甥っ子の息子の話
もと夫氏の甥っ子が可愛かった。齢五歳。本当に目に入れても痛くないぐらい、というのはこのことか!というぐらい可愛かった。はじめて会ったときはまだ三歳半だったからそりゃあもう可愛いのなんの。わたしは子供を消極的な理由により産まないことにしていたので、可愛い子供といっしょにいるとあゝやっぱり子供欲しいな、なんて思ったりもして、まあいろいろとつらくなったりもしたがそれでも余りある可愛さであった。またこの子が懐いてくれる。懐いてくれるから余計に可愛い。絵本読むのもいっしょ、おやつ食べるのもいっしょ、散歩にいくのもいっしょ。お昼寝もいっしょ。「なあ、おばちゃんとコンビニいく?」「うん、いっしょにいくの」あー、可愛かったなぁ。いまはもう夫氏と別れてしまったから会えないんだけど、夫氏とはもう会えなくてもいいけど甥っ子には会いたいなと思う今日この頃です。
さてその甥っ子とわたしはよくふたりでお風呂に入ったんだけど、ある日のこと、甥っ子のティンティンが、まるでナチス式敬礼のように正面斜め上にピン!と伸びているのに気がついた。えっ? もしかしてこの子……いや、でもまだ五歳にもなってないのに、まさか裸のわたしを見て興奮しているなんていうことは……。一方甥っ子はというと固く伸びたティンティンを指で引っ張ったりしながら、己の身体に起きた変化に戸惑っている様子であった。いつもとは違い無言の甥っ子。バスルームに漂うのは湯気だけではない。無自覚のままにオスの本能に目覚めようとしている五歳児と食べごろな二十七歳の女(自称モテ女)のあいだにも緊張感が漂いはじめ次第に高まっていく。やがて甥っ子が立ち上がりひとこと。「おしっこ」
え? まさかビュって白いおしっこしたり? そして甥っ子は仰角ほぼ水平のティンティンを排水溝に向けて、放水。おーい、風呂場でおしっこすんなよなどと思いつつも、幼少期のわたしも何度か風呂場で用を足したことを思い出す。そして放水を終えた甥っ子のティンティンはなんと! いつものちっこいティンティンに戻っていた。そして甥っ子もいつもの可愛らしい五歳児に戻っていたのである。よかったよかった。ティンティンのことはよく分からないのだが、そんなものなん? 尿意で大きさ変わるの? でもあの夜風呂場で甥っ子がわたしに見せた目はまちがいなく、欲望をたぎらせた男のぎらついた眼であった。
