見出し画像

高卒認定試験まであと24日。「増やす」のをやめた人から、合格に近づいていく


今日は7月13日。高卒認定試験の第1回は、8月6日(木)と7日(金)の2日間です。

第1日目の試験まで、あと24日。今日を含めれば、使える日は25日あります。

この数字を見て、胸のあたりがすっと冷たくなった人もいると思います。

「もう時間がない」

私も昔、まったく同じところに立っていました。だから今日は、その冷たさの正体と、そこからどう動くかについて書きます。

結論を先に言うと、直前期に大切なのは、すでに触れたものを本番で思い出せる状態にすることです。教材を増やすより、そのほうが点数につながります。


「もう間に合わへんかも」の正体

残り日数を数えたあと、多くの人がまず何をするか。

本屋に行きます。あるいは通販のカートに、新しい問題集や参考書を入れます。

「この範囲がまだだ」
「あの科目の対策本を持っていない」

足りないものを数え出すと、不安はどんどん具体的になります。そして、その不安を埋めるために、教材を「増やそう」とします。

私は高校を1学期で辞めたあと、大検(今の高卒認定の前身です)を受けました。その直前期、まさに同じことをしていました。

焦って参考書を買い足して、机の上に積んで、それを見て少し安心する。でも、積んだだけでは当然何も変わっていません。むしろ「あれもこれも手つかずだ」という材料が増えて、不安が太っていくだけでした。

この焦りは、やる気がないから起きるものではありません。むしろ逆です。

受かりたい。間に合わせたい。

その気持ちが強いからこそ、「もっと増やさなければ」という形で表に出てきます。焦りは、やる気の裏返しなんですよね。

だからまず、その焦りを否定しないでほしんです。ただ、向ける先を一つだけ変える。それだけで、残りの日々の捉え方が変わると思います。

🐾 ゆるねこおとん:ワイもな、エサが減ってきたら不安になって、あちこち新しい狩場を探しに行くねん。で、走り回った日ほど、なんも捕れへんのやわ。
👤 世話係:……おとん、それ、けっこう核心ついてるんよね。

本番で問われるのは、「増やした量」ではない

本番の当日を想像してみてください。

試験用紙を前にして問われるのは、今この瞬間、その問題に答えを出せるかどうかですよね。この1か月で何冊の本を開いたかは、そこで問われません。

どれだけ多くの参考書に目を通していても、本番でその中身を引き出せなければ、点にはなりません。

逆に、持っている知識が少なくても、それを確実に引き出せるなら、その分はきちんと点になります。

だとすれば、残りの日々でやるべきことは、はっきりしています。

新しく「増やす」ことより、もう持っているものを「思い出せる状態にする」こと。直前期の勝負は、こちら側にあります。

だから、直前期の軸は一つに絞れる

「思い出せる状態にする」とは、具体的に何をすることなのか。

答えはシンプルです。

過去問を解いて、答え合わせをする。2026年度から新しく加わる「情報」については、まだ過去問がないため、文部科学省が公開しているサンプル問題を使います。

直前期の軸は、これで十分です。

ただし、ここには一つ落とし穴があります。

それは、「読んで、わかった気になる」ことです。

たとえば数学。解説を上から順に追っていくと、「なるほど、ここでこう変形するのか」と、すらすら頭に入ってきます。わかった、という感触もあります。

ところが、解説を閉じて白紙に戻し、同じ問題を出されると、最初の一手が出てこない。

あのすらすらした感触は、「わかった気」であって、「自分で解ける」ことの保証ではなかったのです。

心理学では、このように読みやすさを理解と取り違えてしまう現象を、「流暢性の錯覚」と呼ぶことがあります。

英語でも同じです。

単語帳を眺めて、「acquire、知ってる知ってる」と思う。でも、いざ「身につける・獲得するを英語で?」と聞かれると、自分の中から出てこない。

見て意味がわかることと、自分の中から引き出せることは、別の力です。

この「知っている」と「出てくる」のあいだの隙間こそ、直前期に埋めるべき場所です。

では、その隙間はどうやって埋まるのか?

