四季を愛する日本人(生まれ月)に相応しい香り12選
『四季の歌』の歌詞にある「春=清き心」「夏=強き心」「秋=深き心」「冬=広き心」という4つの精神性をベースに、1月から12月までの季節感(旬の植物や気候)を掛け合わせ、IG Fragrance Lab 代表・池上優香として全12種類の香りを処方いたしました。
調香師としての「感性」と、分析技能士としての「緻密な構成」で描く、12の物語です。
冬を愛する人は 心広き人(根雪をとかす大地、母のような人)
12月・1月・2月生まれの包容力があり、厳しさの中に温かい愛情を持つ人々へ。
1月:『Sacred Morning(聖なる夜明け)』
新しい年の始まり、凛とした静寂と清浄な空気。
• Top: ユズ(Yuzu)、ミント
• 日本の冬を象徴する柚子の鋭さと温かみ。アロマテラピー的にも心を前向きにします。
• Middle: ヒノキ(Hinoki)、松葉
• 雪を被った常緑樹のような、静かで揺るぎないウッディノート。
• Last: ホワイトムスク
• 冷たい空気の中で、白い息が溶けていくような清潔感のある余韻。

2月:『Thawing Snow(雪解けの予感)』
春を待ちわびる、雪の下の温かい土壌と小さな蕾。
• Top: レモン、ユーカリ
• まだ寒い風を表現するクリアな香り。
• Middle: ミモザ、ヘリオトロープ
• 寒さの中で黄色い花が咲くような、パウダリーで母性的な甘さ。「愛」を感じさせるフローラル。
• Last: バニラ、トンカビーン
• 厳しい寒さを内側から温める、濃厚で優しい甘み。

ギリシャ神話の物語で、水の妖精クリュティエが太陽神ヘリオス(アポロン)に恋をし、彼が他の女性に心を移した後も、毎日太陽を見つめ続け、最終的にはヘリオトロープの花になったとされています。
ヘリオトロープは、その甘い香りから「匂ひ紫(ニオイムラサキ)」や「香水草(コウスイソウ)」とも呼ばれます。
バニラのような甘い香りが特徴で、香水の原料としても利用されます。
夏目漱石の小説にもヘリオトロープの香水が登場します。
告白の際のプレゼントにおすすめです。
春を愛する人は 心清き人(すみれの花、僕の友だちのような人)
3月・4月・5月生まれの純粋で素直、新しい出会いを喜ぶフレッシュな感性を持つ人々へ。
3月:『Innocent Violet(可憐なスミレ)』
歌詞にある「すみれの花」そのもの。春の訪れを告げる純真さ。
• Top: バイオレットリーフ、グリーンアップル
• 若々しい葉の青さと、フルーティな瑞々しさ。
• Middle: バイオレットフラワー(スミレ)、アイリス
• 「清き心」を体現する、控えめで上品なパウダリーフローラル。
• Last: シダーウッド
• 柔らかな花を支える、繊細な木の香り。

ヴィーナスの涙: 美の女神ヴィーナスが流した涙がスミレになった、というギリシャ神話が有名です。
これには、謙虚さや誠実さの象徴という意味が込められました。
森の妖精: 森の奥深くでひっそりと咲く姿から、恥ずかしがり屋の妖精に例えられることもあります。
ヨーロッパでの由来
キリスト教の影響: 中世ヨーロッパでは、聖母マリアの純潔や謙遜の象徴とされ、「謙虚な愛」といった花言葉が生まれました。
ビクトリア時代: 花言葉が盛んになったビクトリア時代には、ひっそりと心の中で抱く思いや、秘密の愛を伝える手段としてスミレが贈られました。
4月:『Sakura Bloom(桜の舞)』
満開の桜の下で交わす、親愛なる友との笑顔。
• Top: サクラ、ピンクグレープフルーツ
• 甘酸っぱく、心が浮き立つような明るいトップ。
• Middle: ピオニー、フリージア
• 花びらが舞うような、軽やかで透明感のあるフローラルブーケ。
• Last: クリスタルムスク
• 友だちのような親しみやすさを残す、透明度の高いムスク。

