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173店舗を広げたのは技術ではなく「ありがとう」だった│代表・北原孝彦 登壇レポート(BWJ福岡/2026年2月17日)

2026年2月16日〜18日に開催された「ビューティーワールド ジャパン 福岡」。美容・健康・ウェルネス業界の最新商材やサービスが集結する、西日本最大級の美容見本市です。

全国から美容師、エステティシャン、サロンオーナー、メーカー関係者が集まり、業界の未来を学び、つながる場として毎年注目を集めています。

2日目の2月17日、メインステージには北原孝彦(Laboratous株式会社 代表取締役/株式会社WEBSTYLE 代表取締役)が登壇しました。

テーマは「全都道府県173店舗展開の極意と美容師の可能性」。立ち見が出るほどの超満員の会場で語られたメッセージの一部を、本記事ではレポートします。

(取材・撮影・文:今村優里)

技術ではなく「ありがとう」が人を伸ばす

美容師になりたての頃、私は「技術の高い人が勝つ」と信じていました。

人気のプレイヤーと、なかなかお客さんが定着しないプレイヤーの差は技術にあるはずだと思い、技術を磨くことばかりに集中していた時期もあります。

ところが現場を見れば見るほど、そこが一致しないんです。技術はあるのに伸びない人がいて、技術を超えて売れていく人がいる。私は、その違いをずっと観察し続けました。

そして、たどり着いた答えは、いちばん「ありがとう」を言っている人、そしていちばん「ありがとう」を言われている人が、結局いちばん売れていくということでした。

あらゆる検証でも言われているように、「ありがとう」という言葉には細胞を活性化する力があると言われています。

「ありがとう」を介して元気になるから、もっと目の前の人に貢献したくなる。そして目の前の人に貢献するから、またありがとうが返ってくる。

その循環が生まれると、周りにありがとうを言う人が集まり、ありがとうをもらえる強い集団に変わっていきます。

つまり、売れる人と売れない人の差を分けるのは、技術でも接客でもマニュアルでもなく、もっともっと前提にあるシンプルなものだったのです。

そして、もうひとつ大切なことは「誰のためにやっているのか」が明確であることです。誰にありがとうを伝えたいのか、そして誰からありがとうをいただきたいのか。ここが明確になっている人ほど、ブレません

「誰のため」が決まっていると、技術はただの「技術」で終わらず、「誰かを喜ばせるための道具」に変わります。結果として学びが続き、学びが続くから深まっていくのです。

逆に「誰のため」が曖昧だと、技術を磨く理由も、提供する相手もぼやけて、「ありがとう」が生まれにくくなります。ありがとうが生まれないと不安が生まれ、学ぶ意味が薄まり、成長が止まってしまうという悪循環に陥ります。


私が長野に1号店を出した理由

これに関連して、少し私の話をします。

私は2015年5月、長野県長野市に美容室Dearsの1号店を出店しました。よく「なぜ長野県に出店したのか」と聞かれますが、理由はシンプルで、両親が長野にいたからです。

もし長野県外に出店したら、きっと両親と顔を合わせる回数は減ってしまう。だから私は地元・長野に、第一号店を構えました。

つまり、私にとって最初の「誰のため」は、両親だったんです。

そして2015年当時の美容業界は、まだまだブラックな働き方が当たり前のように存在していました。

休日が取れず、「美容師になっちゃったから」という理由で友達の結婚式に出席できない。私はそういう言葉を、数えきれないくらい聞いてきました。だから私は、休みがしっかり取れる雇用環境をつくろうと決めました。

