『ライフイズストレンジ リユニオン』感想:面白さは、初代には届かない。それでも、名シリーズを「終わらせる美しさ」がここにあった
初代は超えない。
しかし、この終わり方だからこそシリーズは完成した。

待ちに待った、最終章。
「ライフイズストレンジ」そして「マックスとクロエの物語」は、もう終わりなんだ。ここで終わったんだ。
そう思わせる重みと美しさが、この作品にはありました。
※本記事には初代「ライフイズストレンジ」のネタバレを含みます
過去作レビュー記事
ライフイズストレンジ2
ライフイズストレンジ トゥルーカラーズ
ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー
シリーズ最終章。
名作である初代の主人公、マックスが主人公に返り咲いた前作、「ライフイズストレンジ ダブルエクスポージャー」。
しかし、その終わり方は強く続編を匂わせるもの。
そして、発表されたその続編。
それこそが、ライフイズストレンジ最新作でありシリーズ最終章の「ライフイズストレンジリユニオン」でした。

結論:シリーズ最終章としては傑作、単体では良作
正直、初代は超えないというのは、確実な評価です。
それでもこの作品は、「ライフイズストレンジ」というシリーズをきちんと終わらせた作品でした。
単体では良作。しかし「最終章」としては極めて綺麗で、強く記憶に残る作品。
シリーズそのものの魅力を強くし、マックスとクロエの旅路を極限まで美しいものとする。
そんな作品でした。

前提として避けられない、クロエ復活という劇薬
(ここから初代ネタバレあり)
特筆すべきは、重要キャラクター「クロエ」の復活。
もう10年以上前の作品なのでネタバレしても良いかなと思うんですが、初代ライフイズストレンジで、主人公のマックスと一緒に過ごした大親友のクロエ。
彼女は、初代ライフイズストレンジの最後で、死ぬ可能性があります。
これは、最後の選択をプレイヤーに委ねるからこそ「可能性」です。
ずっと一緒に過ごし、問題を解決してきたマックスとクロエ。
しかし、クロエは本来、ゲーム開始時に学校のトイレで撃たれて死んでいた存在です。

それを救ったのが、マックスの「時間を巻き戻す」という力。
この力のおかげでクロエは死ぬ運命を回避。そしてそれからも、マックスの力を使って二人は様々な問題を解決してきました。その反動として大きな嵐が二人の住む街「アルカディア・ベイ」を襲います。

そしてそこでマックスは、クロエに選択を迫られます。
「マックスが力を使わなければ街が嵐に襲われることもなかった。だから、全てを元通り…。クロエが「死んだ」現実まで時間を巻き戻してくれ」というもの。
「すべてをなかったことにして、最初まで巻き戻す」
そうすることで嵐が来るのを防ぐことができます。
ただし、クロエは死んでしまいます。
プレイヤーはこうも選択できます。
「クロエを死なせるわけにはいかない。街に嵐は来るが、それよりもクロエが大事」。
クロエを死なせ、街を守るか。
街が破壊され、クロエが生きるか。
初代では、そんな究極の選択をプレイヤーは問われます。

しかしどちらにせよ、前作「ライフイズストレンジ ダブルエクスポージャー」では、クロエは存在しません。
クロエが死んだ選択肢ならもちろんこの世に存在しませんし、クロエが生きた選択肢でも、現在のマックスとは疎遠になっています。
まあ、こんな究極の選択の後に整合性が取れた物語を続けるとしたら、(特にクロエと疎遠になるというのは多少プレイヤーの意図とは反している感じもありますが)こういう状況にするしかありません。

そう、クロエとはもう関わることはない。
そんなマックスの物語だったはずなのに、再度クロエが登場。
一体なぜ? どういう原理で? (選択肢によっては)死んだはずでは?
過去を捻じ曲げるくらいの物語は、初代プレイヤーの興味を急激に引き込む劇薬のようなものであり、戦々恐々としている部分もありました。
物語のフックはシリーズ屈指
今回の物語は、マックスが写真家としてさらに前作から成長しているシーンから始まります。
ニューヨークへの出張を経て、さらに実力と名声がついてきたマックス。
そんなマックスは、出張から帰ってきた際、自らが学生に教えている大学が「何者かに襲撃され、燃えている」ことを知ります。

慌てて大学に向かったものの、既に炎は至る所に回り。
目の前で学生が倒れていき、そして友人であるモーゼスもまた、崩壊する大学に巻き込まれてしまいます。
そんな衝撃的な状況で、マックスが取った手段。
それは、「ニューヨークへ出張する前に撮った自撮りから、その瞬間まで時を巻き戻す」ということでした。