サクラはヒマラヤに祖先種の起源があると考えられており、ヒマラヤザクラは2万5000年前の化石が見つかっている。ユーラシア大陸中南部から、シベリア、日本、中国、米国、カナダなど、主に北半球の温帯に広範囲に自生している。サクラの果実はサクランボまたはチェリーと呼ばれ、世界中で広く食用とされる。日本では、塩や梅酢に漬けた花も食用とされる。
サクラ全般の花言葉を「精神の美」「優美な女性」、西洋では「優れた教育」も追加されるとする文献がある。
桜では開花のみならず、散って桜吹雪が舞う雅な様を日本人の精神に現した。
5月:『Green Breeze(薫風)』
新緑が輝く季節。爽やかで淀みのない心。
• Top: ベルガモット、リーフグリーン
• 五月の風が吹き抜けるような、圧倒的な爽快感。
• Middle: ミュゲ(スズラン)、ジャスミンサンバック
• 「幸福の再来」を花言葉に持つスズランの、清潔で穢れのない香り。
• Last: バンブー(竹)、アンバーグリス
• まっすぐに伸びる竹のように、清廉潔白な精神性。

竹の香りは、疲れてしまった時、「本来の自分(ゼロの状態)」にリセットしてくれる力を持っています
夏を愛する人は 心強き人(岩をくだく波、父のような人)
6月・7月・8月生まれのエネルギッシュで情熱的、困難に立ち向かう強さを持つ人々へ。
6月:『Rainy Hydrangea(雨の紫陽花)』
雨(困難)の中でも鮮やかに咲く、芯の強さとしなやかさ。
• Top: レインアコード(雨の香り)、ペアー(洋梨)
• 雨上がりの湿った空気と、果実の水気。
• Middle: ハイドランジア(紫陽花)、ウォーターリリー
• 水辺に咲く花の、静かだが意志の強い香り。
• Last: オークモス、パチュリ
• 雨に濡れた大地と苔。父のような落ち着きと深み。

紫陽花の由来は、唐の時代の詩人「白居易(はくきょい)」が、お寺に咲いていた紫色のお花の名前がわからなかったので「与君名作紫陽花(君を紫陽花と名付けよう)」と詠みました。
紫陽というのは仙界に咲くお花です。この詩が日本に伝わり、紫陽花と同じものだと紹介されたことから、日本で「紫陽花」という漢名が定着していきました。
7月:『Ocean Energy(荒波の飛沫)』
歌詞にある「岩をくだく波」。太陽と海の爆発的なエネルギー。
• Top: ライム、シーソルト、マリンノート
• 真夏の太陽と、弾ける波飛沫(しぶき)のソルティな香り。
• Middle: ゲラニウム、ローズマリー
• 男性的なハーブの強さが、精神的なタフさを表現。
• Last: ドリフトウッド(流木)、アンバー
• 海に揉まれて強くなった流木のような、ドライで力強いウッディ。

波や潮の流れに乗って海岸に流れ着いた木材を指します。
長い年月をかけて自然の力で削られ、独特の風合いを持つのが特徴です。
8月:『Blazing Sun(灼熱の情熱)』
生命力がみなぎる盛夏。周囲を牽引するリーダーシップ。
• Top: ブラッドオレンジ、ジンジャー
• スパイシーでホットな刺激。
• Middle: ネロリ、イランイラン
• 濃厚でエキゾチックな花々が、内なる情熱を解き放つ。
• Last: ベチバー、レザー
• 大地に根を張るベチバーと、父性を感じるレザーの重厚感。

