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対極点とバランス〜明菜ちゃんの蟹座と山羊座

皆様の周囲にもおられませんか?生命力と包容力に溢れた年配の方が。70代・80代になっても矍鑠としていて、イキイキとご活動されている方。若者に負けない明晰な頭脳、シャキッとした肉体。そんな素敵な諸先輩方には共通点があると思うのです。



それは心に柔軟性があるってことです。身体的にもそうだと思うのですが、何より考え方や行動様式に柔軟性がある。長らく生きてきた人生哲学のようなものはしっかりとある。見事な説得力と包容力がある。でも、同時に子どものように素直で自然体なのです。



楽しい時は無邪気に笑うし、何より好奇心が失せていない。怒りも悲しみも喜びもとっても素直に表現される。つまり、頑固すぎる、視野が狭い、過去を握りしめるってことは、年を取るにつれ、益々私たちを縛り付ける最大の元凶になるってことじゃないのかなと思うのです。



占星術に「対極点」という考え方があります。180度の反対側に位置するポイントです。日本では進化占星術師ジェフリー・グリーン氏の「冥王星の対極点」という概念がよく知られていると思います。冥王星は「どうにかしようとしても、どうにかできるような天体」ではありません。



私たちの自我が太刀打ちできない力を持っている。小手先のテクニックや物質的対処法では全く及ばない範疇の天体です。でも、対極点に集中することで、結果的に冥王星の難しさがバランスされていく。対極点を意識することで徐々に、しかし確実に人生が整っていく感覚が生じてきます。



たとえば、12ハウスに冥王星があると、その対極点は6ハウスになります。12ハウスの冥王星が抱えている得体の知れない痛みや危機感。あるいはコントロール不能な破壊的エネルギー。そこにばかり意識を向けるのではなく、反対側の6ハウス的事柄に対して、自分自身を献身することで整っていく。


6ハウスは責任と職務のハウスです。12ハウスの痛みや苦しみをエネルギーにして、あなたの役割に徹すること。世界の役に立つ実際的なことに集中する。あなたの仕事を世界に捧げる最大の愛にまで高めていく姿勢。漠然としたスピリチュアルや精神世界に焦点を合わせるのではなく、目の前の現実に焦点を合わせる。掃除や仕事や日常ルーティン、今やるべきことと肉体感覚に着地する。



そうすることで精神が安定します。人生が地に足のついたものになっていく。冥王星の破壊的エネルギーが緩和されていきます。人生のある時、現実がひっくり変えるような破壊と再生が避けられないものであったとしても、よりマイルドになっていく。無価値感やコントロール不能感に翻弄されなくて済む。



柔軟であるということは即ち「反対側も内包できる能力」のことです。これは高度な能力です。地球は二元性の星だからです。本当はひとつであるエネルギーをきっちりと二区分してしまうのです。山羊座と蟹座は正反対、牡羊座と天秤座は正反対だと認識してしまう。それは致し方のないことであり、そこから学ぶための高度な体験の場が地球なのです。



いきなりですが、明菜ちゃんの「セカンドラブ」が令和になった今でも、私のカラオケの十八番です。(来生たかおバージョンはなお好き)昭和世代にとって、中森明菜はアイコン的存在でした。自殺未遂からの金屏風記者会見。子ども心に見るに耐えないものがありました。蟹座の繊細さが痛々しいまでに漏れ出して、こちらに浸透してくる。月の性質が強い人は周囲の感情に敏感であると同時に、ご本人の感情も漏れ出すのです。


熱烈な明菜ファンではなくても、誰しもが「保護本能が駆り立てられるような愛おしさ」を抱かされた存在ではないでしょうか。いつも痛みが漏れ出している、身体全体から悲しみが漏れ出している。それが明菜ちゃんの魅力でもありますが、「反対側・対極点」に向かうことができたなら、そんなに苦しまなくてもよかったのに・・・と感じてしまいます。



