30代女子、猫を飼う。
30代ではじめて猫を飼った。当方未婚である。
猫を飼うと言う話をしたとき、何人かの知人に怪訝な顔をされた。
独身女×ペット=結婚できない=不幸。
そんな図式からだろうか。
しかし、世は令和である。
ロボットが料理を運ぶ時代に、化石のような寝言は言わないでほしい。
30代で猫を飼い始めたとたん、不幸になるどころか、私のQOLは爆上がりした。
極論、猫がいれば結婚なんてしてもしなくてもどうでもいいや、と思うようになってきたのである。
ペットのいる人生といない人生の二択があるならば、私は絶対に前者を選ぶ。もふもふがいない人生なんて、タコが入っていないタコ焼きのようなもの。
(それが好きな人もいるだろうけれど)
私の人生ともふもふは、切っても切り離せない関係なのだ。
動物が大好きだった子ども時代
そもそも、動物が大好きな子どもだった。
初めてペットを飼ったのは8歳の時。チワワのチーちゃん(祖母命名)だ。
チーちゃんがうちに来たばかりのとき、嬉しすぎて普段より2時間も早起きして、学校に行く前にお世話をしたことを思い出す。
チーちゃんがきっかけで、将来は動物のお医者さんになりたいと思った時期もあった。
(しかし、理系科目が壊滅的でこの夢はすぐに散ったw)
それからチーちゃんとの楽しい日々は、私が大学生になるまで続いた。
動物が飼えなかった20代。禁断症状の末…
大学で上京しメディアに就職してからは、動物とは疎遠になってしまった。もちろん実家に帰ればチーちゃんが待っているが、ひとり暮らしの家は狭くてペット禁止の上、激務すぎて新しく自分のペットを迎える余裕なんて一ミリもなかった。
そうすると、どうだろう。
忙しさも相まって、徐々に体調を崩しがちになった。
自分の中の満たされなさというか、心のガサつきが日に日に大きくなっていくのだ。
もふりたい
ある日の仕事中、はっきりそう思った。
今すぐもふらなければ、心が死んでしまう…!!
終業後、近くの駅ビルにダッシュした私は、手のひらサイズのファー付きキーホルダーを慌てて購入。すぐさまカバンにつけて、しばらくの間さわさわもふもふしていた。
いつかまた本物をもふりたい…思う存分もふもふにまみれたい……。
そんな夢とペットを飼えない現実のはざまで、私の画像フォルダは日に日にもふもふの犬や猫たちに侵食されていった。
同じ頃、チーちゃんが亡くなったと言う知らせが入る。享年18。
動物を飼う楽しさや素晴らしさを教えてくれたのは、間違いなくこの子だった。
30代おひとりさま、ついに猫を飼う。
生き物と暮らすには、気力も体力も経済力もいる。
いくら飼いたいと願っても、環境が整わなければ飼うことはできない。
チーちゃんが亡くなって、しばらくはもふもふのことも忘れていたが、30代になって私の生活にある変化が起きた。コロナの影響で仕事を一旦やめ、帰郷することにしたのだ。
その時の私は、それまでのいろいろなモヤモヤが積み重なり、一旦全てをリセットしたくなっていた。
そのタイミングで、ふと思い出したのだ。
もふもふを飼うなら今しかないじゃん…!と。
しかも、次は飼ったことのない猫ちゃんを迎えてみたい。。
そこからは早かった。
たまたま見つけた猫ちゃんに一目惚れ。とんとん拍子にことは進み、翌月にはその子と暮らすこととなった。
新しく迎えた猫ちゃんは、グレと名付けた。


「灰色だからグレなの?」と100%聞かれるが、実は違う。私は本業が紅茶屋なので、何か紅茶に関連する名前がつけたいと思い、柑橘系のフレーバードティー・アールグレイから取ってグレにしたのだ。いちいち説明しないと、絶対にわかってもらえないのが玉にきずだが。。
猫と暮らし始めて、一番驚いたのは猫は意外と話が通じるということだ。
しかも結構なつく。私が想像していたツンデレとはかなり違うと思った。
うちのグレちゃんは、ブリティッシュショートヘアという種類なのだが、この猫はイギリスでネズミをとる猫として重宝されていたらしい。そのため、とにかく賢く我慢強い。
めったにニャーとは鳴かないし、噛んだり威嚇も全然しない。とにかくおっとり、何ならどんくささすらある。

そして、犬と違い猫は毛がとても柔らかいことに驚いた。
特にブリショーの毛はダブルコートといわれる二重構造になっているので、はじめてグレちゃんをなでたとき、まるで高級ラグのようだと思った。驚くほど滑らかな手触り。
朝目覚めてまずもふもふ
日中ももふもふ
夜寝る前にももふもふ
どれだけもふもふしてもしすぎることはない。
幸せは一日中持続する。
私の心のガサつきも、からまった毛糸がほぐれるように、日に日に柔らかくしなやかにほぐれ、なめらかになっていった。
嫌なことがあっても、私にはもふもふがいる。そう思うだけで心が強くなれるのだ。
そして、30代にして大好きなもふもふに再会できた私は、自分という人間の輪郭をよりくっきり、明瞭につかめるようになった。
もふもふ、アート、カフェ
私を形づくる、私の人生になくてはならない三要素が定まった。
結婚や子どもは、私の人生にとってマストではない。
20代のころは周りに流されて結婚しなければ…!と意気込んだこともあるが、今は別にどちらでもいいと思えるようになった。
こうしてみると、歳をとるのもわるくないな、と思う。
30代の荒波も、きっと乗り超えられるだろう。
君となら。

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