見出し画像

介護タクシーへの道のり

noteでこんな募集があったので。

昨年ハローワークの給付金を利用して普通第二種免許を取得した。途中で投げ出したくなりながらもなんとか取得。四苦八苦の様子はこちら

なぜ取得したかといえば「介護タクシー」をやりたいから。なぜそこに行きついたのか?私のキャリアの分岐点。

昨年の4月いっぱいで25年間勤務した前職を退職。前職はアパレル系商社で、主に中国との取引をしていた。
納期に追われ、売上に一喜一憂し、得意先に責められる日々。でも、海外や国内出張、憧れのブランドとの仕事、やりがいのある楽しい仕事もたくさんさせてもらった。
「燃え尽き症候群」かな?担当が私だけだったこともあり(これがプレッシャーだった)揉めたけど、押し切って退職。

離職票を提出して2ヶ月待機の後、失業保険をもらう為に月2回の求職活動を報告する。
前職の取引先から仕事の紹介を受けたりしたけれど、心のどこかに今までと違う仕事、人の役に立つ仕事がしたいという気持ちがあった。

ハローワークでセミナーやジョブコンサルというのに参加することも求職活動の一つとなっていたので参加。
自分の今までのキャリアや、性格、やりたいことを「ジョブカード」というリストに書き出す作業があった。
これを元に、コンサルタントが客観的にアドバイスしてくれるのだ。

コンサル「違う仕事ねー、運転が好きならタクシーはどう?」

私「ガツガツ稼ぎたい訳じゃないし、タクシーは夜間業務が難しいのと、酔っ払い客の扱いに自信がないから無理かも」

コンサル「だったら、介護の経験もあるし介護タクシーは?」

私「あ、母親の病院移動の際に使ったことがあります。」

コンサル「タクシー運転手も不足してるけど、介護タクシーはこれからもっと需要が伸びると思うよ。介護経験(母親の介護)もあるし、人の役に立ちたいなら尚更。運転が好きならやってみたら?二種免許取得は給付金も出るし。私も早期退職で違う職種に転職したから、違うことがやりたい気持ちはわかるよ。二種免許の他に介護初任者研修も受けなきゃだけどね」という流れで…

介護初任者研修

テキストは1が座学用、2が実技用で分厚いのが各一冊

130時間の研修と、最後に修了試験を受けて合格したら取得できる民間資格。
選んだのは週3日、15日間の研修と3回のレポート(通信講座)提出で約一ヶ月半程で修了となるコース。働きながら通う方向けに週1回、土、日のコースもあった。
前半は座学で、後半から実技が始まる。

座学は主に介護の歴史や背景、認知症などの高齢者特有の疾患を学び、実技は介護ベッドの扱い方、シーツの敷き方、更に利用者が寝たままでシーツ交換、着替えをする方法、利用者の移動、入浴介助、排泄介助など多岐に渡る。
高齢者だけでなく、障がい者への介助の講義もありましたが、9割は高齢者向け。
障がい者向けの実技は視覚障がい者の誘導の仕方だけ。
実際、介護タクシーで必要なのは主に「利用者の移動」で、車椅子の扱い方、ベッドから車椅子への移乗(逆も)と視覚障害の方の誘導(但し、外での誘導は医療従事者しか出来ず、介護士は室内のみ)くらいでしょうか?
あとは、介護者にとって非常に重要な「ボディメカニクス」これは移乗や色々な場面で役立つ。重心を低く、支持基底面積を広くする。詳しくはこちら。

他の項目はいつか役に立つ時が来るだろうとなんとかこなした。

受講は15人1クラスで行う。
介護タクシーを始めようとしてるのは私だけで、他には主婦で子育てが一段落されて、介護職を始めようとする方が最も多く、知的障がい者の支援施設に内定している大学生、実家がグループホーム経営の大学生、他に高校生も2名など年齢はさまざま。外国の方(帰化済)で、お子さんが知的障がいでグループホームを立ち上げた方が1名。
私達と同じ、漢字だらけの日本語のテキストを使用していて感心しました。男性5人、女性10人。

座学でも実技でも利用者様(講師の方々は必ず”様”を付ける)の「尊厳」と言う言葉が嫌と言うほど出てくる。確かに守られなければならないものだけど、回を重ねる毎に

介護する側の尊厳は?

と言う疑問が湧いてきて仕方なかった。

排泄介助では、ズボンとパンツは2回に分けて別々に下ろすと習う。一緒に下ろした方が一回で済むし効率がいいのにと思ったけど、これも利用者(様)の尊厳を守る観点かららしい。
他人のオムツや排泄物を処理する介護者の尊厳はないの?お金をもらっているから?

また、食事介助では利用者(様)に首からエプロンをかけるのだけど、食べこぼしで洋服や布団が汚れない様にエプロンの裾をトレーの下に挟む行為は虐待になるそうだ。
もし服を汚したら、介護者は着替えをさせて洗濯してと手間は倍以上。汚れた服を着替えさせなければ「尊厳」にかかわる。

雪が降った日の授業で、講師が経験談を話した。
雪が降って訪問介護に行くのに自転車に乗れず、歩いて1時間半かけてびしょ濡れで排泄介助に行くも、利用者(様)は拒否がちな方で、案の定拒否。滞在時間は15分で「後でまた来ますねー」とまた1時間半かけて歩いて事務所に戻り、3時間後にまた歩いて1時間半かけて再訪し、排泄介助をしたという。尊厳を守る為、無理強いはできないと…。

実際、現場では多少違うのだろうが、介護職はこんなに利用者(様)に気を遣って、命を預かり、体力も精神も使う大変な仕事だ。そして、決して高くない報酬。
でも、講師の方々はこの仕事が好きだと言う。
中には義父母の介護をして看取り、離婚して介護職に就いた講師の方もいた。みなさん強い女性(講師は8人中、男性は1人だけ)という印象で、尊敬しかない。

さて、最終日に迎えた実技のテスト。忘れてる項目は講師からヒントをもらいまくり、なんとかギリギリで合格。笑
筆記テストは事前に復習授業があり、運転免許試験のような引っ掛け問題もないし、50問中、35問正解すれば合格なんで、なんなく合格。

介護タクシーには関係ないよな…。ってことまでやりましたが、将来何かが役に立つかな?
今年は団塊世代が一斉に後期高齢者になるそうです。(座学で習った)

さて介護タクシーを始めて約4ヶ月、ニットの仕事もある為、基本的に週4日稼働。毎回緊張しながら搬送しています。
先の赤信号を意識しながらエンジンブレーキを使い、優しいブレーキを心掛ける、道路の凸凹を出来るだけ避ける、病院の駐車場の把握など、特にリフト付きの大きな重たい車の運転が一番の難関でした。
車椅子の扱いはかなり慣れましたが、ストレッチャーの扱いはまだぎこちない。

通院送迎では院内介助(付き添い)をすることも。
待ち時間では利用者さんと話をします。
三途の川を見た話(赤いんだって!)渋谷の土地を3億で売った話(本当かどうかは謎)、女優になりたかったが、昭和36年にカネボウの美容部員に80倍の難関を突破してなった話(美人さんだったからホントだと思う)等、毎回人生の先輩達のエピソードトークが楽しい。

移送中の車内で話を聞くこともある

酸素ボンベを扱うにあたり「患者搬送基礎講習」を麹町の消防署にて受講。

まだまだ不慣れですが「ありがとう!助かりましたー」と言われたくて頑張っています。
今日は午後から院内介助だ。さて、どんな話が聞けるかな?

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集