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年収1000万でも幸福になれない理由

日本の平均給与は約470万円。一方で、年収1000万円を超える憧れの高収入層は全体の約5%ほど。そんな高収入の人たちほど、意外にも「貯金ができない」「していない」ことがあります。  
これを実践すれば、あなたも彼らと同じくらいのお金を貯められるようになります。  
今回はその方法について詳しく解説します。

お金が貯められない理由

①パーキンソンの法則

年収が上がってもお金が貯まらない――。この現象には明確な理由があります。心理学と行動経済学の両面から説明できる、その代表的なものが「パーキンソンの法則」です。

この法則はもともと組織論から生まれた概念で、「仕事は、与えられた時間をすべて使い切るように膨張する」というもの。それがお金にも応用され、「支出は、収入の増加に比例して膨張する」という形で知られています。つまり、収入が増えると、無意識のうちに「これくらいなら使っても大丈夫」と支出が増え、結果的に手元に残る額はいつまでも変わらないのです。

②プライドの罠

特に日本では、「頑張った自分へのご褒美」という名目で、収入が上がるとまず引っ越しを検討する人がいます。家賃10万円から15万円へ。あるいは、住宅ローンで月20万円超えの物件を購入したり。けれども、これが危険なのは、“後戻りできなくなる”という点です。

家は生活の基盤であり、最大の固定費でもあります。一度高い家賃や住宅ローンの生活に慣れてしまうと、安い物件に戻るのが非常に困難になります。これは単なる物理的な不便ではなく、心理的抵抗によるもの。  
自分のステータスを下げたくない、周囲の目が気になる――そんな「プライドの罠」です。

③適応水準理論

この状態は「適応水準理論」にも当てはまります。人は一度高い生活水準を経験すると、それが“当たり前の基準”になります。快適さ、ブランド、利便性、社会的評価。それらを失うことが、収入減よりも辛い心理的痛みを伴うため、たとえ家計が苦しくても生活レベルを下げようとしなくなるのです。

④現状維持バイアス

家賃やローン、車の維持費、子どもの教育費、高級サブスクサービス。これら固定費が積み重なると、毎月一定の支出が“当たり前”になり、支出を見直す思考そのものが麻痺します。  
行動経済学ではこれを「現状維持バイアス」と呼び、今の状態を変えるストレスを避ける心理が働き、損をしていると分かっていても行動を変えられなくなると説明しています。

⑤ローン地獄

特に車のローンは典型です。所有することで得られる満足感が高いため、リースや公共交通機関への切り替えを「格落ち」と感じてしまう。結果的に、維持費・駐車場代・保険料・税金など、目に見えない出費が毎月固定で流出していきます。  

⑥節税していない/金融知識がない

年収1000万円を超える層の多くは、可処分所得にゆとりができるため「節税の必要性」をあまり感じていません。しかし、日本の税制構造上、収入が増えるほど課税率も比例的に上がる――つまり、「稼ぐほどに取られる国」なのです。日本では累進課税制度が採用されており、所得が増えるほど税率が上昇します。所得900万円を超えると税率は33%に達し、課税所得1800万円以上で40%、4000万円以上で45%になります。さらに住民税が一律10%加算されるため、働いて得た給与所得の実効税率は最大で約55〜56%に達します。

つまり、年収1000万円の人は、実際に手元に残る金額は600万円前後にまで減少するのです。

金融リテラシーが欠けた状態で高収入を得ることは、「底の抜けたバケツで水を汲むようなもの」。

どれだけ働いても、税金・社会保険・消費支出に吸い取られ、可処分所得が増えない構造に陥ります。

収入が上がるほど幸福度が上がる訳ではない

一方で、年収が倍増しても、幸福度の伸びはほとんど比例しません。米プリンストン大学の研究では、収入が約850万円を超えたあたりから幸福度の上昇曲線は緩やかになり、それ以上ではほとんど変わらないという結果も報告されています。つまり、年収1000万円を超えても「満足」の感覚は増えにくく、“支出”だけが肥大していくわけです。

お金が貯まる人がやっていること

①お金の筋トレ

収入が増えたときに問われるのは、「いくら使うか」ではなく、「何を維持するか」という判断力です。  
しかし多くの人は、支出が増えても貯蓄や投資の習慣を同じペースで増やしません。貯金する“仕組み”を先に強制的に作らない限り、余ったお金は必ず消えます。これがパーキンソンの法則の本質です。

例えば、手取りの20%を必ず自動で積立投資へ回す仕組みを最初に設定すれば、残りの80%の枠内で生活が成立するように脳が自然と最適化されていきます。  

逆に、「余裕ができたら貯める」と決めている人は、永遠に余裕が訪れません。支出が膨張し続けるからです。

これは筋トレと同じで、日ごろから節約や貯蓄という“お金の筋肉”を鍛えていないと、収入が上がった途端にバランスを崩します。  

そして、一度上げた生活レベルを下げるという行為は、心理的には「ダイエットのリバウンドを防ぐ」よりも難しいのです。

人間の脳は「得たものを失う痛み」を「得る喜びの2倍強く」感じるという損失回避バイアスがあるためです。

②自分のプライドをコントロール

「もう少し自分を良く見せたい」「他人より劣って見られたくない」——この感情が、固定費を支える燃料になります。  

しかし本当に誇るべきプライドは、“見せる生活”ではなく、“自由に選べる生活”です。  
高収入であっても、支出がそれを上回れば経済的には「不自由な成功者」になってしまいます。一方で、収入が平均水準でも、固定費を極限まで抑え、資産を積み上げている人は“静かな富裕層”です。

家を賃貸にしても、場所を柔軟に動かせるなら、それは「自由度の確保」という戦略です。中古車を選んでも、それが経済合理性を理解した上での選択なら、「誇りを持った節制」です。

③脱パーキンソンの法則

パーキンソンの法則を超える唯一の方法は、「支出の上限を自分で意識的に設計すること」。  
給料が増えても生活水準を一定に保ち、その差額を資産形成へ回す習慣を先に“固定費化”してしまうことです。  

🤯年収が高くてもお金持ちになれる訳ではない

私自身、平均的な給与の中で生きてきて、高所得者の方と出会う機会がほとんどありませんでした。しかし、その後、年収が非常に高い人たちと接する中で、「なぜこれだけ年収が高いのに、私よりお金がないのか?」と疑問に思ったとき、パーキンソンの法則が理由だったことを知りました。

お金の使い方はその人の自由ですし、とやかく言うつもりはありませんが、私がしてきたことはこれらに当てはまらなかったため、貯めることができたのだと納得することができました。

今回のことを反面教師にして、あなたも資産形成のヒントにしてみてください。

🔮次回は…なぜ貧乏な人は貧乏なのか?

貧乏な人が貧乏である理由は、これまであることをしてこなかったことが原因です。しかし、貧乏であることを他人のせいにして文句を言う人は数多くいます。なぜ貧乏な人は貧乏から抜け出せなかったのか。これから貧乏を脱したい人にとってヒントになる内容を、次回お話しします。

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