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空港キャンプのメンバーで三里塚の野菜を食べる鍋会をした。三里塚ワンパック野菜を取り寄せて、どっさりと届いた野菜を皆んなで食べるのだ。LINEで呼びかけたら、ちゃんと全員が集まれる日が決まった。嬉しかった。空港キャンプをした時、皆が最後にLINEを交換する流れになったのは印象的だった。散歩会でそのような空気になることはそれまでない事だったからだ。みんな徹夜で一緒にいて、朝から昼の解散まで歩き続けて、どこかで心の繋がりを感じられたんだと思う。

駅で待ち合わせしたら、仕事終わりの遠藤君が別の駅に向かってしまった。特に名前が似ているわけでもない駅だ。まあ印象は確かに近しいところもあるのかもしれなかった。彼のことを30分くらい、みんなはのんびりと待っていた。

一番最初に着いたきつだ君は本を読んでいて、それをそのままひなちゃんに貸した。「借りていい?」みたいな感じでひなちゃんが懐に入れる関係性が心に残っている。

きつだ君から遠藤君に電話してもらって、材料を買った。ミソがこのスーパーは高い、と言った。確かにそうかもしれなかったが、野菜は近頃とても値上がりしている。豆腐は絹派と木綿派がいて、ミソはそのどちらかで、こだわっていた。だから豆腐が二種類カゴに入れられた。私は魚介が基本的に好きだった。ビールを選ぶと、きつだ君が私が選んだ銘柄に反応していた。そのビールの味は重たくて良かった。ミソは長い缶だった。

遠藤君が到着して、部屋へ向かう。
後ろを振り返って写真を撮ったのだけれど、雰囲気は撮れているのに表情の映りが悪くてその写真を数日後に消してしまった。

川を歩く。きっと遠藤君がいい写真を撮る。
不思議な仕草をしていて、でもそれはきっといい写真のためのものだ。

鍋と雑炊を、Apple Musicが作ってくれた2024年によく聴いた曲のプレイリストをマーシャルで流しながら作っていく。ミソに消毒液を渡すと喜ばれる。ひなちゃんは本棚に入り浸る。遠藤君はここまで集めるのにどれくらいかかっているの、と言う。二つの反応があって、意外と少ないねって言われることもある。きつだ君は最後に、これだけのものがよくまとまっていますねと言っていた。空港キャンプの時もそうだったけれど、きつだ君とはいつだって一瞬だけちゃんと話してる瞬間が来る。キャンプの時ならコンビニで、この間映画をイメージフォーラムのみんなと観た時は、中華料理屋の喫煙スペースで。この日は会が終わって、ミソの終電に追われて切羽の詰まった最後の時間で。画集の入った棚を教える。

後から遠藤君の映像を見たら、人参の切り方が随分と酷い。カメラを適当に渡す。きつだ君は三里塚のレシピブックを読んでいる。あとがきに「戦いの話があるよ」って言ってくれた。その本を私はまだ読んでいなかった。

鍋会なのだから、三里塚の話をした方がいいのかな?とも思った。けれど、あまりしなかった。でも皆とりあえず、もう一度居心地の良いメンバーと会えることを楽しんでいる様子だった。ミソは「青春をありがとう」みたいなことを言っていた。私たちはコロナが学生時代だったから。

気合いを入れてサトちゃんのTシャツを着てきた。かわいいところ。

一人暮らしだと、こういう食事をあまりしないみたいで、いつもはカロリーバーみたいなものだけ食べてるみたいなことを言っていた。ほかほかの笑顔になってくれて良かった。取材先のつねさんにこの話を言ったら、そうなんだよ、どうするんだよ、若い人たち、と言っていたけれど、私たちには栄養を手に入れるための余裕と余裕があると思えるだけのお金がなく、焦っているからこんな風な食事が選択できない。

電球の明かり一つ、皆んなミソの終電にせっつかれて帰る。お風呂に入っていたら、ミソから連絡が来た。


ひなちゃんの感想(一部)

萌ちゃんはとても料理上手で、三里塚の野菜と近所のスーパーで買った魚介や卵やお米を使って鍋と雑炊を沢山作ってくれた。

料理上手というのは、料理に対して迷いがないということで、食材を見ながら、鍋の様子を見ながら、創作するように料理していた。


からし菜とにんじん、タラの昆布だしの鍋

ネギとニラと柚子の雑炊(甘い醤油)

硬めに火を通した大根の鍋

しっかり火を通した大根の鍋

麻辣ソース(ザリガニ用)で味付けした卵の雑炊

焼いた銀杏と塩


萌ちゃんが途中でらっきょうの漬け汁を鍋に入れることを思いついていて、味が想像できないと思ってしまったのだけど、できた鍋は優しい甘酸っぱさがあって、温かい白菜と調和していてとても美味しかった。

木のテーブルを5人で囲んで、缶ビールを飲みながら鍋と雑炊を交互に食べた。都度萌ちゃんが、使っている野菜の名前を皆に教えてくれた。

最初に食べたからし菜は、茎も葉もふかふかした分厚さを感じて、同時に歯切れの良さがあっていくらでも食べられた。鍋に入れた大根は、まずは敢えて軽めに火を入れた硬めのものを食べた。その方がこの大根には合っているように思うみたいなことを萌ちゃんが言っていた。ゴリゴリした歯ごたえで少し甘みがあり、透明感のある匂いがした。その後今度はしっかりめに火を通した大根も食べた。甘みが増して柔らかさが加わった。しっかり火を通したバージョンも美味しいなみたいなことを萌ちゃんが呟いていた。空港キャンプの日の話はあまりしなかった。

最初から最後まで皆らっきょうをぱくぱく食べていた。

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