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私のキャリアは会議室ではなく、トイレから始まった。

なんて言うと、大袈裟に聞こえるだろうか、いや私は本気でそう思っている。
新卒のころは、早く仕事ができる人になりたかった。でも実際、1年目の私にできたことなんてほとんどなかった。だから、とりあえずトイレを磨いていた。そんな私が8年働いてみて、”案外よかったんじゃない?”と思う、お仕事の知見を書いてみる。

その1:トイレに女神はいるから、とりあえずできることをやれ

私が新卒1年目の初日に言われたこと。”とりあえずなんでもやれ。体育会系の私は”はいっっっ!!!”と威勢よく返事した。でも正直、何をすれば”なんでもやった”ことになるのかわからなかった。
私は1週間を過ぎたあたりで、先輩に”なんでもやるので、何かやれることがあれば教えてください!”と聞いたら、”自分で探してみ。なんでもいいから。”と返された。それがわからんのにな〜と思いながら、ふと、昔バレーボールをやっていた際に、コーチをしていた母から言われた言葉を思い出す。”見えないところで努力。誰もやりたがらないことを率先してできる人になりなさい。” そうか、これか。そんな私が最初に一生懸命やったことは、毎朝のトイレ掃除とゴミ捨て。終わっている日は、コップを洗ってお湯を沸かした。誰もやりたがらなさそうなこと、だけど、誰かがやっていたら助かること。どうせ1年目の半年間なんか、できることなんて少ないんだから、こんなことがしたい、こんな人になりたいなんて思う前に、とりあえずなんでもいいから人の役に立つことをやる。それを誰が見ていなくてもやり続けること。8年目の私が最近思うことは、やっていて大正解。
見返りを求めず続けていると、不思議と誰かが見ている。”ありがとう”と言われ、気付けば、イベントリーダーや新卒への研修講師まで任されるようになっていた。大袈裟じゃなく、私がいただいたお仕事のほとんどは、あの”誰もやりたがらないことを率先してやったこと”から繋がっていると感じる。結局、私のキャリアは会議室ではなくトイレから始まった。トイレに女神はいます。つかまえましょう。

その2:電話は積極的に出る。電話にも神様はいる。

最初に覚えた業務の中で、1番苦手だったのが電話対応だった。鳴らないでくれと願っても、あいつらめちゃくちゃ鳴る。しかも大体、急ぎかお叱り案件。躊躇うと1コールで先輩が出る。電話でて!と怒られ、一瞬の迷いが一生の後悔になる。憂鬱。ただもうやるしかない。なぜならやれることが少ないから。とりあえず出る、出る、出る。電話が終わった後に、先輩から”こういう言い回しのほうがいいね、あの日本語はちょっと変だったかも。”とご指摘をいただく。最初はそれが公開処刑のようで恥ずかしかったのだが、恥ずかしさを隠すために必死にメモる。次は気をつける。これを繰り返していると、”あそこの取引先の上司の人に電話しといて”とか、”お客様へこういう提案がしたいから、電話で説明しておいて”と、お仕事が増えた。私でいいのか?と思いながらも、きっと任せてもいいと思ってもらえるほどには、上達したのだろうと少し自信がついた。上手くなるには、まずやってみること。そして、教えてもらえる環境を自分から作ること。
そうして1コールで電話を取るくせがついた3年目。ある提携先に営業のご挨拶をしに行ったときだ。ペーペーの私が名刺を恐る恐る差し出した際に、”あ、いつもめっちゃ早く電話出てくれる(私の名前)さん!やっと会えた〜”と言ってくれた。私の名前を覚えてくれていたのかと嬉しさを感じたのと同時に、電話に1番最初に出ていただけで人に覚えられ、営業の挨拶がスムーズになるのか。とまたお仕事のカラクリに気づいた感覚だった。実はなんでも繋がっているものなんです。その1にも書きましたが、とりあえずやってみて。

その3:矢印は自分向きに。人のせいにしない。

社会人としてというか、人としてですよね。でもなぜか会社では1番先に忘れられること。私も何回も会社のせいにした。上司のせいにもした。給料のせいにもした。忙しいからやりたいことができない、あの人がこう言っているから本当は嫌だけどやらないといけない、、、、、、
不満を出すとキリがない。もちろん、自分ではどうにもできないこともたくさんある。だけど、本当に全部そうだろうか?だって、旅行も本を読むのもYouTubeを見るのも、どんなに忙しくても計画して実行するだろ、自分のことになると。結局、自分で変えられることまで他人のせいにしていないか?一旦、立ち止まって省みること、忘れんなよ、私。外向きになってる時は、その分誰かから自分に矢印向けられてるからな。