マックスは初代から、「直前の時間を巻き戻す力」と、「写真に写った瞬間まで時間を移動する」という能力がありました。
今回は、写真に写った自分…ニューヨーク出張前の自分へと戻ります。
記憶を保持したまま、数日前に戻ったマックス。
そこに存在するのは、まだ燃えていない大学。
しかし、確実に数日後、大学は火に包まれます。
何が原因で、どうやったら防ぐことができるのか。
マックスの物語が始まります。

それこそ初代では、序盤から街に嵐が来るということがマックスの幻覚のような形で示されていましたが、あくまで「巨大な竜巻」というアイコン的なもの、具体的な人的被害などは示されていなかったこと、何より当時の映像技術だと少しリアルさが無かったことから、個人的にはそこまで危機的な感覚はありませんでした。
しかし今回はかなり危機の具体性が上がっています。特に、学校に閉じ込められた学生の助けを求める声、「なぜか助けられないように物理的に施錠された扉」、死んでしまう学生という、具体の事象を目の当たりにしたのは、過去作の中でも最も衝撃的な物語の幕開けでした。
だからこそ、「どうにかしないとまずい」「時間が迫っている」という切迫感も合わせて、物語のフックとしては強力かつ魅力的なものでした。

ミステリ的でじっくりとした展開
物語の展開ですが、かなりゆっくりとしていた印象です。
フックが強烈な分、それをどのように解決するか、そもそも原因は何なのかという、謎を解決するのが目的となっていたため、事実を積み重ねるという展開でした。
だからこそ、それこそ初代のように「チャプターごとに衝撃の事実が判明し先が気になる」という展開ではありませんでした。

そもそも、今回はチャプターごとに分かれていない物語展開ということもあり、そういった部分でも展開がゆっくりとしている印象となったのかもしれません。
これは当然、物語の推進力が弱いということにも繋がります。
細かく事実や危機、課題解決があるのではなく、物語全体を通して、調査、推理、結末、という流れで1つの事象(大学が燃えること)に対応しているため少し「先に進めたいという魅力」は弱かったかなと思います。
ただ、そこにクロエやサフィといった、過去作のキャラクターが絡んでくることは、物語をある意味外側から魅力的にする方法(このキャラはどうやって登場し、どう活躍するんだろうという魅力)として効果的であると思いました。
死んだ、または疎遠になったはずのクロエ。
そして前作において驚きの特殊能力が発覚したサフィ。

ただの「ミステリ的な謎解き物語」に終わらず、特殊能力、超能力、過去との整合性が疑われる事態、その辺りが絡んでくるのはライフイズストレンジならではの魅力であったと思います。
もちろん展開として飽きさせないよう、途中途中危機的な展開もあるにはあります。
ただ、どちらかというと真相が明らかになる過程が、階段を上るようにわかるというよりも、エレベーターに乗るように真相に近いヒントが提示される印象なので、危機的な展開も「きっとこういう奴が画策して危機的な状況に追いやられているんだ」という想像が難しかったところがありました。
それは事件の真相をプレイヤーに気づかせない・迷わせるというのが理由ではあると思うのですが…。
少し雲をつかむような展開が続いていたように感じました。
それが結果として、先に進んでいるような進んでいないような、展開の停滞を感じてしまったところかもしれません。
「推理」が必要となったゲーム性の変化
大学が燃えるという状況を防ぐために、隠された事実を探るマックス。
何が原因か、誰が原因か。大学を中心に、色々な場所を探ります。
その過程で、当然ながら「時を巻き戻す力」も使っていきます。
ここのゲーム性は感覚はまさに初代と同じで、そうそう、こういった操作で時間を巻き戻していたんだな、という気持ちになれたのは、遊んでいて嬉しい点でした。

また、今回はクロエ視点での操作もあり。
過去作「ライフイズストレンジ ビフォアザストーム」でもクロエは主人公だったのですが、その際と同じく「バックトーク」というゲーム性で、情報を集めます。これは単純に議論で相手を責め、口を割らせるようなものなのですが、これも懐かしいものでした。

どちらも過去作の仕様をそのまま活用したのはまさにファンサービスという部分もあったと思います。
また、相変わらずの「迷う選択肢」は健在。
物語の重要な部分での選択は、前作以上に迷うものでした。
これはつまり、物語に没入できていたことの裏返しであると思います。
私自身、物語については前述の通りゆっくりではあったものの、魅力を感じていたというところがあったんだと思います。

