時時雑記(「ちょっと待って」のこと)
先日、とある医院での光景が、なぜか心に残りました。
かかりつけ医ではありませんが、たまにお世話になる医院です。
お会計を待っていると、先に待っていた高齢の男性が呼ばれました。
財布を開きながら受付へ向かったのは、奥様と思われる女性でした。
その少し後ろを、男性がゆっくりついていきます。
説明を聞くのも女性。
お会計を済ませるのも女性。
そして、お釣りを財布にしまい、
診察券をチャック付きのカードケースへ戻す。
誰もがするであろう、ごく普通の一連の動作です。
その間、男性は受付の方に
「どうもありがとう」と片手を少し上げながら声をかけました。
そして次の瞬間、
「いつまでぐずぐずしているんだ」
と、奥様に向かって言いました。
男性は、スマートに医院を後にしたかったのかもしれません。
ここでの用事は済んだから、さっさと帰りたいと思ったのかもしれません。
でも、奥様にとっては、お釣りをきちんとしまうことも、
診察券を元の場所に戻すことも、必要なことだったはずです。
あとで「あれ、診察券どこだったかな」と探すのは、
おそらく奥様自身です。
その場面を見て、なぜか自分の日常を思い出しました。
夫は外食に行くとき、ほぼ手ぶらです。
外食、主に外飲みですが、その場合の持ち物といえば財布、スマホ、家の鍵、タオルハンカチやティッシュなど。それほど多くはありません。
それらは私が小ぶりなバッグに入れて、持ってでかけます。
持たせればいいじゃない、と思われるかもしれません。
でも、持つと忘れてくるのです。
財布、スマホ(昔は携帯電話)を、カウンターの下などに置いたまま。
過去にはいろいろありました。
買ったばっかりのCD、なんてのもあったなあ。
お店に忘れ物がないかと問い合わせて、預かってもらって。
そして受け取りに行くときは、なぜか私も付き合わされます。
話がそれましたが、
そういう経験を踏まえての“ほぼ手ぶら”です。
そんな夫ですが、私がまだ財布にお釣りをしまっている最中なのに
「ごちそうさま」と店の外に出ようとすることがあります。
ちょっと待ってよ、と思いますし、「待って」と言います。
私はお札はお札、カードなら定位置に、その場でしまいたいのです。
そうしないとあとで焦ったり困ったりするのは自分なので。
そんなこんなで、
医院で見た奥様の姿に、自分を重ねたのかもしれません。
誰かがやっている小さいことの積み重ねで、
物事が滞りなく進んでいると感じることがあります。
自分の用事は終わったと思っている人には、まだ終わっていない人がしている細かな作業が見えにくいことがあるのかもしれません。でも、その数十秒の間にしていることは、決して無駄なことではないはずです。
我が家も、まあ、お互いの足りないところを補い合ってるんでしょう、というのがきれいな着地点かもですが、現実はなかなかそうも割り切れません。
できる範囲で、できることを引き受け合う、というか。
とはいえ、それさえも続くと、いつの間にか「これはやってくれて当たり前」と思ってしまうことがあるのかもしれません。私もそこは気をつけなくてはいけないんでしょうね。
こういうのって誰かに言われて考え方を変えることでもないので、
まずは私自身が、自分がやってもらっている小さな仕事にも気づける人でいたいな、と思いました。
いいなと思ったら応援しよう!
サポートうれしいです