【70代夫婦の貯蓄額】健康寿命とのギャップ「不健康な期間」と老後資金の現実
《健康寿命と平均寿命》のギャップ「男性は約8.5年、女性は約11.7年」
「男性は約8.5年、女性は約11.7年」という数字は、「平均寿命」と「健康寿命」のギャップ、すなわち、日常生活に制限のある「不健康な期間」 を表すものです。
平均寿命: その年に生まれた0歳の子どもが、平均であと何年生きられるかを示したものです。
健康寿命: 健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。
つまり、男性は平均して8.5年間、女性は平均して11.7年間、何らかの健康上の問題(病気や介護が必要な状態など)を抱えながら生活する可能性がある、ということです。
女性の方が平均寿命が長い傾向にありますが、同時に不健康な期間も男性より長いというデータが示されています。このギャップを縮めることが、今後の高齢化社会における重要な課題とされています。
貯蓄額と健康寿命、年金、この数字から想定されるリスクと対策を教えて
70歳代のご夫婦にとって、貯蓄額、健康寿命、年金は老後の生活を大きく左右する重要な要素です。特に、**「健康寿命と平均寿命のギャップ(男性約8.5年、女性約11.7年)」**は、この「不健康な期間」に発生する様々なリスクと、それに対する対策を考える上で非常に重要な視点となります。
想定されるリスク
この数字と貯蓄、年金の状況から想定される主なリスクは以下の通りです。
医療費・介護費の増大による貯蓄の枯渇リスク
健康寿命が尽きてからの約8.5年(男性)~11.7年(女性)は、医療や介護が必要となる可能性が高い期間です。公的医療保険や介護保険である程度の費用はカバーされますが、自己負担分や、保険適用外のサービス(差額ベッド代、リハビリ、高度な医療、自由診療、施設入居費用、個別の介護サービスなど)が発生すると、貯蓄が急速に減少する可能性があります。
特に、夫婦どちらか一方、あるいは両方が重度の介護状態になった場合、自宅での介護が難しく施設入居となると、その費用は年金だけでは到底賄いきれないケースが多く、貯蓄に大きく依存することになります。
年金だけでは生活費が不足するリスク
多くの夫婦世帯において、年金収入だけでゆとりのある生活を送ることは難しいのが現状です。不健康な期間に入ると、医療費や介護費が増えるだけでなく、外出機会が減り、レジャー費が減る一方で、自宅での過ごし方や食事の面で新たな費用が発生することもあります。
健康なうちはパートなどで収入を得ることも可能ですが、不健康な期間に入ると働くことが難しくなり、年金以外の収入源が途絶えるリスクが高まります。
看取り後の生活費の見通しが狂うリスク(配偶者の死亡)
夫婦の一方が亡くなると、残された配偶者の年金受給額が減る可能性があります(遺族年金はありますが、夫婦2人分の年金よりは少なくなるケースが多い)。
また、生活費も単身世帯となることで削減できる部分もありますが、住居費や光熱費などの固定費は大きく変わらないため、実質的な負担感が増すことがあります。健康寿命とのギャップ期間に配偶者を亡くした場合、残された方が不健康な状態で、経済的にも孤立するリスクがあります。
「健康であればできること」ができなくなる後悔のリスク
十分な貯蓄があったとしても、健康寿命を過ぎると、旅行や趣味など、体力が必要な活動ができなくなる可能性があります。「もっと元気なうちにやっておけばよかった」という後悔につながるリスクです。これは金銭的なリスクではありませんが、老後の満足度を大きく下げる要因となります。
インフレによる購買力低下のリスク
貯蓄があっても、物価上昇が続けば、将来的に同じ金額で買えるものが減り、実質的な購買力が低下するリスクがあります。特に、健康寿命が尽きてからの長い期間、物価上昇が続くと、生活が苦しくなる可能性があります。
想定される対策
これらのリスクに対して、以下のような対策が考えられます。
健康寿命の延伸に最大限取り組む:
生活習慣の改善: バランスの取れた食事、適度な運動(ウォーキング、軽い筋トレなど)、十分な睡眠、禁煙、節度ある飲酒を心がける。
定期的な健康診断と早期治療: 異常が見つかれば早期に対処し、重症化を防ぐ。
社会参加と交流: 地域活動や趣味のサークルに参加し、社会とのつながりを維持する。孤独は心身の健康に悪影響を与えます。
適度な知的活動: 脳の活性化を図るため、読書、学習、趣味などを続ける。
老後資金の確保と適切な運用:
支出の見直しと節約: 年金生活に入ると、現役時代と同じような生活水準を維持することは難しい場合が多いです。固定費(通信費、保険料など)から見直し、無駄をなくす。
資産寿命を延ばすための運用: 70歳代からでも、リスクを抑えつつ、インカムゲイン(配当金、分配金など)を狙える商品(債券、高配当株、投資信託など)への投資を検討する。ただし、この年齢での積極的なリスク投資は避けるべきです。専門家と相談しながら、安定性を重視した運用を心がけましょう。
リバースモーゲージやリースバックの検討: 持ち家がある場合、老後の資金確保の一つの選択肢として検討できます。
生活防衛資金の確保: 突発的な出費に備えて、当面の生活費や医療費・介護費の一部をすぐに引き出せる形で確保しておく。
公的制度の活用と民間保険の検討:
年金の繰り下げ受給: 65歳以降も働くなどして収入がある場合は、年金の受給開始を遅らせることで、将来受け取る年金額を増やすことができます(最大75歳まで繰り下げ可能で、年84%増額)。
高額療養費制度、高額介護サービス費制度の活用: 医療費や介護費が高額になった場合、自己負担に上限を設ける公的制度を理解し、活用する。
医療保険・介護保険の検討: 公的制度ではカバーしきれない部分に備えて、民間の医療保険や介護保険への加入を検討する。ただし、年齢が上がると保険料が高くなるため、費用対効果を慎重に判断する必要があります。すでに加入している場合は、保障内容の見直しを。
年金生活者支援給付金の確認: 所得が一定基準以下の場合は、給付金を受け取れる可能性があります。
働き方の見直し:
健康なうちは、無理のない範囲で働き続けることを検討する。年金収入を補完するだけでなく、社会とのつながりや生きがいにもなります。シルバー人材センターや地域の再雇用制度などを活用できます。
家族との連携と情報共有:
老後の生活設計や資産状況について、子どもなどの家族と定期的に話し合い、情報を共有する。万が一の時に、家族が対応できるよう準備しておく。
まとめ
これらのリスクと対策は、個々の貯蓄額、健康状態、家族構成、年金受給額などによって大きく異なります。ご自身の状況に合わせて、具体的な計画を立て、必要であればファイナンシャルプランナーなどの専門家にも相談することをお勧めします。
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