そして今作の大きな特徴は、「推理」です。
序盤で、「大学が何者かに襲撃された」という事実がマックスに伝えられますが、その「何者か」を推理し、当てるというパートが存在します。
ここは明確に、過去の作品との差異を感じました。
純文学がミステリ小説になったような…というのは大げさですが、これまでは決められた物語の中でどのように選択するかを悩まされた作品であったのですが、今回は完全に推理もののゲームへと変わった、と思いました。
これは個人的にかなり大きく舵を切ったと思っていて、本当に、いわゆる「犯人当て」の選択が発生した瞬間、良くも悪くも「ライフイズストレンジらしさ」が薄くなった印象でした。
それは確かにゲームとして、ゲームの「型」として明確なものではあるのだけど、「ああ、ライフイズストレンジは体験して悩むゲームではなくちゃんと『推理』するゲームになったんだ」というような感覚。
まあもちろん、本格推理ゲームとは異なり、十分な情報を集めるとヒント…というかほぼ答えが示されるのでゲーム性とは言えないかもしれませんが、それにしても少し驚いた仕組みでした。
クロエ復活というビッグサプライズの功罪
前作同様、大人になったマックス。
ライフイズストレンジの魅力は物語にあるのは確かですが、彼女のキャラクターもまた大きな魅力であると思います。
初代ではちょっと弱気、ただ人のことを大切に思う優しさがあり、いざというときは勇気を持って行動できるところがある、そしてちょっと毒があったりお調子者のところもあるキャラクター。そんな人間味が魅力でした。

このキャラクターの作りは今作でも非常に上手いところでした。
マックスが大人になり、当然ながら一定の常識は身につけて働いているし、何なら学生に指導をする…そんな成長を感じつつも、やはりどこかお調子者だったり、ネジが飛んでいるような大胆な行動をするところ。
この、「成長しているところ」と「変わっていないところ」のバランスが絶妙で、大人になっても変わらないマックスの魅力がしっかり描かれていました。

一方で、クロエもまた年齢を重ねています。
バンドのマネージャーとして生活している彼女は、学生のときから変わらず言動が乱暴。ここは変わらないなと思いました。
ただ…マックスと一緒に行動していると、正直クロエの方が「常識人」であると感じることもしばしば。
ここはなんというか、クロエは節度を持って(ある程度の限度を理解して)乱暴なことをしているのですが、マックスはそのラインを気にせず、リスクを顧みずどんどん先に進んでいくような印象です。
ここはプレイしていてなんとなく感じたところでしたが、「クロエがマックスのストッパー」となっているように思えたのは、面白い関係性、そして二人の成長でした。

あとは、前作から登場しているキャラクターです。
正直なところ前作の物語が非常に衝撃的だったかというと…そこまででもないというか、論理を超えた物語だったので少し理解に苦しむ部分もあり、ある程度キャラクターへの愛着はあれどがっつり感情移入するという感じではありませんでした。
それは前作主要キャラクターのサフィやその関係者についてもそうなので…なんというかキャラクターごとの感情移入の差が結構激しかったです。前作では新規キャラクターと恋愛関係になる選択も選べましたが、さすがにやはり初代をプレイするとクロエから乗り換えるというのがなんというか…抵抗がありました。だからこそ、一定の距離を保つこととなり、結果として感情移入が薄いという印象になりました。

これはマックスが先生、講師という立場だからかもしれませんが、大人になったことで、学生の頃ほど(クロエとのやりとりほど)本音を外に出さなかったりすることが要因の一つかもしれません。
初代に比べていわゆる年齢や立場が「上」のキャラクターが少ないことも、無遠慮に本音を言うよりはむしろお手本でなければならないという立ち振る舞い、つまりは「ちゃんとした大人を演じる」というマックスの行動に多少影響しているかもしれないと思いました。

それこそサフィは前作での超主要キャラクターでありつつ、今作ではクロエの影に隠れた存在に。
彼女の力も凄いものなのですが、その…ちょっと何というか、目立つのか目立たないのか、物語に強く絡んでくるのかこないのか、中途半端なポジションになっていたようにも感じます(もちろん、これは火事の真相を探るという物語上、あまりに序盤で彼女の思惑がはっきりするとゲームが成り立たないため、曖昧になっているところもあると思いますが)。
これはクロエというキャラクターが、少なくとも私の中では最も強烈なキャラクターであることと関係します。
今作はサフィというキャラクターの物語上、確実に前作との2部作であるのは間違いないのですが、それならサフィが物語の中心であるとその連続性が強くなったと思います。
もちろんそういう要素もあるのですが、しかしそこにクロエという特大キャラクターが現れたことで、「サフィ? ああ確かに問題がまだ残ってたな…でもクロエのほうが気になるから…」というような、どこかメインキャラクターが上書きされたような体験になってしまったところがありました。

