付録C|ウィーニング・SBTをもっと知りたい人へ
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主な対象は【中堅以上で、実際にウィーニングや抜管の場面を受け持つ人】。第5章本編で「流れ」を掴んだうえで、詳しい基準を確認したいときに引くページです。
スキ(❤️)を押しておくと、必要になったときにマイページからすぐ開けます。 数値や基準は施設・プロトコルで異なるので、必ず所属施設のものを確認してください。
C-1. SBT(自発呼吸トライアル)とは
SBT(spontaneous breathing trial/自発呼吸トライアル)は、患者さんが人工呼吸器から離脱できる状態にあるかを、サポートを最小限にして(または外して)実際に確認する試験です。人工呼吸器のサポートをなくす(Tピース)、あるいは最小限にする(低いPSV)方法で行います。
※実際は“抜管可能性をみる試験”として使われることが多い
📎 用語の補足:「ウィーニング」という言葉は、人工呼吸器からの離脱の過程として、人工呼吸器の中断も含めて考えられているのが現状です。
C-2. SBTの実施条件(開始してよいかの目安)
SBTを始める前に、以下のような条件が満たされているかを確認します(一例)。
・原疾患(呼吸不全の原因になった病気)が改善傾向にある
・十分な酸素化が保てている(FiO₂・PEEPが低めの設定で、酸素化が安定している)
・血行動態が安定している(昇圧薬を使っていない、またはごく少量で安定。重篤な不整脈がない)
・自発呼吸があり、咳反射がある
・鎮静薬が減量・中止され、指示に従える程度に意識が回復している
(参考資料:日本集中治療医学会ほか「人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル」/看護roo! ※基準は施設により異なります)
C-3. SBTのやり方
呼吸器のサポートをぐっと減らした状態で、30分〜120分ほど自発呼吸をさせて様子を見ます。方法は主に2つ。
・【Tピース】:呼吸器から外し、酸素だけが流れる回路(Tの字の管)につないで、完全に自分の力で呼吸させる方法
・【低いPSV】:呼吸器につないだまま、圧サポート(PS)をごく低く設定して、ほぼ自力で呼吸させる方法
C-4. SBT失敗(中止)の指標
SBTの成否によって、抜管に進めるかどうかを判断します。以下は「失敗=中止を考える」指標の一例です。試験中にこれらが現れたら、試験を中断し、サポートを戻して呼吸を休ませます。
【臨床的評価と自覚症状】
・不穏と不安
・うつ状態
・発汗
・チアノーゼ
・努力呼吸(呼吸補助筋の使用増加/苦悶様表情/呼吸困難)
【客観的指標】
・PaO₂≦50〜60mmHg(FiO₂≧0.5)もしくは SaO₂<90%
・PaCO₂>50 もしくは PaCO₂が8mmHg以上増加
・pH<7.32 もしくは pHが0.07以上低下
・RSBI>105(呼吸数/分/L)
・呼吸回数>35回/分 もしくは 呼吸回数が50%以上増加
・心拍数>140回/分 もしくは 心拍数が20%以上増加
・収縮期血圧>180mmHg もしくは 20%以上の増加
・収縮期血圧<90mmHg
・不整脈の出現や出現頻度が増加
(参考資料:『初めてでも使いこなせる!人工呼吸器デビュー』表3「SBT失敗の指標」/日本集中治療医学会ほか「人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル」 ※基準は施設・プロトコルにより異なります)
💡 看護師の役割:合否と中止を判断するのは医師です。看護師は、その材料になる観察(呼吸が速い・冷汗が出ている・苦悶様の表情など)を、正確に届けることが役割になります。数値の暗記より患者さんが無理をしているサインに気づくことが大切です。
📎 SBT失敗時:1回のSBTでうまくいかなくても、それで終わりではありません。合格しなかった場合は、呼吸筋を休ませるために強制換気などでサポートを戻し、翌日また評価する、というくり返しになります。
C-5. 抜管前のカフリークテスト(参考)
抜管後の喉頭浮腫のリスクを事前に見るため、抜管前にカフの空気を抜いて、空気の漏れ(リーク)があるかを確認する検査です。リークが少ない=喉の周りが腫れている可能性=浮腫のリスクあり、と考えます。リスクが高ければ抜管を延期し、ステロイド投与などで浮腫の軽減を待つことがあります。これらの判断は医師が行います。
(参考資料:日本麻酔科学会ほか ※詳細は施設のプロトコルを確認してください)
📖 この付録は、主に【中堅以上で、実際にウィーニングや抜管を受け持つ人】向けです。第5章本編で「流れ」を掴んだうえで、詳しい基準を知りたいときに読んでください。数値や基準は施設・プロトコルで異なるので、必ず所属施設のものを確認してください。
📚 最後まで読んでくださったあなたは、おそらく現場でウィーニングを支えている側の方だと思います。
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人工呼吸器がついた患者さんを受け持つとき、身構えてしまう——そんな看護師さんへ。看護師17年目・元教育担当が、観察・ケア・急変予測を「なぜ…
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