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ガラクタたちの噂

"あたらしいものを作るのも楽しいけど
ガラクタを作り変えるのが好き

だれも見向きもしない物をステキに変身させたとき、誇らしい気持ちになる"


お隣のおじいちゃんの物置
耳鼻科の階段の踊り場
友人の仕事場の片隅
お店の前のご自由にお持ちくださいの箱


ガラクタは、いろんな場所に置き去りにされてる。
きっと、作られたばかりの頃はぴかぴかして、ステキなものだったんじゃないかな。
でも、時が経つにつれ、壊れたり、汚れたり、必要なくなったりして、捨てられるその日をただ静かに待っている。
埃をかぶったそういう物たちが、私にはとてつもなく魅力的に見える。


なぜだか、今年に入ってから椅子が多い。
一つ目は骨董市で。
無料でいいよ、壊れてるから。って店主さん。
確かに、座面の布はボロボロに破れて、剥き出しになった板がバキッと割れている。
だけど、誰かが大切に座っていた場面を想像できるような、どこか懐かしい雰囲気の椅子。
迷う事なく引き取り、うちに持って帰った。

破れた布と割れた板を外したところ


まずは座面の形を紙に写して、ベニヤ板を切り出す。
それから、間にクッション材を挟んでから革でくるみ、鋲で打ち付ける。
リメイクする時は、なるべく家にある材料を使うことにしてるんだ。
材料箱の中からぴったりな素材を見つけた時、運命を感じるよ。

クッション材の厚みを
少しづつ調整
鋲は少しくらい曲がっていても
気にしない

仕上げに、木材部分に煮亜麻仁油を塗って完成。

鋲だけを購入
あとは家にあった材料で


キッチンの窓辺に置いて
料理の途中にひと休みするのにぴったり


ステキに変身した噂を聞き付けたのか、
それ以来壊れかけの椅子が私のとこへ集まってくる。

私はせっせと作り変える。
もったいないから、という気持ちもあるけど、ほんとはただ楽しいから。
出来上がりをイメージしながら作業に没頭している時、それが私にとってこの上なく豊かな時間。
『未来のため』とか『SDGs』なんて考えたこともないけど(ごめんなさい)、誰かにとってのガラクタが私の人生を豊かにしてくれる事は、もしかするとほんの少し、未来のためになっているのかもしれないよね。








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