その4:上司は意外と見てない。でも意外と見てる。

ミスをした時、世界の終わりと思っていた。切腹とかしないと許してもらえんじゃないかと。ミスが発覚した後の、退勤時間までの時間は地獄。どんな風に見られてるんだろうとか、笑顔を見せようもんなら、こいつ反省してないなと思われるだろうなとか。でも後輩ができて感じた。実際は覚えていない。おいおいおい、と思うこともあったが、その後、指摘したらもう終わり。だって、その子のことを嫌いになったわけではないから。あと1番の理由は、いちいち覚えていられないくらい、こちらは忙しいから。そんなもんなんですよ、だからミスしたらそのことについてはしっかり反省、謝罪。ほんで、仕事でミスしたら挽回できるのも仕事でしか無理です。間違って、気を使って笑わないようにしようとか、お菓子配ってみたりとか、そんなことしても誰も覚えていないし、反省してるんだなとか思う人はいない。
ただ、これだけ言わせて。普段の姿勢はなぜかいつも見られています。仕事への向き合い方、愚痴っぽくないか、協力体制があるか、意欲があるか。めっちゃ見られてまっせ〜〜〜〜〜〜。まあ、こんな上司が私は素敵だと思ってます。いつもありがとうございます。


その5:メモは才能を超える

1番最初に怒られたのは、メモの取り方。教えてもらったことをメモる。これ常識なんですけど、その時限りになっていました、私も。だから、次にその仕事をする時に、大量のメモの中でどこにメモったか分からない。見つけても殴り書きで、一体何を書いているのかわからない。そして、ミスをするよりかはと思い、何回も同じことを聞いてしまう。これ最悪です。はい、これ新卒1年目の私です。
まず改善するために意識したことは、”2度と聞けないこと”だと思って、メモを取ること。なので新鮮な記憶のうちに、殴り書きメモを、私だけの説明書ノートに書き写し、まとめた。そのまとめノートは見やすく、何がどこに書いてあるのか分かるようにしておき、何かあればそのノートを開く。そうすると、”これやったことあったけ?”と先輩に聞かれた時は、自信満々に、”はい!ここのページに!!!!”と見せびらかしながら、仕事はスムーズ。もう2度と聞きませんからね!と、新しいことを教えてもらう時は意気込んでメモったのだ。
このメモに助けられたのは、実は社会人2年目以降の私。後輩ができた時に、順序立てて教えることができるのだ。びっくり。メモの1ページ目から順番に教えていくと、やってもらいたいこと、1年目だから教えないといけないことがびっしり書いている。8年目の私もまだ大事にこのノートを置いています。あ、私は先輩の話を聞くときにPCでメモするよりも、手書きメモで頷きながら聞いている子のほうが、”お、聞いてくれてるな。”と思います。今の子達はPCの方が打ちやすいのかな?それでもいいと思うけど、とりあえずもう同じことを聞かない努力は必要です。

ここまで書いてみて思った。振り返ると特別なことは何もしていない。
むしろ当たり前だろ、ということ。

トイレ掃除をする。
電話に出る。
メモを取る。
ミスをしたら謝る。
人のせいにしない。

でもね、当たり前のことを続けることが1番難しい。それと私は分かっている。少しでも同期の中で先に”できるやつ”だと思われたい、と思う心が一人一人にあることを。私もそうだったので。だからこそ、専門的な知識が欲しいし、業務を1人で早くできるようになることが、最優先だと思っていた。でも、仕事をしていると自分1人ではどうにもできないことがたくさんある。上司、取引先、景気、方針。会社員のうちは仕方ない。だからこそ、自分でどうにかできることに集中する。

誰もやりたがらないことをやる。
誰よりも早く電話に出る。
教えてもらったことを忘れない。
ミスをしたら次に活かす。

結局、私のキャリアを作ってくれたのは、才能でもセンスでもなく、そういう地味な積み重ねだった気がする。トイレに女神はいるし、電話にも神様はいる。仕事の神様は、案外そういう地味なところに住んでいる。やっぱり私のキャリアは、会議室ではなく、トイレから始まっていた。




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