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【day4】感覚が研ぎ澄まされていく| 4泊5日の大雪山縦走~山と道miniを背負って~

4泊5日の大雪山縦走登山の記録を、マガジンで連載しています。

ひょんなことから、大雪山縦走計画のメンバーに参戦することになった。山で4泊もしたことがない私が、やり遂げられるのか?

前回までの記事はこちら↓



人間集まると温かい


AM4:30、 起床。 霧雨時々晴れ。

起きると、顔が突っ張る感じがした。北海道の気候はサラッとしているからか、乾燥するみたいだ。バーム持ってきてよかった。おかげでこまめに保湿ができる。

寝袋から勢いよく起きだしたら、ヒヤッと肌寒かった。
昨日はトムラウシから下山して、忠別岳避難小屋に泊まった。

そう言えば、夜中暑さに耐えきれず、ダウン上下を脱ぎ捨てて、メリノウールのスパッツ1枚と、ロンTになったんだっけ。(笑)

人間集まると温かいのはホントらしい。

夜はめちゃくちゃ暑かった。

だけど昨日の晩、小屋の窓がガタガタ鳴っていたから、多分外は風が強くて寒かったのだろう。こんな秘境で、泊まれる小屋があるのは有難いなぁと、つくづく思う。
ちなみに、他のみんなは寒くて4枚以上着ていたそうだ。あれ?笑


メンバーの一人のCさんが、昨日の内に天気をチェックしてくれていた。この避難小屋があるエリアは、電波が入らないのだ。山の中は基本的に圏外なため、電波が入るところでの、天気予報のチェックが欠かせない。

昨日確認したところでは、今日は天候が不安定な予報。外ではすでに霧雨が降っている。なので天気が落ち着く頃に出発することにした。

朝ご飯とコーヒーを楽しみ、テントの時よりも、ゆったりとした時間を過ごした。

虹色


AM6:50、 出発。本日のルートはこちら。2日目のルートを逆走する構図だ。

忠別岳避難小屋6:54~忠別岳~忠別沼~白雲岳避難小屋13:39(小屋泊)


AM8:20、 忠別山頂に着いた。
太陽は出ているものの、霧雨で、風速10mくらいある。
「風速10m」って、実際に体感してみないとわかりにくいが、結構勢いがある。YouTubeで「風速10m」と検索すると、動画が出てくるらしい。(今は何でもYouTubeで動画が出てくるのね…!)

そして忠別岳を越えて、忠別沼に着くと、虹があちこちに出ていた。

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これも、大雪山の神様たちからのご褒美だろうか。
まるで「こんなのも見えるんだよ」と、教えてくれているみたい。
何も視界に邪魔するものがなく、キレイに見えることって、下界ではあまりないから…。美しかった。

そして気づけば2日前よりも、登山道の色鮮やかさが増している。随分紅葉が進んでいた。

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心が無になれるような美しい景色に、何度も足が止まり、シャッターを切った。写真には納まりきらない。私の腕では表現できない、大雪の自然が創り出す壮大さ、懐の深さ。

メンバーの誰もが、この景色の中を通り過ぎて行くことを、惜しんでいるかのようだった。


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PM1:30、 白雲岳避難小屋に着いた。「あ~、帰ってきた」と思えるような安心感がある。

今日はテントではなく、小屋に泊まることにした。「なんか、久しぶりにお金使うわ」と、メンバーと言い合って笑った。

同じ道と、違う景色


2日目と同じ道を歩いていたけれど、
行きの道中では見ていなかった景色があり、
2日前より紅葉が進んでいることにも気づいた。

そこに幾つものPeakを登頂した達成感も混じり合い、

全く違う景色の中を歩いているみたいだった。


”もう折り返しに来ているんだ。”

”クライマックスに向かっているんだ。”


1歩1歩を噛み締めるように、今という時間を味わいながら歩いた。

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今までは、登山計画していて
同じ道を歩くのはなんだか勿体ない気がする、
と思うこともあった。