やはり今作はマックスとクロエ。その二人の物語であることは間違いありません。
だからこそ、この二人への思い入れが強ければ強いほど楽しめると思います。
逆に言うとそこに思いがなければ、やや焦点がぶれた体験になってしまうかと思いました。

シナリオの伏線と動機がやや弱いか
前述の通り、比較的ゆっくりとした展開で進む本作。
クロエやサフィについては、いわゆる前作そのものが大きな伏線であったと言えると思います。
この壮大な伏線は、シリーズの過去作品には当然無かったものなので新鮮でした。
しかし、伏線が機能していない部分もあり。
前作ラストではある人物の不穏な動きが示唆され、明らかに伏線だったのですが、それが今作であっさり覆っていたり。
やや物語構成には疑問を感じたところもあります。
ただし、真相を探るマックスの動きは初代を思わせるアクティブさ。さらには命の危険が迫る場面もあり、こういった物語の展開や緊迫感は最近のライフイズストレンジシリーズでは感じなかった体験に思えました。

その…なんというか、とは言え大学を襲撃して火事を起こすというのはとんでもないことで、ちょっと喧嘩するとかそういうわけではありません。
プレイヤーとして当然推測するのは、「そこまでのとてつもない動機があるからこそ、そんな危険な行動を起こした」ということ。
これはどうでしょう…色々なプレイヤーの意見を聞いてみたいところなのですが、正直この部分に関しては、他のアドベンチャーゲームに比べて丁寧ではないところがあるのかなと思います。
これは今作に限らないと思っており、例えば初代でもクロエの友人であり行方不明になっているレイチェルを探すというのがかなり物語的には必要な要素であったにも関わらず、比較的その感情・描写があっさりだったことを思い出します。
もしかしたらここはシリーズの特徴なのかもしれません。
また、今作は推理物であるということも関係しているのかもしれないのですが、つまりは「悪い奴がいてどうやってその悪事を止めるか」という、ひとつの目的がありどんどん進んでいかないといけない目的がありつつ、「でもその犯人が分からないから推理する」という、停滞するパートがあることの影響なのかと思いました。
とは言え他のゲームでもこういう流れはあると思うのですが…妙にこの「犯人がわからない」「犯人がわかった」「悪事を止める」という流れが一連というより、一足飛びに展開しているのを感じました。

ここはなんというか、もうゲームのボリュームが解決するしかないような気もしますが、テキストなり演出なりがもう少し、ゲームの展開が大きく変わるところの緩衝材となってくれると嬉しかったところです。
その他細かいところ
少しだけ翻訳のミスがあるものの、物語の体験には支障ありません。
相変わらず声優さんの演技は完璧。プロの仕事を体験しました。
音楽全般の使い方も良く、こだわりを感じます。
映像も含め、物語の没入を阻害する要素はありませんでした。
このあたりの質の高さは、ライフイズストレンジシリーズ全般で同じだと思っており、素晴らしい点だと思っています。

まとめ:ライフイズストレンジという体験の終わり
「普通に面白く、良く出来たゲームだとは思うけど、初代は超えない」
私の感想の半分はそのような表現になると思います。
そしてもう半分は「シリーズ最終章にふさわしい作品であり、初代からのライフイズストレンジシリーズ(特にマックス登場作品)をより魅力的にした締めの傑作」でもあると思います。

初代の魅力は間違いないものです。
そしてその主人公が後々のシリーズで復活するというのは最高のファンサービスでもあり、半ば起死回生の一手でもあると思えます。
しかも、蓋を開けてみれば前編のダブルエクスポージャー、後編のリユニオンという二段構え。さらには「最終章」というコピー。
正直、もうライフイズストレンジシリーズの最終手段であり、最後の花火である作品であると感じました。

それは言い換えれば、ハードルを極限まで上げていたということです。
私自身、シリーズのファンとして、マックスとクロエの復活という素晴らしいファンサービスを喜びながら、そこまで期待値上げて大丈夫か…? と思ったのも事実。
これがつまらなかったら、本当にライフイズストレンジは終わりだ、と覚悟していました。