読み返すだけでは、なかなか埋まりません。

埋まるのは、一度閉じて、「思い出そうとする」ときです。

同じ材料をもう一度読むよりも、一度テストして思い出そうとするほうが、記憶に残りやすいことが知られています。

単語を赤シートで隠して思い出す。過去問を閉じて、自力でもう一度解く。これらはすべて、「思い出す練習」です。

だから、やることは次の流れに絞れます。

過去問を解く。
答え合わせをする。
間違えたものだけ解説を読む。
そして、もう一度、自力で解き直す

この一周を、繰り返します。

新しい教材を開く時間があるなら、その時間を「もう一周」に回してください。

🐾 ゆるねこおとん:ワイ、獲物はな、じっと眺めてるだけやったら一生捕れへんねん。飛びかからな。眺める時間と、飛びかかる時間は、別モンやで。
👤 世話係:……おとん、それ今日いちばんええこと言うたわ。読むのが「眺める」で、解くのが「飛びかかる」なんよね。

わからないところは、「頼る力」で越える

過去問を回していると、必ず「解説を読んでも、なぜそうなるのかわからない」ところにぶつかります。

ここで手が止まってしまう人は少なくありません。

そういうとき、一人で抱え込まないでください。

学校や塾の先生、近くに詳しい人がいるなら、遠慮せずに頼ってよいのです。

「ここがわからないので教えてください」

そう言えることも、立派な力です。

近くに聞ける人がいない場合は、YouTubeの解説動画やAIを使う方法もあります。とくにAIは、聞き方を工夫すれば、自分のつまずきに合わせて何度でも質問できる学習相手になります。

ただし、「答えを教えて」とだけ聞くと、答えだけを見て、また「わかった気」で終わることがあります。

頼み方を少し変えてみてください。

「自分はここまではわかったけれど、この先がわからない」
「なぜこうなるのか、順番に説明してください」
「この答えのどこで考え方がずれたのか教えてください」

答えそのものより、理由を聞く。

これが、直前期のAIの使い方です。

ただし、AIは間違うこともあります。教科書や正式な解答と照らし合わせながら使ってください。

🐾 ゆるねこおとん:ワイもわからんことは、長老猫に聞くねん。「答え教えて」やのうて、「なんでや?」って聞くと、次から自分で狩れるようになるんやわ。
👤 世話係:おとん、それが大事なんよね。理由がわかれば、次は自分の力で解ける。だから、聞くのは「なんで?」なんです。

25日を、「週」で切る

やることが絞れると、スケジュールもシンプルになります。

1日単位で完璧を狙うと、少しずれただけで「今日もできなかった」と落ち込みます。だから、週で切って、週で帳尻を合わせます。

7月13日〜19日

現在地を知るための一周目

まず、紙に書き出します。

受ける科目、それぞれの手応え、得意と苦手。頭の中にある不安を、一度外に出します。

そのうえで、各科目の過去問を一周します。「情報」はサンプル問題を使います。

ここでは、思うように点が取れなくても大丈夫です。目的は、「今どこにいるか」を知ることです。

7月20日〜26日

思い出せない場所をつぶす

一周目で間違えたところや、答えが出てこなかったところに絞り、思い出す練習を繰り返します。

この期間が、直前対策の中心です。

全部をやり直そうとせず、間違えた理由がある場所を狙い撃ちにします。

7月27日〜8月2日

二周目と弱点の整理

もう一周回して、まだ引き出せない場所を洗い直します。

この時期は、人によって力の入れどころが変わります。

これから全科目を仕上げる人は、「取りやすい科目から確実に確保する」。

すべてを均等にやるのではなく、合格できる科目を一つずつ積んでいきます。

あと数科目まで来ている人は、「あと一歩の科目に時間と力を集中する」。

手を広げず、ゴール手前の科目を確実に越えにいきます。

8月3日〜5日

本番のリハーサル

時間を計って、過去問を通しで解きます。

当日の持ち物を確認し、体調も整えます。

この時期に新しいことへ手を出すと、かえって不安が増えます。ここは、「増やさない」をいちばん強く守る期間です。

当日は2日間あります。

1日目が終わった夜、できなかった科目を悔やんで夜ふかしするより、翌日の科目のために早く寝てください。

2日目は、また別の「今この瞬間、答えを出せるか」の勝負です。

1日目は、もう終わったことです。

受かっても、届かなくても、終わりではない

私は昔、直前に参考書を積み上げ、それを眺めて安心し、結局あまり手をつけられませんでした。

あのとき机の上に積み上がっていたのは、知識というより、不安をなだめるための山だったのだと思います。

今のあなたに、もし一つだけ渡せるなら、その「積む」時間を、「もう持っているものを、もう一度思い出す」時間に変えてほしい。

それだけで、同じ25日が、まるで違う25日になります。

増やすのをやめた人から、合格に近づいていきます。

あと24日。まだ十分にあります。

🐾 ゆるねこおとん:ワイも、新しい煮干し探すのやめて、隠してあるやつ全部思い出すことにするわ。……あれ、どこ隠したっけ。

👤 世話係:……おとん、それが本番までの宿題やね。一緒に思い出していこか。

受かっても、届かなくても、終わりではない

ゆるねことん、心の一句


積むよりも 思い出す夜 煮干しかな


いいなと思ったら応援しよう!