いろんな道を歩くほうが、「お得」なような気がしていた。

けれど、今回ヒサゴ沼で折り返して
白雲岳避難小屋に戻ってくるルートにしてみて、

2日前とは見る方向が違うし

気持ちも違う。

景色の色合いも少しずつ変化している。

同じ道だとしても、気づく視点が

見方や心境で全然違うのだなぁと思った。

そう思うと同じ道を歩くのも
悪くないなぁっと思えた。

4日間歩いて感じたこと~身の回り編~

<水>


4日目になるともう水汲みも慣れたものだ。この大雪山の縦走では、水道は無いため自分で水を確保している。川の水をそのまま飲むことは厳禁。北海道の山水は、エキノコックスが繁殖している可能性があるからだ。
煮沸や浄水が、必ず必要になる。

今シーズンは雪渓が豊富で、毎回泊まる場所で水の確保ができた。
身軽に行動するに当たって、運ぶ水の量を減らせることは大きかった。

<食事>


5日分の食料計画はバッチリで、あと2日分(5日目のご飯と予備)残っている。これも実際に歩く経験を重ねて、フィールドで普段どれくらいの量を食べているのか、感覚をつかんでおくことが、食事量を考えるヒントになるだろうと思う。

<パッキング>


また、歩きながらパッキングについても再考が必要になった。
肩が辛くなるので、ザックは腰ベルトで留めて、肩を浮かせる工夫をしたり、スタッフサックには、食料のみにしたりした。

経験してみないとわからないことがたくさんあるし、
食事や水など、少し前の生活とはガラッと変わっているのに
それが日常になり、ちゃんと適応していくのだ。

4日間歩いて感じたこと~mind編~


アルプスなどの小屋では、ご飯が出るし布団があるし
贅沢な世界だったのだなぁと思う。
例えテントで泊まっていたとしても、有人の山小屋がたくさんあって
助けを呼ぶこと、頼ることは可能だ。

安心して歩けるように、山小屋は存在しているのだ。

どんなフィールドであっても
自分で身の回りの世話はすることは必要なのだけれど、
整えられた環境下で
山を歩くことに集中できる環境が整えられていたのだと気づく。

本当にありがたいなぁと思う。

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もう一つ感じたことは、

山の中でしばらく過ごすと、下界で起きた出来事が、本当にどうでもよくなったことだった。

仕事とか、
申し込んだ講座とか、
今動いてるプロジェクトとか、

言い方が悪いかもしれないけれど
全てが遠くの出来事で、どうでもよく感じる。

もちろん、「大事にしたい」と改めて思い直したことや時間もあった。

でも

大切なものや重要度、優先順位は、
環境により大きく変わるのだと実感した。

深く呼吸をすること。
体の痛みなどの声に敏感になること。
ネット以外の時間を大切にすること。
今一緒にいる人との会話、空気感を楽しむこと。

例えば、
しんどいよね、
きれいだよね
これいる?etc.
感情やモノを交流させること。

パーティ(登山グループのこと)で補い合うこと。
わいわい楽しみながら歩くこと。
それぞれが想の想いにふけること。

こうした支え合いながらの登山は楽しい。

一緒にいく人のことを知りたいとか
その言葉や行動の背景を知ろうとか
何を感じているのだろうと興味がわく。

いつも見過ごしていたところに思考や感覚が働く。

このような感覚が、研ぎ澄まされていくのだ。

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この山旅の日程の中で、
すぐ返さないといけないLINEとか2件くらい。ほとんどなかった。

スマホに意識をとらわれがちだけれど、
数日という時間の流れで見ると、後で確認すればいいものばかりだった。

そういった考えが生まれたとき、
私は何に追い立てられていたのだろう?と思った。

追い立てられるように「やらなければならないこと」を詰め込み、
必要な物も、そうでないものも、たくさん蓄えていた。

普段の生活は、
目移りするものが多すぎる。

全く違う生活環境に変わること、
大きな時間の流れから物事を見ることで

今必要なものとそうでないもの
これからの成長に必要なものとそうでないもの…

それらが加えられて、また削られて

洗練されていくのだと思う。

そして、
必要なものは、驚くほど”光って”見えた。


day5へ続く





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侑子 ︴わたしの山と旅時間✎𓂃 いつも楽しく読んでくださり、ありがとうございます! 書籍の購入や山道具の新調に使わせていただきます。

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