見出し画像

写真集『鎧潟』💧巻町双書 第11集昭和39年(1964年)11月15日発行巻町役場 発行石山与五栄門 著


【新潟の古紙物紹介】🧐

写真集『鎧潟』💧
巻町双書 第11集
昭和39年(1964年)11月15日発行
巻町役場 発行
石山与五栄門 著

舟で稲を刈り、蓮の茂みで子どもが遊び、雪の野に一人の人影が立つ——消える直前の鎧潟が、白黒写真の中に静かに息づいている😌
「巻町双書」第11集として町が刊行した、鎧潟の最後の記録写真集📖


【内容など解説】🧐
⚫︎ 鎧潟はかつて西蒲原郡巻町(現・新潟市西蒲区)に存在した新潟県内最大の淡水湖のひとつ。
1958年(昭和33年)から本格的な干拓が進められ、1966年(昭和41年)の大排水機場の完成と新川の改修工事により水が抜かれ、1968年(昭和43年)に完全に干拓されて姿を消した。
本書はその消滅を目前にして刊行された、町による公式の記録写真集。
農地局提供の航空写真が巻末に収録されており、潟の全体像を俯瞰で確認できる。


⚫︎ 写真は著者・石山与五栄門が数年をかけて撮影。
表紙の舟上の人影から始まり、笠をかぶった農婦たちの稲刈り作業、蓮の花、潟辺の子どもたち、冬の雪原と防雪柵、農家の仕事風景まで、四季にわたる潟と人の暮らしが全72点余の写真で構成されている。
記録写真でありながら、構図と光の使い方に芸術的な意識が宿る。


⚫︎ あとがきには「鎧潟の風土を写真で記録しようと思い立ったのは、潟が干拓される以前から」という著者の言葉があり、消えゆくものへの予感と記録者としての使命感が滲む。
農家の方々への協力への感謝も綴られており、地域と撮影者の信頼関係が一枚一枚に根ざしていることが伝わる。


⚫︎ 「巻町双書」は巻町役場が刊行した地域文化叢書シリーズ。第11集にあたる本書の刊行目録には、民俗・古文書・詩・歴史など多彩なテーマの既刊が並ぶ。
この写真集はそのシリーズの中でも、視覚的な記録として際立った存在感を持つ一冊。
⚫︎ 昭和31年(1956年)4月3日撮影の鎧潟航空写真(金沢農地局・北陸農政局農地開拓建設事務所提供)が巻末に収録。広大な水面と水田が描く幾何学的な地形が、干拓前の潟のスケールを静かに物語る。


📖 紙が語る「歴史の断面」——鎧潟は農地に変わった。
舟で稲を渡し、蓮の中で子どもが笑い、雪の野を人が歩いた潟の日常は、この白黒写真の中にだけ残っている。巻町が「町の記録」として残そうとしたこの一冊は、失われた景観への静かな追悼であり、新潟の水と土と人の記憶である 😌

#カミログ新潟 #ぽんしゅ館クラフトマンシップ新潟本コーナー
#鎧潟 #巻町双書 #巻町 #新潟市西蒲区 #干拓 #消えた潟 #写真集 #昭和39年 #新潟の自然 #新潟の歴史 #郷土史 #古紙物 #古書好き #水辺の記憶 #鎧潟干拓

いいなと思ったら応援しよう!