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AI×創作RTAその6 キャラボイス問題をカセットテープ法とVoxCPM2で解決する【Qwen3-TTS, VoxCPM2, ComfyUI】

こんにちは!こちらはAI×創作RTAの6回目の記事です。ゲームを作っているときに直面する、キャラボイスどうするの問題を最近のTTS技術ででっちあげて解決した話をします!

前回の記事はこちら!前回はGodotのエディターを1度も開かずに、Codex CLIだけでパズルゲームを対戦型に仕上げる様子をご紹介しました。

それでは、今回もお楽しみください!


権利的にクリーンなボイスでTTSしたい!

ゲームの華!その一つがキャラのボイス!ただしこのボイス素材の用意には沢山の問題があります。

  • ネットで活躍される声優さんに頼むと、演技指導やリテイクをお願いするのが忍びない。そもそもAI作品OKな方なんてこの世にいるのか……?

  • 自前で用意しようにも、自分の声を変えるのに限度がある。ハードウェアやソフトウェアのボイスチェンジャーを使ってピッチとフォルマントを機械的に変更した声が、キャラの雰囲気に合わない場合がある

  • 家族や友人にお願いするにしても、録音のための時間拘束や(本人にとって)抵抗のあるセリフを読んでもらうのが申し訳ない

  • AIボイスチェンジャーも権利関係や商用利用に気を付けて使う必要がある(以前海外のサブスク制のAIボイスチェンジャーの声が気に入ってゲームのキャラボイスに使いたい旨開発元に連絡したところ、別料金の案内をされそうになったことがある。それはそう)

昨今のAIとボイス周りの情勢を踏まえると、キャラボイスは自分が権利を持っているものか、許諾を得たものが望ましいです。
ゲーム制作者の自分はただのボイスチェンジャーオタクの女性。しかしゲームのキャラクターは男性2人。この状況でどうやって2キャラ分の声を用意したのか、過程を記します。

家族の協力を得る

まずこの件について家族に相談しました。家族は恋声やVT-4といったボイスチェンジャーの適格者で、ギャルっぽい声が出せます。普段、ボイスチェンジャーを使った女声で配信しています。普段配信では使わない地声を、ゲーム向けに提供してもらえるよう交渉しOKをもらいました。
ただし、普通に喋った声だと身バレや第三者からの悪用の可能性もあるため、キャラに合った演技で一言録音させてもらい、若干DAWで加工した上でText-to-Speech系のツールに参照させています。

カセットテープのように違う人の声をつなげて録音する

これで1人分の声は用意できました。問題は2人目の声です。
創作したキャラクターは下記の通り、性格も発声も異なります。

  • 落ち着いた、ボソボソ喋りの陰キャ

  • 元気いっぱいで、「ニャン!」という語尾も恥ずかしがることなく言えるキャラ

2人目の声は、最初筆者が地声で仮当てしていました。しかし元気いっぱいでも女声が絶望的にキャラに合わない。おまけにニャン語尾で録るのが恥ずかしい!というわけで方針を変えました。

それが、昔RVC界隈で一部の人が行っていたとされる「カセットテープ法」をTTSのボイスクローンで実践することでした。

Qwen3-TTSで声を混ぜる

カセットテープ法(やっていた人がそう命名していた)は、学習データに複数人の話し声の音声データを好きな割合で用意することで、複数名の声の特徴が混ざった「現実に存在しない声」を学習することが出来るというRVCの裏ワザめいた手法です。

これを筆者はまず、Qwen3-TTSのボイスクローンに応用出来ないかと考えました。Qwen3-TTSのボイスクローンに使用する音声データは、30秒以内の1ファイルです。そこで、家族に読み上げてもらった音声データに、精一杯元気に喋った筆者の音声データをつなぎ合わせました。

するとどうなったか。普通の男声に筆者のなけなしの元気さが、いい塩梅で反映された、「存在しないイケボ」が爆誕しました。
ただ、この手法で一発で作れたわけではありません。数回は家族もしくは筆者、どちらかの声に100%寄ってしまい少々声ガチャになりましたが、「これだ!」という割合で混ざった声を再度ボイスクローン機能に読み込ませることで、安定したキャラクターの声を作ることが出来ました。

VoxCPM2で演技指導しつつボイスを作る

VoxCPM2というTTSツールがあります。機能がてんこ盛りのため一部だけお伝えすると、ボイスクローンでもプロンプトで演技指導ができるTTSです。

ComfyUIだとこちらからの導入が簡単です。

ComfyUI-VoxCPM2の作者が配布しているワークフローでポイントを解説します。

  • Voice Design / TTSは今回使わなかったので、ノードのグループをまとめてバイパスして使わないようにする

  • 「音声を読み込む」で使える音声ファイルはwav, ogg, flac,mp3など、音声ファイルなら何でも可

  • 「VoiceCPM2 Voice Clone」ノードの、seedは42、生成後の制御はfixedにした方が元の音声と乖離が起きにくい

  • 「VoiceCPM2 Voice Clone」ノードの、textで読ませたい台本を入力して、必要であればvoice descriptionで英語のプロンプトで演技指導する。筆者の場合「slightly」や「cheerful」を使うことが多かったです

出来たボイスの一部がこちらです。

おわりに――最近のTTS技術のおかげで命拾いした

TTSにもAIの波が来ていたおかげで、人に多大な迷惑をかけることなく、にぎやかなボイスの入ったゲームが作れそうです。
遊びながらボイスの嵐を聞けるこの対戦パズルゲームは、生成AIなんでも展示会Vol.05で展示します。ぜひ試遊しに来てください!
来場は事前登録制なので、チケットの取得をお忘れなく!

次回予告

お次は今度こそゲーム用のグラフィックの作り方!どのように用意しているか、さりげなく作ったアニメーションはどうやっているのか?こちらもTIPSをいくつかご紹介できればと思います!
……と思っていましたが、グラフィックが大迷走し始めたので、最新のChatGPTの画像生成機能に助けてもらう話を書きました!

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