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こっちの方が優秀って言ったらどうする?|第一話 帰らなかった新潟の夏

「年下の男に、こんな顔させられてる私、みっともない?」

あの夏、新潟で——



大学生の頃、全国大会で新潟におってん。
一回戦で負けてもうて。
新潟駅でチームメイトはそのまま帰る言うとったけど、俺は

「やっぱ俺、もうちょい残るわ」

って言うて、一人になった。
別に理由なんかないねんけど、
なんとなく、もう少しこの街におりたい気がして。

商店街をぶらぶら歩いとったら、
路面にテーブル出してジュエリー売ってる人がおってん。
派手すぎへんけど、なんか目引く格好で。
通り過ぎようとしたのに、
なぜか足止まってもうた。

「見てくだけでもいいですよ」

声かけられたわけちゃうのに、
なんかそう言われた気がして。

何話したんかはもう覚えてへん。
アクセサリーの話やったかもしれんし、
全然ちゃう話やったかもしれん。
気がついたら外、真っ暗なっとった。

「これからどうするの?」

って聞かれて、

「何も決まってないっす」

って答えたら、あっさり。

「そしたら、うち来る?」

って、
でもすぐに付け足してきた。

「でもイタズラしたらダメだよ」

名前はユリさん。たぶん当時24歳くらい。

男女が同じ部屋で寝て、
何もないこともあるって、
ユリさんが教えてくれた。

あの夏、
俺とユリさんの間には何もなかった。
でも——
何もなかった夏かって言われたら、
それもちゃう。

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