「ベチバー」という名は、タミール語で「掘り起こした根」を意味し、インドでは「香り高い根」という意味を持ち、乾燥させた根を粉末状にして宗教儀式の薫香に用いたり、衣蛾除けに利用したりしました。スリランカでは女性がココナッツオイルに根を漬け込みヘアオイルとして使用しました。
秋を愛する人は 心深き人(ハイネの詩、恋人のような人)
9月・10月・11月生まれの思慮深く芸術を愛し、ロマンチックで情愛深い人々へ。
9月:『Nostalgic Moon(月夜の金木犀)』
夏の終わりと秋の始まり。ふと思い出す恋心のような切なさ。
• Top: オスマンサス(金木犀)、アプリコット
• 秋の風に乗って香る、甘くどこか懐かしい香り。
• Middle: ブラックティー(紅茶)
• 静かな夜に飲む紅茶のような、知的で落ち着いた渋み。
• Last: サンダルウッド
• 瞑想的な白檀の香りが、心の奥底(深き心)へと誘う。

月の宮殿の桂: 中国伝説では、月の世界には巨大な桂の木(金木犀)が生えているとされています。これは「月宮仙桂(げっきゅうせんけい)」と呼ばれ、金木犀の香りが幻想的な月の世界を連想させた証拠です。
詩歌における表現: 「桂花明月(桂花と明るい月)」という言葉があるように、澄んだ秋の夜、月光の下で香る金木犀は、孤高の美しさや清らかさを象徴するモチーフとして詠まれてきました。
10月:『Poetic Fig(詩人の無花果)』
実りの秋、ハイネの詩集を読むような知性と色気。
• Top: フィグ(無花果)、グリーンリーフ
• 熟した果実のミルキーな甘さと、青い葉の苦味。
• Middle: ドライフルーツ、ダマスクローズ
• 深みのある甘さと、高貴な薔薇。成熟した大人の愛。
• Last: フランキンセンス(乳香)
• 樹脂の神秘的な香りが、哲学的な思考を深める。

フィグ(イチジク)は創世記に最初に登場します。アダムとイブが罪を知り、その葉で身を覆ったことが描かれています。一方で、無花果の木はイスラエルでは繁栄と平和の象徴でもあり、約束の地の豊かさを表すものとして語られます。
原産地は中東で、紀元前から栽培され、古代エジプトの壁画にも描かれる歴史ある果物です。
11月:『Deep Forest(晩秋の森)』
落ち葉が積もる森。愛する人を思う、静かで深い時間。
• Top: ベルガモット、カルダモン
• 冷たい秋風と、少しのスパイス。
• Middle: カシミアウッド、シクラメン
• カシミアのニットに包まれたような、上質で柔らかな温もり。
• Last: アガーウッド(沈香)、ムスク
• 香木の中でも最も深みのある沈香。永遠に続く深い愛の表現。

カルダモンの起源は、インド南部の熱帯地域とされています。
古代エジプトでは紀元前1500年頃、ミイラの防腐処理や香料として使われていました。
古代ギリシャ・ローマでは、薬用ハーブとして、また香水やワインの風味付けに利用されていました。
アーユルヴェーダ古代インドの伝統医学では、消化促進や解毒作用があるとして重宝されました。
12月:『Holy Hearth(聖なる暖炉)』
一年を締めくくり、すべてを包み込む「広き心」。
• Top: オレンジポマンダー、シナモン
• 冬の祝祭を祝う、温かくスパイシーな香り。
• Middle: カーネーション、ローズウッド
• 母の愛を象徴するカーネーションの、優しくスパイシーな花香。
• Last: ベンゾイン(安息香)、バニラ
• 暖炉のそばにいるような、絶対的な安心感と甘い温もり。

バニラの起源は、メキシコ中南部の熱帯地域にあります。古代メキシコでは、トトナカ族がバニラを栽培し、カカオと混ぜて飲む「ショコラトル」という飲み物の香り付けに使っていたそうです。
その後、アステカ帝国を経て、16世紀にスペイン人によってヨーロッパに伝えられました。
IG Fragrance Labでは、これらのイメージをベースに、お客様一人ひとりの肌の匂いや好みに合わせて微調整(パーソナライズ)を行うことも可能です。
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