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ライターなのに文章を書くのが怖い私がnoteを始める理由。

ライターなのに文章を書くのが怖いと言ったら、びっくりされるだろうか。

現在紅茶屋を営んでいる私は、前職でライターを10年近くやっていたくせに、自分のことをSNS上でうまく語れずにいる。

ひとことで言うと、自分をさらけ出すのが怖いのだ。

どうしても、自分をよく見せたいという自意識が勝ってしまう。
自分をよく見せたいと思っている人の文章は、言葉がどこか借り物に聞こえてあまり心に響かない。
そんなことは痛いほどわかっているが、持って生まれたコミュ障も相まって、とにかく自分のありのままをさらけ出すのが苦手なのである。

そんな悶々とした日々を過ごしていたある日。

いくつかのきっかけが重なり、今更ながらnoteを始めてみることにした。
自分をさらけ出せず、文章を書くのが怖くなってしまった自分と徹底的に向き合ってみたいと思うようになったのだ。

そのきっかけや、ここに至るまでのことを少しお話ししたい。
私と同じように、SNSで語ることが怖い人にとって、少しでもこのnoteがお力になれれば嬉しい。

向田邦子になりたかった私の文章人生

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そもそも私が文章を書いて生きていきたい、と思うようになったのは大学生の時だった。
大学生活が暇すぎて、「大学4年間で200冊の本を読む」という目標を入学早々に立てた私は、暇さえあれば本屋へ通うようになった。
それまで本なんてろくに読んだこともなかったが、好奇心旺盛な性格が幸いして、すぐに本の世界に夢中になった。

中でも興味津々で読んだのが、少し古いノンフィクションや小説たち。
いわゆる名作といわれるものを手当たり次第に読んでいった。
その中のある一冊に、当時19歳の私は衝撃を受けたのだ。

「思い出トランプ」。
脚本家として活躍した、向田邦子の直木賞受賞作である。

この小説に収録されている一編『かわうそ』は、天真爛漫な妻・厚子と彼女をうとましく思う宅次という中年夫婦の話だ。

作中、自由すぎる妻を、宅次が一発やり込めてやろうと意気込むシーンがある。しかし、彼は目の前の妻のかわうそのような愛嬌のある顔つきに、ついつい溜飲を下げてしまう。

何気ない日常のふとした感情の機微を、これほどまでに鮮やかに描けるなんて。まるで魔法のようだと思った。

私もこの人みたいな文章が書きたい。

そうしてあの手この手を尽くした結果、私は何とか物書きの世界に片足を踏み入れることができたのだった。

ライターになってはみたものの

マスとウェブでのライター業は、それぞれ大変だったが面白い経験もたくさんできた。それなりにやりがいのある仕事もあった。ここにはとても書ききれないことだらけだ。でも、何かが足りない気がして、いつも不安だった。いつも焦っていた。

仕事が伸び悩んで落ち込んでいたころ、ちょうどコロナが起きた。
東京に疲れた、という大義名分を得た私は、田舎へ帰ることを決める。
自分は文章から逃げたのだという後ろめたさが、砂を噛むように、心の中にじりりと残った。

世は大SNS時代。宙をさまよう言葉たち

私がライターとして活動していたここ10年弱で、世には発信プラットフォームが増え、一億総発信時代となった。
いいねやフォロワー数が全て可視化される時代。

地元に戻ってからは家業の発信のため、本格的にSNS運用をするようになった。ライターをしていたからまあ大丈夫でしょ、と余裕をかましていたが、思ったほどフォロワーが増えない。いいねもつかない。自分や身の回りのこととなると、どれだけ書いても自分の言葉が上滑りしている感覚だけが残る。

なんだか自分の言葉が全然届いていない気がする。
そもそも、これらは私の本心からの言葉なのだろうか。
取り繕ったような言葉が、SNSの宙を舞う。

東京で伸び悩んだのも、今の発信が上手くいかないのも、原因は私がいまいち自分自身をさらけ出せていないからじゃないか。

一歩先を行く友の背中

そんな時、一通のラインが届いた。

学生時代の友人がブランドを立ち上げ、クラウドファンディングに挑戦するので、協力してほしいという依頼だった。 
クラファンページやnoteには自分がブランドを立ち上げた想いや、上手くいかない日々のことなど、ありのままの姿が描かれていた。
同じ学校で同じように過ごしていた仲間の、一歩踏み出した姿がキラキラと眩しかった。

自分を表現する人生を、彼女は選んだのだ。

彼女だけじゃない。
気がつけば、きのうまで同じ場所にいたと思っていた友たちは、次々と自分を言葉で表現し、自分の想いを人に伝えることに真摯に向き合おうとしていた。

一方、私はどうか。

どこか後ろめたさの残るまま東京を離れ、文章を書くのが億劫になり、ついには書くこと自体が怖くなってしまった。
もう自分を誤魔化したくないな、と思った。

とにかく何か書いてみよう

上手くなくてもいい。いいねがつかなくてもいい。
逆立ちしたって、私には向田邦子のような美文は書けないのだ。
かわうそのように天真爛漫な、厚子のような明るい女性にだって、なりたくたってなれない。

でも私にしか語れないことが、きっとあるはず。
そして、そんな私の言葉に共鳴してくれる人が、世界にひとりでもいればいいじゃないか。きっとどこかにそんな奇特な人もいるはず。そう信じて。

note、始めます。

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