結果は正直、「まあまあ面白かった」というところでしょうか。
ライフイズストレンジシリーズはいくつも作品が出ていますが、毎回期待するものの「そこまででもなかったな…」と感じることが多かったです。
なんというか、初代のあのどんでん返し、初代の最終章の混乱っぷりをまた体験したいのだけど、なかなかそれが実現していないもどかしさを抱えていました。
それでも次こそは…という期待を込めて毎作購入し、まあまあ面白かったかな…(でも初代ほどではなかったかな…)という気持ちになっていました。
ただ、今作は単体の作品以上の要素があります。
それが「シリーズ最終章」ということです。
最終章。つまり、これ以上の作品は出ない(と思われる)ということ。
それは、どれほどこの作品が売れて話題になったとしても、もうここで打ち切ると言うこと。
覚悟を感じられます。

これはこの作品の「最後」にも関連するのですが…。
ライフイズストレンジシリーズは毎作品、最後に「非常に悩ましい選択肢」を提示するのがお決まりとなっています。
さすがにネタバレになるので書けませんが、この作品の最後は、過去のシリーズと比較すると少し特殊なものでした。
これをポジティブに捉えるかネガティブに捉えるかはプレイヤー次第だと思いますが、私は最初に体験した際、「ネガティブ」に捉えました。
ゲームの本質が失われているのではないか。ライフイズストレンジ「らしさ」が消えてしまってはいないか。
やや不満ではありました。
しかし、それは単体の作品で考えたときの評価であると、後から気づいたのです。
このゲームはそもそも前後編。そして最終章。
単体作品ではなく、「シリーズを通しての最後の選択であり、エンディング」である。
そう捉えた瞬間、別の感想が生まれました。

確かにゲーム単体としてはもう少し「欲しかった」ところがあります。
しかし、この終わり方だからこそ「シリーズ最終章にできた」のではないか。考えれば考えるほど、そう思えるようになりました。
マックスとクロエの物語は、ここで終わり。
超能力やトラブルに巻き込まれる冒険も、ここで終わり。
ゲームのようなメチャクチャな体験も、ここで終わり。
それが「シリーズ最終章」ということ。
そして、二人の波乱の物語を終わらせるには、このラストしかなかった。
そう思えました。

そのため、繰り返しになりますが、このゲーム単体としては「まあまあ面白かった」、そしてシリーズ最終章としては「傑作」だと思います。
言い換えれば、もっとドラマチックな展開や激しい物語にも、しようと思えばできたのかもしれません。展開も激しく、スピーディーかつ衝撃的なチャプター形式もできたのかもしれません。
でも、それをやらなかった。
それはもしかすると、このエンディング、そして「物語を閉じる」というところに収束するためのゲームだったから。
そんなことを考えてしまいました。

これでライフイズストレンジは終わり。
選択型のアドベンチャーゲームという意味では、確実に私のゲームの趣味嗜好に強い影響を与えたゲームであるのは間違いありません。
初代に強い衝撃を受け、それ以外のシリーズや、開発元の別作品などもプレイ。それくらい、ずっと追いかけていたゲームでした。
一抹の寂しさ…どころではない、喪失感があります。
最後の作品が、初代を超えるくらい面白かった! という体験をしたかったなという気持ちもありますが、しかし今作の終わり方で、綺麗にシリーズが畳まれたという気持ちに納得感もあります。
マックスとクロエの結末はまさに、プレイヤーとの別れ、卒業を示しているもの。
寂しいけどスッキリする。良い体験だったかなと思います。
このゲームのみを勧めることは難しいです。
少なくとも前作、ダブルエクスポージャーをプレイする必要はあると思いますし、出来ることなら初代のライフイズストレンジを遊ぶべきだと思います。
そうすることで、真価を発揮するゲームであると、私は思っています。
ライフイズストレンジシリーズとの別れ。
マックスやクロエの冒険との別れ。
激しい物語でありつつ、シリーズを終わらせるというどこか穏やかで静かさも感じる作品。
そういった作品であったと思います。
面白い作品。
泣ける作品。
驚く作品。
そんな作品はたくさんありますが、「シリーズを閉じる役割を担い、それを全うした作品」はなかなかありません。
唯一無二の余韻がここにはありました。
選択型、マルチエンディング、シリーズもの。そして最終章。
あらゆる過去の積み重ねを「終わらせる」物語。
この覚悟、ぜひ体験してみてください。

※このnoteでは
こういう物語系のゲームの感想を中心にこれからも記事を書いていきます。
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