宿題やった?」
「やったけど、テキトー」
「あー、体操着忘れたー。ねえねえ、体操着持ってる?」
「持ってるよ」
「かしてくれ!」
「いいよー」
「部活終わったら、校庭で昨日の続きやろう!」
「やろうやろう!」

校庭の「昨日の続き」とは、サッカー。当時、『キャプテン翼』が流行っていて、女子高生なのに、キャプテン翼ごっこをしていた(笑)。

「翼くん!いくよー!」
「オウッ、みさきくん、こっちだ!」
「シュートー!」
……なあんてね。

そんなことを思い出していたら、懐かしくない景色の向こうに、遠く富士山が見えた。本当に遠くの、遠く。小さな小さな、シルエットだけ。それでも、私たちにとっては、懐かしい富士山のカタチ。思わず、涙腺が緩んだ。

私は、かなり田舎の郡部から、少し離れた都会……というほどでもないけれど、市部の女子校に通っていた。その街にある女子校に行くと、田舎者の私には、シティっぽい友人(笑)がたくさんできた。

好きな歌手のファンクラブに入っているとか。東京にコンサートに行くとか。おしゃれな洋楽を聴くとか。赤や金色の髪の毛を逆立てたロックを聴くとか。エレキギターを弾いちゃうとか。中島みゆきさんの深夜ラジオを聴くとか。どれもこれも、私にはかなり刺激的だった。

また、懐かしい田舎の駅を通過した。ここから乗っていた友達がいた。彼女は、漫画を描くのがとにかく上手だった。彼女と競うように、教科書の隅にパラパラ漫画を描いた。
先生や友達の似顔絵やキャラクターを描いては、
「似ている!」
「似てないけど、こーゆー人だよね!わかるーっ🤣」
なんて、お互いの作品を見せ合って、大笑いしたり。

その彼女は、後に少年ジャンプに連載を持つほどのプロになる。きっと、今でも描いているんじゃないかな。

懐かしい景色は、もうほとんど残っていない。駅も、街も、車窓から見える風景も変わった。それなのに。駅名を見ただけで、脳裏に当時のことが次々に浮かんでくる。一緒に笑ったこと。くだらないことを話したこと。一緒に遊んだこと。そして、あの頃の私たち。

もうすぐ北千住。

いいなと思ったら応援しよう!