【障害年金を任せる社労士の受給率について】
障害年金の申請を検討している方の中には、インターネットで社労士事務所を調べて、「受給率98%」といった言葉を目にすることも多いのではないでしょうか。
確かに、高い受給率は一見すると頼もしく見えます。
しかし、この「受給率」という数字だけを見て社労士を選ぶのは、実はとても危ういということを、今回はお伝えしたいと思います。
受給率が高い=すごい、とは限らない
障害年金における「受給率」とは、一般に「受任した件数のうち、年金が認定された割合」のことを指します。
ただし、この受給率は扱った事例の“難易度”によって大きく左右されます。
たとえば、以下のようなケースは比較的スムーズに通りやすいものです:
症状が重く、日常生活もままならない
病歴が長期にわたり、継続的な通院がある
主治医が障害年金に理解があり、診断書も協力的
初診日が明確に証明できる
保険料の納付要件も問題ない
こういった「条件のそろった案件」を多く扱っていれば、当然ながら受給率は高くなります。
つまり、“受給率が高い=腕が良い”とは必ずしも言えないのです。
成果報酬型だからこそ、難しい案件は敬遠されやすい
障害年金の社労士報酬は、多くの場合「成果報酬制」です。
つまり、年金が受給できなければ、社労士には報酬が発生しません。
この仕組みは、申請者にとってリスクの少ないありがたい制度である一方で、「通る可能性が低い案件は、そもそも受けたがらない」という構造的な問題も抱えています。
たとえば:
初診日の記録が古くて取れない
症状が外見的に軽く見えてしまう
通院歴に空白がある
過去に不支給になったことがある
こうした「難関事例」は、時間も労力もかかるうえに、不支給リスクもあるため、受給率を下げたくない事務所や、効率を優先する事務所には敬遠されがちです。
本当に価値ある社労士とは、“困難なケース”に挑む人
一方で、「難しいからこそ、何とかしたい」という思いで向き合ってくれる社労士もいます。
診断書の工夫、病歴の再構成、根拠資料の提示
こうした地道な積み上げによって、通常なら認定が難しいケースでも、受給に結びつけてきた実績のある社労士こそ、真に「依頼する価値のある存在」と言えるでしょう。
数字の奥にある「どんな人を救ってきたか」に注目を
だからこそ、社労士を選ぶときは「受給率」だけでなく、次のような視点を持ってみてください。
どんな困難なケースに取り組んできたか?
不支給後の再申請や審査請求にも対応しているか?
丁寧に話を聞いてくれて、自分の状況に真剣に向き合ってくれそうか?
表面的な数字よりも、「その社労士がどんな人たちの、どんな人生を支えてきたか」を見て判断することが、失敗しない選び方だと私は考えています。
まとめ:受給率だけで選ばず、「難関事例も受任するか」を見て
障害年金の申請は、人生を支える大きな制度です。確かに、受給率はひとつの目安になるかもしれません。
でも、「この社労士なら、自分のような難しい状況でも真剣に向き合ってくれる」と思える相手を選ぶことが、結果的には一番の“成果”につながるはずです。
執筆者情報
氏名(社労士名):野口幸哉
所属:東京・埼玉精神疾患障害年金ネット
資格:社会保険労務士
専門領域:障害年金、精神疾患に関するサポート業務
実務経験:10年以上、申請代行800件以上
プロフィールページはこちら → https://lin.ee/N7Xm2sR
監修
監修者:野口幸哉(社会保険労務士)
※本記事は専門家による内容確認(ファクトチェック)を経て公開しています。
