🎥 ショーシャンクの空に|映画
洋画を普段ほぼ観ることがなく、まったく存在すら知らなかったのですが、今回は機会があったので Amazon の Prime Video で鑑賞しました。日本では 1995 年に放映されたらしい映画です。友情と温かい希望に加えて、サスペンスチックな驚愕展開もあって、とても面白かったです。
希望を描くヒューマンドラマ|あらすじ
妻と不倫相手を殺害したとして無実の罪を着せられた優秀な元銀行員である主人公アンドリュー・デュフレーン(アンディ)が、劣悪な環境で知られるショーシャンク刑務所に投獄され、それでも持ち前の知識とスキルを活かし、刑務所の中で人間関係を築きながら生き抜いていく。
のちに友情を深める調達屋エリス・レディング(レッド)の語り口をベースに物語は展開する。腹黒い刑務所長サミュエル・ノートンと対峙しつつ、図書室の老囚人ブルックス・ヘイトレンが抱える苦悩に思いを馳せ、教育していた囚人トミー・ウィリアムズへの消失感を乗り越えて、それでも希望を胸に生き抜く姿が熱い。
アンディ:ティム・ロビンス
レッド:モーガン・フリーマン
刑務所を舞台にした人間模様|感想
日本の刑務所とはまた違う雰囲気がある大規模な作中のショーシャンク刑務所。収容された囚人たちが新人に目をつけ、イビリ倒して暴行するのは日常茶飯事。夜中も皆で一斉に煽って盛り上がれてしまうような向かい合う形式の檻房群で、タバコとかポスター、ハンマーみたいな道具まで金を渡せば調達できてしまう。健全な人間にとっては絶対入りたくない恐怖感。当然リアルに比べてデフォルメされているだろうが、悪知恵を働かせて身の振り方を上手くやれば、逆に居心地が良さそうだとすら思えてくる。
そんな環境下でアンディもターゲットにされて一旦傷つきはするものの、腐ることなく刑務所の内側にいる囚人に仲間をつくり、外側にいる看守からも信頼を得る、その立ち回りはお見事。看守の遺産問題を元銀行マンとして解決したことで一時労われ、一目置かれるようになったアンディは、新たに図書室の助手に任命される。室内の増築のために予算取りし、会計処理まで任されるようになると、もはや囚人なのか銀行員なのかわからない。その構図が逆に面白い。
更生することの難しさ
ショーシャンク刑務所で 50 年も服役していた図書係の老囚人ブルックスが刑期を終えて出所した際に突きつけられる現実。刑務所の中では仲間がいて、ある程度重要な職務を与えられていたのに、出所すれば全てがリセットされる。前科者として世間からの冷たい目で見られ、若者ほどの気力や体力もなく、もう頼れる友人や家族もいない。そうして独り寂しく人生を終わらせることになる。
現実問題、せっかく出所してもまた刑務所に戻りたいと感じてしまう服役者がいるのも、少しわかるような気がする。近年では人権に配慮してか刑務所の環境も徐々に快適になってきて、なおさらシャバの冷たい社会で生きるよりムショで楽しく生活した方がイイと考える者も少なくない。罪を償ったから出所したハズの前科者が、出所した後も罪を背負っていく。それが当然の罰だと言う人間もいるだろうが、それなら何のために長い期間も投獄したのか。単に刑期を決めて牢屋に閉じ込めるだけでは成し得ない更生の難しさを感じた。
腐敗した施設で潰える命
ショーシャンク刑務所は、刑罰を与える側にも腐敗が広がっている。刑務官はワイロと利害で動き、聖書を愛読する刑務署長は、受刑者に罪と罰を説く割にワイロを受け取っては不正に貯蓄し始める。その片棒をアンディに担がせる。アンディの妻を殺害した真犯人の情報を得ても、自分自身の不正に加担しているアンディを手放さないように、再捜査の申し出を懲罰房送りで抑え込む。また、その情報を提供したトミーをも秘密裏に殺害する。
妻子のために真面目になって勉強しようとしていたトミーに、勉強を教えるようになったアンディ。これからというときなのに、せっかく芽生えた誠意でさえ、都合が悪い人間の悪意によって潰されてしまう。それが受刑者を正すハズの側かと思うと、そのときのアンディの絶望感は察するに余りある。「頑張って生きるか、頑張って死ぬか」という言葉が重くのしかかる。
人が生きていくために必要な希望
ショーシャンク刑務所で友情を深めたレッドの心境にも変化がある。仮釈放を願う口先だけだった言葉に少しずつ実感が伴ってくる。とはいえ、ようやく仮釈放できたレッドも、自分自身の行く末がブルックスと同じ一途を辿っていることを認識する。もしかしたら、そんな予感があったから今まで自ら仮釈放拒否されるように仕向けていたのかもしれない。
ただ、レッドにはアンディと刑務所で交わした約束があった。もし出所したら、とある牧草地にある思い出の樫の大木の下に埋めた物を掘り返してほしいという。
他人に迷惑をかけず、他人を傷つけずに生きていく。もし何かの弾みや気の迷い、冤罪で道を外れたりしたら、失うものが何もないと自暴自棄になったりしたら、もう事実上やり直しが効かない。出所してから自らの罪と真摯に向き合い、反省を他人にわかるように見せなきゃいけない。
現実と折り合いを付けながら人が生きていくのは難しい。自分自身の罪としっかり向き合い、もう二度と罪を犯さないと誓いながら生きるためには、絶望に貶めるだけじゃなく、適度な希望が必要不可欠なのだろう。ラストシーンは素敵だ。
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