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バツ2は3度目の結婚の夢を見るか?

2年ぶりn度目の引っ越し。幼少期から数えると、人生における引っ越し回数の累計はおそらく15回を超えている。いま、これを読んでいる方の中には、わたしの人生の大きな転機となる引っ越しを見届けるのが2回目の方もいることだろう(2年スパンで大きな転機が訪れる人生もどうかと思う、人生さんサイドもかなり無理をしておられるかと思うので、当面はおとなしくしていてほしい)。

6年間という時間を一連托生の思いで過ごした男に公私共に戦力外通告を受けてから「あこがれの東京」に出てくるところまでがわたしの人生のピークで、その後は慣性というか惰性というか、そういうもので動いて徐々に失速し、いずれ停止するものだと思っていた。しかし、その予想は大きく外れ、たぬかな氏のマネージャー業を仕ったり、東京が拠点になったことで自身の配信活動もより充実し、3度終わった人生がうそのように加速していく。格ゲーとパチスロという趣味も増え、変わらずネタにも事欠かず、わたしのスランプグラフはきれいな右肩上がりを描いていた。

とはいえ、わたしはアラサーなどとうに通り越し、齢40が目前に迫っている人間なので、この「たのしいとうきょうせいかつ」がそう長く続くわけではないことなんて、はじめから理解している。物分かりのいい女を何年やっていると思っているのか。むこう3年以内に東京で3度目の結婚をして有利区間を切るか、それが望めない場合はプラス域にいる間に潔く福岡に帰ると決めていた。見苦しく、いつまでも東京にしがみつくような結果になることが一番いやだった。

転落をおそれてしまうほどに、あまりに満ち足りた毎日だった。しあわせは、自分にはそぐわない。しあわせを享受する資格は、わたしにはない。そのスタンスが自らをしあわせから遠ざけていることを頭ではわかっていても、長年の思考のくせは、なかなか取れてくれなかった。「不幸をアイデンティティにする」というお手軽な麻薬からは卒業できたものの、どうしても、ふとした瞬間に不幸へのホメオスタシスが働いてしまう。

3度終わった人生のボーナスステージである東京を存分に謳歌するわたしには、もはや男以外のすべてがあったが、男だけがなかった。先日、たぬかな氏が実は既婚であったことを公表したが、わたしも、実は3度目の結婚なんて、ほんとうはどうでもよかった。できる・できないは別にして、どう考えても結婚に向いていないので。ペンギンが空を飛べないように、わたしに結婚生活の継続はできないのだ。「これ以上、被害者を増やしてはならない」という志のもと、粛々と人生を終えるつもりでいた。「欠けているからこその自分である」という認識もあるし、男が欠けているくらいがちょうどいい。なにより、十分に満ち足りているのに現状を上回るしあわせを望むなどおこがましいと思っていた矢先のことだった。

4年前のAPEXのコーチングをきっかけに、今はスト6でお世話になってる人がいる。わたしのケンの面倒を見てもらっているお礼として飯を食わせるために徳島へ。帰りの飛行機の時間が迫る。他人にしあわせにしてもらうことしか考えてこなかったわたしが、はじめて「自分がしあわせにしたい」と思ってしまった人だった。脳内のスタンミが「男がお前を選ぶんじゃない、お前が男を選べ」と繰り返し力説する。考えに考えた結果「絶対にしあわせにするので、一緒にいてくれませんか」と伝えた。

別れ際に彼が発したのは「この先どうする?」という言葉だった。この先も何も、1〜2ヶ月に1回会うような遠距離のお付き合いができればいいと思っていたわたしは面食らった。結婚なんて見据えているわけもないし、なにより、仮に見据えていたとしても、結婚が現実的な年齢差ではなかったからだ。彼は、わたしよりもはるかに腹をくくっていた。その覚悟を受けて、それならばと拠点を徳島に移すことを決めた。

これまでのわたしの理想をすべて満たす、これ以上ない相手と一緒とはいえ、だれひとり知人のいない土地での生活が始まることに対しては、正直、不安が拭えないでいる。でも、はじまりのことばをうそにするわけにはいかない。わたしたちは、自らが積み上げてきたものを、心から不本意なかたちで全ロストした同志だ。もう、このひとのことを何人たりとも傷つけてはならないし、ましてや、それがわたしであっては絶対にいけない。残りの時間を考えると、出会うのが遅かったと思うこともあるけれど、わたしが彼をしあわせにできるタイミングは今しかなかった。だから、今でよかった。

わたしが人生のすべてをコンテンツにしているせいで、彼もまた少なからずコンテンツになってしまうのが心苦しい部分もありはするが、彼はきっと、その部分でも腹をくくっているにちがいない。

2023年12月よりゆかーびぃ東京編をご覧いただき、誠にありがとうございました。37歳バツ2無職の人生、お楽しみいただけましたでしょうか?本日より徳島編がスタートいたしますので、引き続き、わたしの人生を共にお楽しみいただけますと幸いです。


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