【AIと仮定シリーズ20】「無駄なSF感」が日常をハックするーーPSUのUIに見る、ゲーミフィケーションの極致
2006年、ある一つの「未来」が僕たちの前に提示されました。
セガが放ったRPG『ファンタシースターユニバース(PSU)』。その世界観を支えていたのは、単なるグラフィックではなく、徹底的に作り込まれた「UI(ユーザーインターフェース)」のデザインでした。
今回、その懐かしのUIを現代の「東京」の地図に重ねてみたところ、単なるお遊びでは済まない、不思議な視覚体験が生まれました。
1. 20年経っても色褪せない「ガーディアンズ・デザイン」
まずはこちらの画像を見てください。

このSF感が当時たまらなかった
これはPSUの本来のミッション選択画面です。青いデジタルグリッド、浮遊感のある半透明のパネル、そして右上の拠点写真。
当時は「かっこいいSFのデザインだな」くらいに思っていましたが、今見返すと、これがいかに「情報の見せ方」として洗練されていたかに驚かされます。
これは「軍事拠点(ガーディアンズ)」の端末という設定。つまり、プレイヤーに「これから危険な任務に向かうのだ」という緊張感と高揚感を与えるための装置なのです。
2. 「東京」が「戦域」に変わる瞬間
では、このUIのまま、目的地を「現代の東京」に置き換えてみるとどうなるでしょうか。

※画像はイメージ(妄想)です
この違和感のなさが逆に怖い
どうでしょう。この、恐ろしいほどのしっくり感。
実写の東京駅、そして千代田区の周辺っぽい感じの地図。本来、僕たちの日常であるはずの風景が、このUIを通した瞬間に「攻略すべきタクティカル・エリア」へと変貌してしまいます。
なぜ、これほどまでに違和感がないのか?
それは、このUIが持つ「情報のスキャン感」にあります。青いグリッド線が街を覆うことで、見慣れたビル群が「解析対象」となり、僕たちは無意識に「この街のどこかに何かが隠されている」というゲーム的な視点を持ってしまうのです。
3. 「無駄なSF要素」がもたらすゲーミフィケーション
この画像において、最も「無駄」であり、かつ最も「重要」な要素。
それは左下の「イーサン・ウェーバー(Lv100 / HP 1687)」のステータス表示です。
Googleマップに自分のHPが表示される必要はありません。目的地に行くだけなら、レベルも属性も関係ない。
しかし、これがあるだけで、単なる「移動」が「ミッション」へと昇華されます。
丸の内の高層ビル群を歩くとき、自分のHPゲージを意識する。
満員電車という過酷な環境を、レベル100のステータスで凌ぐ。
「東京駅周辺の調査」という名目で、いつものランチタイムをハックする。
これこそが、日常をゲーム化する「ゲーミフィケーション」の極致ではないでしょうか。
情報の効率化だけを求めた現代のフラットデザインにはない、「情緒的なハック」がここにはあります。
4. 未来のナビゲーションは「物語」を語るか
僕たちは現在、Googleマップという最強の地図を手にしています。それは非常に正確で、効率的です。
しかし、そこに「ワクワクする物語」は付随していません。
もし将来、AR(拡張現実)デバイスが普及し、自分の好きな「UI」を選んで街を歩けるようになったら。
僕は迷わず、この「無駄なSF感」あふれるPSUモードを選びます。
「千代田区・丸の内エリア。任務を開始する。」
そう脳内で再生されるだけで、退屈な通勤路は、フォトン煌めく冒険の舞台へと変わるのだから。
おわりに
UIデザインとは、単に使いやすくするだけのものではありません。
「世界をどう見るか」を規定する、フィルターのようなものです。
たまには、自分の日常に「無駄なSF」を重ねてみてはいかがでしょうか。
意外と、あなたのレベルも、もう100に達しているかもしれませんよ。
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