また、Dearsは、当時ではまだ珍しかった高単価メニューを主軸にしたビジネスモデルですが、これも高単価にしたかったから高単価にしたわけではありません。

1日に10人、20人と対応すると疲れて、パフォーマンスが落ちる。パフォーマンスが落ちると、誰かに「ありがとう」を渡す余裕がなくなる。

だから私は、働く人の状態を整えることを優先しようと決めました。そうしたら結果として、高単価メニューになったというだけなんです。

このように、私はこれまで、私がやりたいブランディングを優先したことはありません。「みんなが欲しい」というものを、後出しじゃんけんのように作り続けてきました。

「誰と生きていきたいか」「今、周りにいてくれる誰のためのコンセプトなのか」を決めて、その人たちと話し合いながら、場所を決め、メニューを決めてきたのです。

多くの人は、“メニュー→場所→人”という順番でビジネスをつくり、どうやってルールや会社の中に人を閉じ込めるかを考えます。

私の場合は逆で、“人→場所→メニュー”が自然な順番です。

この順番を一貫すると、「それが欲しい」と言ってくれる人が集まってきますし、採用基準も自然に定義されていきます。


教育とは「愛すると決めること」

ここが決まれば、あとは「共に生きる」と決めた相手の手を絶対に離さないと決めるだけです。

私は教育を「技術を教えること」だと思っていません。教育とは「愛すると決めること」です。

「この子に絶対『ありがとう』と言える毎日を作ってあげるぞ」、と私の中でセットアップし、役割と存在意義をつくる。

そして「今日も来てくれてありがとう」と言う。すると「ここに来てもいいんだ」と思えて笑顔が増える。

笑顔が増えると声をかけられる打率が上がる。声をかけられるから、ありがとうを言い合える関係が生まれ、どんどん活性化し、より目の前の人に貢献ができる。

結果としてリピートいただけて、繁盛していく。その繰り返しなんです。


1人勝ちは一人ぼっちになる、だからこそ「ともにありたい」

私のゴールは「ともにありたい」です。

1人勝ちは、必ず小さくなります。1人勝ちは、いずれ1人ぼっちになります。

年を重ねると、体力も瞬発力も落ちますし、最先端スキルだけを武器にしていたら、いずれ限界が来るでしょう。年齢を重ねても劣らないものがあるとしたら、それは人とのつながりだけです。

だから私は、将来的に”相談窓口”のような存在になりたいと思っています

私に相談すれば、誰かと繋がる。場所が生まれる。居場所ができる。そういう状態をつくることが、優しい未来に繋がると信じています。

そのために私は、常に相手のことを気にかけています。

私の周りを、私が大切にしたいと思う人たちで固めて、その人たちがより良くなるために今どんな言葉をかけるのかを、ひとつひとつ考えています。

最後に、私は10年以上、「選択と集中」を意図的に続けてきました。

100回ではなく1000回、1年ではなく10年。今、周りにいてくれる人に求められていることを、異常な回数やり続ける。

崩さなければ右肩上がりになると、私は本気で思っています。

今日のテーマは「全都道府県173店舗展開の極意と美容師の可能性」ですが、その本質は、ありがとうが循環する構造を崩さなかったことです。

「誰のため」を明確にし、人を決め、場所を決め、メニューを決める。その順番を守り、「ありがとう」が循環し続けるチームを守り続けたことです。

私はこれからも、1人で勝つ道ではなく、ともにあり続ける道を選びます。

そして、崩さない習慣と、崩れないチームワークについて、これからもぜひ皆さんと一緒に勉強させていただきたいと思っています。


次回登壇のお知らせ

以上、2026年2月17日に「ビューティーワールド ジャパン 福岡」メインステージで行われた、北原孝彦(Laboratous株式会社 代表取締役/株式会社WEBSTYLE 代表取締役)登壇セミナー「全都道府県173店舗展開の極意と美容師の可能性」の内容を一部レポートしました。

立ち見が出るほどの会場で語られたのは、出店や拡大のノウハウだけではなく、現場が崩れないために何を守り続けるのか、という“土台”の話でした。

技術の手前にあるもの、誰のためにやるのかという軸、そして「ありがとう」が循環する状態をつくること。

その積み重ねが人を育て、チームを育て、結果として広がりにつながっていく…、そんなメッセージを受け取っていただけたのではないかと思います。

北原は、2026年3月24日開催の「ビューティーワールド ジャパン 名古屋」にも登壇予定です。

福岡での内容に関心を持たれた方は、ぜひ名古屋会場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

※限定100席/聴講するには「来場事前登録」が必要です。


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