第10話 二日酔いの朝、それでも走り出す──メトロとゴスロリの天使|選ばなかった私、なれなかったワタシ【第三部 パーティーガールズ──仮面】
📚 これまでのおはなし
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眠れない──このままでは、悪夢を見るどころか、そのまま朝が来てしまう。
ゾピクロンは、トリアゾラムみたいに増量できない。
シートに並んでる10mg錠ひとつ──それが一日最大用量だ。
家に帰ってきてからずっと、よくわからないお香を炊いている。ずいぶん前に、誰かにもらったインドかなにかのやつだ。よくわからない香りがする。
でも、気が紛れる。
アルコールが過剰摂取気味なのも、同じ理由だ。
その上、煙草でも吸えばいいのだろうか。
アルコール、ニコチン、それでも“アレ”には届かないだろう。
ジャンキーのシュリのことを思い出す。
あの子は、アレが切れる度、うさみんにあからさまにねだってみせる。
じゃあ私も、うさみんに電話して歌舞伎町かどこかに追っかけていく?
それをしてしまったら、今度こそおしまいなんだろう──多分。
家の中は、探し物で旅行前のような乱雑さになっている。
スパッツはどこにある? スポブラは?
半年──多分、もっとだ。ジムに行ってなかったのは。
グローブやシューズ、レガースはジムのロッカーに入れっぱなしだ。まだ置いていてくれるだろうか。
せめて、ちょっと走っておこうと思ったら、ランニングシューズのソールが剥がれて、いつの間にかダメになっていた。
そこで気持ちが折れて、コンビニに酒を買いに行ってしまった。
フォアロゼが無かったから、ジャックダニエルだ。
ソーダはすぐになくなった。
ハイボールで飲んでいたのが、ロックになる。水道水で割る気はしない。
今度こそ、ブリタを買ってこよう──そう思い続けて、一年以上経った。
氷もじきになくなった。
デュラレックスのゴブレットに、バーボンをストレートで注ぐ。
こんなのは、悪い酒だ。悪い飲み方だ。(つゞく)
ジムへ向かう地下鉄の窓に、私が映っていた
──じゃあ、私は何系女子なんだろう
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