明菜ちゃんには5人の兄弟姉妹がいて、家庭はとても貧しかった。幼少期から母親が明菜ちゃんの才能に期待していたことを敏感に受け止めていたそうです。そして「私が働いて家族を楽にしてあげる」と決意した。彼女にそう思わせた最大の原因は12ハウスの山羊座の月だと思われます。(こうあらねば自分は母や家族から愛されないという強迫観念)



でも、太陽は蟹座です。蟹座太陽と山羊座月が綺麗に180度です。とにかく有名になって大きなお金を稼がなければならないーーそれは月のいたいけな想いであって、彼女の本質はセンシティブな感情や情感を豊かに表現する歌い手であったのだろうと思います。表現することで人を癒したり包み込むこと、みんなの痛みを代弁して肯定してあげること。それ自体が本来の純粋な喜びだったのだと思います。



12ハウスの天体が抱える痛みや危機感は時に凄まじいエネルギーとなります。12ハウス・山羊座の月が抱え込んだ「重すぎる責任と重圧」から、どこかで自分を解放し、魂の望む方向へと舵を切ることができたなら、そこまで自分を痛めつけなくて済んだのに・・・そう感じてしまいます。



蟹座は心の安定と温かさを求めます。社会的成功や経済的成功よりも、心の幸せ・内的温かさなのです。一方の山羊座はキャリアや達成、目に見える結果を求めます。これらの二つが別々のものだと認識してしまうのが地球人です。片方を手に入れたら幸せになれると錯覚する。それが人間の切ないほどの哀しさであり、愛おしさです。



対極同士は本当はコインの裏表。同じエネルギーの極と極です。二つはバランスを内包して、はじめて完成するのです。片足で立つと極めて不安定なように、一方だけだと簡単に折れてしまうのです。牡羊座と天秤座、牡牛座と蠍座、双子座と射手座・・・全てはワンセットであり、一本の軸です。



蟹座と山羊座は正反対に見えますが、この軸は究極、愛の軸です。父性的愛と母性的愛の融合。物質的温かさと精神的温かさ。本物の責任感は大切な誰かや何かを守りたいという愛から生まれる。外の世界で戦う強さは家庭内や身近な人間関係の愛から生まれる。自己犠牲と自己愛の融合。自分を削ってまで責任や目的を果たすと、生身の心を持っている私たちはやがて決定的に壊れてしまう。



自分の心のニーズと受け入れるべき責任のバランスでもあります。明菜ちゃんは母親の愛を強く求め、そして、本当は温かな愛情と居場所が欲しかったのだと思います。蟹座や月の問題を抱えている人に共通したテーマでもあります。今、彼女が華々しい太陽の光よりも、月明かりのような温かさに満たされていることを願います。



私たちは自分の本当の願いさえわからなくなる二元性の星・地球で生きている。そんな私たちはみんなチャレンジャーです。そこに気づかないと人生が壮絶で出口のない無理ゲーみたいになる。苦しくてたまらなくなる。だからこそ、何かを成し遂げる前に、そもそもそのままでいいのだと思い出してほしいのです。悪も不幸も欠点もあっていい。抵抗しない。自分を温かく笑ってあげる。



精神世界や高度な学問を学ぶよりも、感情や出来事こそが全てを教えてくれる。私の真実を教えてくれる。自分が自分に寄り添う限り、全ては治っていく。整っていく。人生に訪れる苦しみや行き詰まりは「バランスが片方に傾きすぎていること」を教えてくれます。何に拘っているのか、何を恐れているのか。そんなに何を隠しておきたいのかを・・・



人生の達人はそれが瞬時にわかるようになる。だからこそ、年齢を重ねた人生の達人は柔軟性を持っているのでしょう。全ては陰陽、裏表のバランスであることを知っている。今に着地して、笑ったり怒ったり、泣いたりしながら、柔らかく在ることができる。私たちもそうなれます。だから、あまり細部に拘りすぎたり、頭の理解に走ったり、自分を断罪しないでくださいね。



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