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「属人化」「 勘だより」「分析の壁」を乗り越える。AIによるカスタマーサクセス業務改善レポート

本記事は、#IVRy_AIブログリレー の9月25日(15日目)の記事です。昨日は、アナリティクスエンジニアのwadaさんが「AI でデータ分析!Databricks Genie の活用事例」という記事を公開しました。ブログリレーの記事一覧は「IVRy AIブログリレー全記事まとめ」をぜひご覧ください。

こんにちは。IVRyで主に中小企業向けのカスタマーサクセスのプロジェクトを担当しているyunibaです。

この記事では、IVRyの中小企業向けカスタマーサクセスチームがAIを活用し、業務改善に取り組んでいる事例をご紹介します。 ホリゾンタルSaaSやSMB/MID規模向けのセールス・カスタマーサクセス業務を担当されている皆様は、きっと多くの共通する課題に直面されていることと思います。私たちの試行錯誤の過程が、少しでも皆様の業務のヒントになれば嬉しく思います。


「属人化」した知見を、チームの共有財産へ

アイブリーのサービスは、日本標準産業分類の中分類99業界のうち96業界で導入いただいております。お客様により良い提案をするには、その業界に特有の課題や注意点を深く理解する必要がありますが、正直なところ、すべての業界に精通するのは至難の業です。

そのため、提案の質が担当者の経験や知識に左右されたり、社歴の長い社員でさえ商談準備に多くの時間を要したりする課題がありました。

この課題を解決するために、私たちは「NotebookLM」を活用しています。過去の商談録画、架電ログ、Salesforce上の情報、プロダクトデータを情報源として連携させ、今まで自分が担当したことのない業界のお客様に対しても、その業界特有のユースケースや課題、アイブリーを活用いただいている他社の成功事例を瞬時に把握できる環境構築を目指しています。

実際のNotebookLMのキャプチャ

この取り組みにより、これまで経験のなかった業界のお客様との商談であっても、短時間で深く、多角的な仮説を持って臨めるようになりました。お客様がすでに感じている顕在的な課題だけでなく、「他のお客様ですと、こういった課題をお持ちですが御社ではいかがですか?」と、同業界の他社事例を元に潜在的な課題へもアプローチできるようになり、IVRyの価値を一層感じていただけるようなヒアリングや設定のサポートが可能となっています。

エンタープライズ領域ではgemを活用した商談準備の効率化を推進しております。ぜひ下記のnoteもお読みください。

「勘だより」の顧客対応を、データに基づくアクションへ

IVRyの中小企業向けカスタマーサクセス担当は、1人あたりの同時担当案件が100を超えることも多く、利用開始後のお客様へのフォローをどこまで行うかについては担当者の「肌感覚」に依存し、対応にばらつきが発生していました。その結果として、サポートが行き届かないお客様も生まれ、あと少しの介入で防げたはずの解約が毎月一定数発生するという課題がありました。

そこで、今期からGeminiを用いた簡易ヘルススコアの運用を開始し、スコアリングに応じてお客様へのアクションを標準化しています。

具体的には、利用開始から約2週間後に行うお客様との振り返り面談やお電話の文字起こしデータをGeminiに読み込ませ、お客様の導入当初の期待に対する達成度を客観的にスコアリングし、スコアに応じて後続のアクションを定義しています。スコアリングには、お客様の反応や発言を元に判定するプロンプトを用いています。

スコアリング定義と後続アクション

運用開始から約3ヶ月ですが、すでに大きく2つの手応えを感じています。

  1. プロアクティブな活動による短期解約率の改善 :
    利用開始後のお客様に対して「誰に・どのアクションをすべきか」が明確になり、ご満足いただけていないお客様へのフォローのヌケモレがなくせるようになりました。この仕組みにより、チームのKPIである短期解約率も徐々に改善しつつあります。

  2. オンボーディングプロセスの改善 :
    スコアリングを続けることで、これまで担当者個人の感覚値で「やったほうがよさそう」とされていた施策(例:「業務負荷軽減策として折り返し時に、電話SMSも活用いただく」など)の効果が、期待達成度の数値として可視化され、オンボーディングプロセス全体の改善に役立っています。

また、セールスチームでは受注確度(ヨミ)の判断にもこのようにGeminiを活用したスコアを活用しており、これまで担当者の主観に頼りがちだった指標の全般において活用の可能性があると感じています。

「分析の壁」を壊し、高速な仮説検証を現場の手に

多くの中小企業様向けカスタマーサクセスチームでは、お客様の数が非常に多いため、ハイタッチと並行して、テックタッチによる施策も極めて重要です。

テックタッチ施策では、お客様の本人確認完了率や着電数、各機能の利用率といった、細かなデータ分析が欠かせません。しかし、プロダクトとCRMのデータを組み合わせた分析は複雑で、データチームによる専門知識が不可欠なため、チーム内で業務が完結できず、施策のスピードが落ちてしまう状態にありました。

このボトルネックを解消すべく、データ分析基盤「Databricks」の「Genie」の機能の活用を進めています。(社内のGenie運用については、下記のMiyakeさんの記事も参照いただけるとよりイメージが湧くかと思います。)


GenieではSQLを書けなくとも自然言語(日本語)で欲しいデータをリクエストできるため、専門知識がないメンバーでも、直感的な操作でデータの抽出からダッシュボード作成まで行えるようになっています。

Genieでテキストベースでデータ抽出を依頼
数秒でデータの抽出が完了


この取り組みにより、チームには以下のようなポジティブな変化が起きています。

  1. 仮説検証のスピードと精度が飛躍的に向上
    これまでは、施策の企画中に「このデータも見てみたい」と思っても、再依頼の手間や時間から諦めてしまうことがありました。今では、必要なデータを自分たちで即座に確認できるため、仮説の精度が上がり、施策の推進スピードは飛躍的に向上しています。

  2. チームにデータドリブンな文化が醸成
    メンバー誰もが気軽にデータに触れられるようになったことで、チーム全体の事業数値に対する意識が大きく変わりました。以前は一部のリーダーから発信されることが主だった数値に関する議論が、今では「〇〇の数値が今月は少し低いようですが、何か要因は考えられますか?」といったかたちで、メンバーからも自発的に生まれるようになってきています。

最後に

ここまで、中小企業向けのカスタマーサクセスチームが現在取り組んでいるAIの活用法をご紹介しました。お客様へより大きな価値をお届けするため、見直せる点はまだまだあるはずですので、AIとの協働による提供価値の最大化を常に模索し続けていきたいと思います。

IVRyでは「イベントや最新ニュース、募集ポジションの情報を受け取りたい」「会社について詳しく話を聞いてみたい」といった方に向けて、キャリア登録やカジュアル面談の機会をご用意しています。ご興味をお持ちいただけた方は、ぜひ以下のページよりご登録・お申し込みください。

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